第146話 名刺がわりのライトノベル10選

 1「トリニティ・ブラッド」吉田直

 2「ランブル・フィッシュ」三雲岳斗

 3「ウィザーズ・ブレイン」三枝零一

 4「されど罪人は竜と踊る」浅井ラボ

 5「フルメタル・パニック!」賀東招二

 6「ラグナロク」安井健太郎

 7「マルドゥック・スクランブル」冲方丁

 8「PSYCHO-PASS」深見真

 9「零崎双識の人間試験」西尾維新

 10「銀河英雄伝説」田中芳樹



「トリニティ・ブラッド 」

 この作品は僕の原点、最初にライトノベルを知って、ここだ、と思った作品になります。

 この作品は未完で終わってしまって、しかし、それでも凄いとしか言えない。ライトノベルらしいエンタメで、それでいて設定も練り込まれて、キャラクターも魅力的、何より文章がすごい。



「ランブル・フィッシュ 」

 この作品も捨てがたい。

 たまたま出会った作品で、しかし僕の中のライトノベル観に大きな影響を与えた作品です。学園もの、青春、ロボット、人間関係、そういういろんな要素のラノベらしさはここで勉強しました。



「ウィザーズ・ブレイン」

 この作品は第三巻の表紙イラストに惹かれて手に取りましたが、名作でした。SF要素の塩梅がすごくいいと思いますし、説得力がある。そしてキャラクターの人間臭さもいい。

 まだ完結してませんし、いつ完結するかは分かりませんが、是非、最後まで見届けたい。



「されど罪人は竜と踊る」

 僕の中にあったライトノベルのイメージを一新したのが、この作品。とにかく悪口ばかり口にしていて、信頼してるのか、嫌がらせするのが愛情表現なのか、まったく分からない。

 それとストーリーや演出に容赦がなくて、時に残酷すぎるのは読者を選びますが、そこもまた独自の方向へ向かうライトノベルなのかな、と解釈してます。

 完結して欲しいなぁ。



「フルメタル・パニック!」

 この作品は作家力が爆発してますね。

 どちらかと言えば長編シリーズが好きで、短編シリーズは後からチェックしましたが、賀東招二さんという作家はなんでも書けますね。凄い総合力。

 長編が途中で急展開を見せるのも、唸らされる。都合の良さが何もない、強烈な変化と大胆さは、当時はハラハラして読んだなぁ。そして終盤に向けて、SFとしての秀逸な設定が明かされていって、もう、脱帽。

 短編シリーズでは、ラグビー部の話が特に好きです。



「ラグナロク」

 この作品はライトノベル、あるいは、アクションの一つの金字塔なのでは。

 長編シリーズ、短編シリーズ、見せ場は多いのですが、僕の中ですごく印象深いのは短編シリーズの「ラグナロクEX」の中でも大きなエピソード「ザ・アウトサイダー」でしょうか。主人公のリロイは出てきませんが、なんか、この一冊は記憶に鮮明に残っている。



「マルドゥック・スクランブル」

 これはハヤカワ文庫から出てますが、ライトノベルに勝手に分類しました。

 だいぶ遅れて読んだのですが、ブラックジャックのシーンが凄まじい。作家の頭の中はどうなっていたのか。どことなく阿佐田哲也さんの麻雀小説の設計を連想させます。このカードは使った使わないというのが、この牌はここで何枚使って何枚捨てて何枚山にあって、という思考に似ていそう。僕には到底、できません。



「PSYCHO-PASS」

 これはアニメのノベライズですが、ここでご紹介。僕が「PSYCHO-PASS」のファンだからです。

 アニメの復習と、細部の確認としても意味がありますが、それよりはやはり作品の意図みたいなものを理解する必要がある、と勝手に僕は思ってます。

 例えば、狡噛慎也は槙島聖護をどう見ているか、逆に槙島聖護は狡噛慎也をどう見ているか、その心のうちはアニメでは表現できない部分、要素がある。

 そういうマニアックな要求に応えるのが、この作品。DVDを揃えるより遥かに安価に作品を深く理解できるのもいい。



「零崎双識の人間試験」

 西尾維新さんの「戯言」シリーズも好きですが、なんだかんだで「人間」シリーズも好きです。この一冊を選んだのは、零崎双識が好きだから、という理由。ストーリーも常に動くし、面白い展開。

 暴論ですが、「戯言」シリーズを読まずに「人間」シリーズを先に読んでも問題ないのでは? いや、そうでもないか……。




「銀河英雄伝説」

 これも無理矢理、ライトノベルに分類。

 アニメ化されてますけど、この作品はアニメより先に原作を読むべき、それも出来れば二回、と勝手に思ってます。本当によく設計された物語です。

 僕はヤンも好きですが、アッテンボロー、シェーンコップ辺りも好きかな。いや、フィッシャーも好きだ。銀河帝国側だと、オーベルシュタインが最後の最後に印象を残す。地味にミュラーも好きだ。

 場面ではやはり冒頭、アスターテが滋味深い。

 この作品はやんわりと政治の勉強にもなります。


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