第142話 みんな、理想家なんだなぁ

 今日はちょっと、私的な、極めて私的な感覚の話。

 僕があまりに世間に疎すぎるがために「なろう系」と呼ばれるジャンルなのか、そういうものが全くわかってないのですが、もしかして、すごくブームになってますか?

 僕の中での「なろう系」と呼ばれる小説の存在の認識は、うーん、一番近いものを探すと「地下アイドル」なんですけど、どうですか。

 僕は一年間で五十冊は本を読まずにはいられない程度の本読みですが、ライトノベルの占める割合は年々、小さくなってます。ライト文芸も読んでないです。ライト文芸では、森博嗣さんのWシリーズを読んだくらいで、他にライト文芸のレーベルの書籍そのものを買ったことがないのでは。では、何を読んでるかといえば、一般的なハードカバーや文庫本を読んでいます。ただ、僕が何度か触れてますが、一般的な本と言っても、ほとんどライトノベル化しているので、そこには注意が必要かもしれないです。例えば村上春樹さんをライトノベル的に読むことがある、という側面が文芸の世界、読書家の中には往々にしてあると思う。ケルアックの「オン・ザ・ロード」とか、モームの「月と六ペンス」なんかも、文学なんでしょうけど、僕の中では特別に難しくも硬くもなく、ライトノベルじみている。「オン・ザ・ロード」なんて、アメリカを車で爆走するだけ、みたいなところがありますからね。さすがにリョサまでいくと、重いですが。

 これは前にも触れたことですが、カクヨムに投稿する作品に「創作論」があって、その一部が極端に、一部のジャンル、あるいは手法、世界観を徹底的にこき下ろす場面が散見される。みんな、理想に燃えてるんだなぁ、と僕は遠くから見てますが、ここにはある種の温度差があるのかな、と見える。

 三つに分かれていて、一つは僕のような「無関心な人」、一つは同意して「批評」と「是正」、「改革」を求めてる人、そして一つは、批判されても無言で「書き続ける人」です。僕が一番偉いなぁ、尊敬するなぁ、と思うのは、「書き続ける人」です。これは皮肉ではなく、本当に尊敬する。遠回しに「お前は間違ってる」と言われても、読者がいることを信じて、自分が面白いと思うものを書き続けられるって、実は凄いと思う。カクヨムに何かの文章を書いてる人は感じると思いますが、書くこと自体が楽なことじゃない上に、否定的な意見が一部から噴出して、しかし肯定的なはずの読者は黙ってて、それでも続きを書いていくのって、本当に凄い。

 僕は「なろう系」がさらに定着しようと、全否定されて消えても、あまり気にもならないし、自分の書きたいものを書ければいい、と思ってます。しかし仮に、自分がめちゃくちゃ叩かれたら、仮に多くの読者がいても、もうカクヨムは利用しなくなるでしょう。メンタルが弱いとか、無責任とか言われても、やめると思う。

 結局のところ、みんなで楽しくやっていきましょうよ、というのがこの場所なんだから、面白いと思ったものを読めばいいし、つまらないと思ったら読まなければいい。ランキングが気に食わないなら、ランキングを見ない、という選択肢もある。カクヨムという場所は、はっきり言って沼だから、一点の曇りもないほど綺麗にする必要はないし、それぞれに好きな「濁り具合」の場所で泳げばいい。

「自分が好きなもの」を、「世界中の人が好きなもの」にしてやろう、というような発想は、なるほど、自然かもしれないけど、僕はあまりそうは思わないかな。僕が好きなら、僕だけが好きでも、それでいい。こういうところに「地下アイドル」に通じるものがありますね。

 かなり脱線しますが、僕は乃木坂46では、最近、弓木奈於さんという女の子を応援していて、結構、オタクには認知されてきたかな、と思ってたら、地上波のゴールデン帯の番組に出演してて、「弓木さんの! 存在が! 日本中に! 知られて! しまう! じゃないか!」と、混乱しました。いや、弓木さんは本当に面白いんで、みなさん、応援してください。

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