第128話 ラジオの新時代と情熱
僕は長くラジオオタクで、ネット配信なんてなかったような頃から聞いてますが、今はいい時代になったなぁ、とよく感じる。今回はそんな話。
僕がラジオを聴き始めたのはすごく歪んだ動機からで、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」から林原めぐみさんに繋がり、そこから林原めぐみさんのラジオ番組を地元の局で聞き、さらに各地の番組へ手を広げる、という感じでした。
今までにもエッセイでラジオについて触れましたが、ふと「椎名へきるのプレシャスガーデン」を聞いていたことを思い出し、当時の僕と同じ感覚になる人は、実はもういないのではないか、とぼんやり気づいたのでした。
この番組は日曜日の四時から五時に放送されていたような気がしますが、もう記憶もあやふやです。とにかく新聞のラジオ欄の一番下、土曜日の二十八時辺りからの一時間番組でした。僕がこのラジオを聞いた時は、テープがその前の時間帯を予約録音する関係で差し込めなかったか、単純にテープが不足したか、あるいは録音する気がなかったか、何にしろ、リアルタイムで聞いてました。言ってみれば、土曜日は二十一時から延々とラジオを聞き続けて、起きていられた二十八時にミニコンポを操作して、椎名へきるさんの番組を聞いた、という具合です。どうしてこの番組を覚えているか、思い出すかは、番組の中で「MOTTO スイーツ」という曲がちょうど流れていて、この曲が名曲なんですよ。それで、よく覚えている。
今、2021年になってみるとradikoが普及して、深夜でも明け方でも、昼間でも、とにかくラジオは自由に、聞きたい時に聞けるようになった。無理をして深夜まで起きている必要は無くなってしまった。目を覚ますためにコーヒーとか紅茶をがぶ飲みする必要もないし、一度寝て、夜中に目覚ましが鳴り響いて慌てて起きる、なんてことも必要ない。そういう熱意というか、デタラメな気力とかは、もうお役御免なのかもしれない。
僕も最近ではオールナイトニッポンとかを都合の良い時に聞いていて、もちろん、リアルタイムに聞いてメールを送れないのは心苦しいし、メールを送りたい衝動に駆られることはあるんだけど、このリアルタイムとタイムフリー機能のギャップがあまりなくて、ちょっと自分が悲しい。熱意とか、情熱は冷めたのかな、と。
ただ、実はradikoのおかげで、聞く番組はだいぶ増えましたね。時間帯がかぶっていても聞けるし、予定があって聞けない、みたいなことも減った。だからradikoには感謝してます。この辺りに新時代のラジオオタクの情熱の置き場がある気がする。
しかし、二十八時まで起きているのは、楽しかった。本当に楽しかった記憶しかない。文化放送、ラジ大阪、東海ラジオ、ラジオ関西を行ったり来たりして、異常な夜だったな。
余談ですが、「走れ歌謡曲」という番組が明け方に放送されていて、僕はこの番組が全国ネットだと思ってたら、実は文化放送がキー局になって、ほんの数局しか放送してなかった。どの局に回しても放送してるイメージだったんだけどなぁ。今は「バイナルミュージック 歌謡曲2.0」になったらしいけど、聞けてないのが惜しい。豊田萌絵さん、好きなんです。あれ? この話、前も書いたかな?
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