第127話 これはアイドルMVに近いのでは、と気づき始めた
SFが好きなのですが、僕はSF専門ではなく、ライトノベルもミステリも好きだけど、やはり専門ではない。そんな自分が書くもの、書いているものは、何かに近いところがあるのだろうか、と思った時、これはアイドルのMVに近いのでは? と、ふと思った。
たまにある、謎な内容のMVみたいな感じで、街中で踊ったり、教室で謎のダンスをしたり、カーレースをしたり、浜辺で踊ったり、とにかく、脈絡がなく、しかし何かの要素ははっきりとあって、それがあることでどんな内容でも、MV! とは思うけど、でも要素を抜いちゃうと、脈絡とかの答えはまったく見えない、というか。あれ? うまく説明できないぞ。
僕の中で、SFにはそれっぽい要素、エッセンスがある気がしているので、そこを起点にして考えていくとそれらしいものにはなるらしい。ただ、ガチガチのハードSFを使ったり、思いつくかというと、そうでもなく、そもそもハードSFとは何なのか、と疑問符にぶつかってしまう。
これが、ライトノベルとか、異世界ファンタジー、現代ファンタジーだと少しは解釈できるし、反対にミステリだと、これがないとミステリじゃないな、という要素が見えているのに自分の中でそれが新しく生まれないので、ミステリはなかなか書けない。恋愛もやはりどうも情報不足で起点が生まれないので、うまくいかない。
そんなことを考えている中でもっと大きな括りで考えてみると、この食い違いというか、中身がスカスカな感じをうまく解消できるのでは、とは思う。つまりそれは、この物語はキャラクター小説です! としてしまう、という荒技です。要は、これがアイドルのMVです! みたいな、根本の大前提で押し切って、その中で何が起ころうと、どうだ! という強気の視線で黙らせる、ということになります。読者や視聴者を威圧して……。意味があるのかな……。
どことなくミステリからキャラクター小説に転換した西尾維新さんのスタイルですが、文学とか、もう流行りそうもないですし、ライト文芸の時代ですから、キャラクター小説、意外に悪くないんじゃないか?
僕がここのところ、好んで使っているタグは「群像劇」で、これもキャラクター小説に近い。物語を要素で捉えるのではなく、形式で捉える、という、なんというか、論点のすり替えに近いやり口で、非常に恐縮ですが、力がないので、許して欲しいなぁ、と誰にともなく主張してみたり……。
それにしても、この「要素」の一つに「作中での死」を取り込み始めている自分がいて、これはあまり良くないな、と猛省していたりもします。ライトノベルだから、とか、エンタメだから、とか、そういう理由で死を否定している側面はありますけど、創作といえど「死」は扱うのに慎重にならないとな、と思うのは、「死」が、強い言葉で、強い印象を与えて、そして万人が何らかの形で理解している、いわば共通言語で、単純に分かりやすい言葉だからです。分かりやすくて、読む方が考えなくていい、という側面があるんじゃなかろうか、と思っている。考えたとしても、深くならない。究極の二択の、許されるか、許されないか、の二つしかない。
小説に複雑さを求めると、長い描写とか、理屈とか、ちょうどいい落とし所とか、色々必要になりますけど、「死」を扱うことでそういうテクニックを誤魔化すのは良くないな、と僕は僕自身を縛りたい、と思っています。この問題は暇な時にまた所感を書いてみようか。
えーっと、なんの話だったか。≠MEのMV、めっちゃエモいです。メンバーみんな可愛いので、2021年夏のイチオシのアイドルのMVです。
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