第122話 チキンレース in the 書店
ここのところ、月一くらいでしかまともな書店にも古本屋にも行ってないのですが、どうしてもチキンレースになる。
欲しい本を新品で買うべきか、古本を待つべきか、しかし古本はいつ出るかわからない、そして新品はいつ書店の棚から消えるかわからない、古本で安く買うべきか、新品でガツンと買うべきか、と色んなことを考える。
で、ここ数ヶ月、田中芳樹さんの「アルスラーン戦記」をどうしようかなぁ、とずっと思っていた。最後の二巻だけ手元になくて、これは古本を待ったけど、どうやら、出てこない。そこでいよいよ決心して、新品で買っちまおう、となったのですが、いざ書店へ行くと、最終巻が消えている。誰かが買ったらしい。愕然として、手元にない最終巻の前の一冊だけ買いましたが、なんというか、負けた! っていう気持ちです。ちなみにその書店では、唐突に田中芳樹さんの「銀河英雄伝説」を本編と外伝、合わせて十五冊が棚に揃っていて、謎の展開がされていた。名作だし、みんな買って読んでください、と思うものの、何故、今なのか。この書店の謎なところは店舗をおおよそ四分割すると、雑貨、雑誌、CDがそれぞれ四分の一で、残りの四分の一を漫画、文庫、新書で分け合っているところです。ちなみにハードカバーは雑誌コーナーの四番の一程度で、ほとんど無力。僕が経営者だったら雑貨は無しにするけど、もはや地方ではこうしないと書店も生きられないんだろうなぁ。
さて、こうして書店では欲しいものが目の前から忽然と消える(忽然というのはあくまでイメージ上の表現)事態がありましたが、反対に漫画「進撃の巨人」の最終巻はあっさりと中古に出会い、手に入った。中古に関しては別の葛藤が生じて、森博嗣さんのファンなので文庫はおおよそ手元にあるのですが、「笑わない数学者」の文庫の新しい装丁の奴が百円の棚にあって、ゲロゲロ、という感じだった。旧装丁で読んだし、買ったし、たぶん買い直したので同じ文庫が手元に二冊くらいあるんだけど、新装丁も欲しい。しかも百円。かなり悩んだけど、これは見送った。さすがに何か違うのでは、と。でも何が違うのかは自分では全くわからない。気分としか言えない曖昧なものだった。
あぁ、「アルスラーン戦記」、早く揃えて読みたいなぁ、と思ったそばから、実は吉川英治さんの「三国志」が読みたいと思っている自分がいる。あと小野不由美さんの「十二国記」も揃えたい。都会の古本屋が恋しい。あの何でもある感じの、古本屋が。
田舎の経済の衰退は、消費者の数や意欲の問題もあろうけど、そもそも商品がないから経済が回らない、というのがあると思うんだけど、どんなものか。
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