第121話 気分が悪くなりそうな組み合わせ
何を思ったか、ライトノベルと海外ミステリを同時に読みながら、耳ではOfficial髭男dismを聞いて、部屋には蚊取り線香の匂いが立ち込めている、という、混乱しかない状況の中にいます。ここは一体どこだ? オンラインゲームの中? それともどこか異国なのか? しかし日本の夏の匂いがして、音楽が悲恋を歌っている。謎すぎる。
それはそうと、現在進行形で書いているものは、なんというか、やはり要素の組み合わせのようになって、あまり良くないのでは、と感じている。ライトノベルなのですが、中世風、中華風、和風、現代風が入り乱れている。ゲーム的であり、現実的なのに、どこか非現実的。とんでもなく入り組んでいる。
こういう問題が異世界ファンタジーで出来するのも、そもそもからしてライトノベルと呼ぶべきものが巨大化したせいなんだろうな、と思わなくもない。原点を考えると「異世界ファンタジー」という括りが謎で、現代的な社会が舞台でも、魔法などがあれば、それは「現実世界」ではない「異世界」のはずが、「現代ファンタジー」という言葉が創造されてしまい、僕の感覚とはどうしても合わない。これが別のところだと「ハイファンタジー」と「ローファンタジー」と区分けされるけど、極まったな、と思わなくもない。
僕の世代ではかろうじて「ロードス島」が生きていて、そこがつまり「異世界ファンタジー」の中心に見えたし、そもそも、僕の世代では「ファンタジー」という括りしかなかったのでは、と感じている。十年以上前は、ということだけど、異世界とか現実とかはなくて、ただ「ファンタジー」で済んだ。
だから、「歴史ファンタジー」とかもあったはずだし、SFもはやり「ファンタジー」だった。
しかし、話を戻して、海外小説とライトノベルは、組み合わせとして、難がある。ありすぎる。同時に読むと頭がこんがらがる。これがテイストの差、文体の差、テーマの差から来るのなら、しかし意外に意味が、あるいは意義があるかな、と思わなくもない。ゲテモノにゲテモノとしての価値がある、という視点で。
最近のミステリはテイストがライトになりつつあるので、海外ミステリのテイストにライトノベルのテイストを輸入するのは、おおよそ既に成立して、実際に使われているのではないかな、と思う。では、逆に、ライトノベルに海外ミステリを持ち込むのはどうだろう。
具体的にいうと、奇妙なほどハードボイルドな掛け合いやジョーク、文体、ということになりますが、さて、それをライトノベルとして認識して、ライトノベルとして売り出そう、という場所があるかは、やはり甚だ疑問、となってしまう。それなら普通の小説、一般文芸でやれば良い、となってしまいそう。
やはりライトノベルと海外ミステリは水と油かな。どこかに溶け合うところがあればいいのだけど。うーん。
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