第117話 二万字の夢小説の夢を見られるか
二万字の短編のコンテストにまったくの新作を出そうか、と思い立って、考えてみた末、一応のものすごくぼんやりした構想しかなくて、どうしよう、という感じになってます。というかそもそも、三十万字くらいの長編を作ってる途中で、そんな寄り道をする、道草を食ってていいのか、と思わなくもない。
それはさておき、二万字ですが、ネット上に残したい的な内容のコンテストなので、これはネット黎明期からここまでの、ネットにまつわる何かがテーマとして良いのでは、と考えたところで、「夢小説」なのではないか、と思いついて、ここから攻めるのは有効なはずが、しかし、いい対象がない。
夢小説というと、漫画やアニメなどの登場人物と自分がなんらかの交流を持つ、みたいな感じと僕は認識してますが、おそらく恋愛が主流でしょう。もしくは自分が作品世界の中に登場して、共闘したり、そんな感じでしょうか。
ここで僕としては、リアルにいるアイドルと僕が同じ世界を共有する、みたいな夢小説を想定したいところで、まぁ、いろいろありますよね。坂道でもいいし、他のアイドルでもいいし、声優さんでも、タレントでもいい。そう、誰を相手にすることもできるんです。できるんですが、いかんせん、アイドルに関する情報がない。これが大きい。
別にリアルのアイドルの名前だけ借りて、勝手に背景とか人格を作り上げてもいいんだけど、そうすると僕の中の手応えがなくて、困惑してしまう。かといって、ラジオとかテレビとかで知っていること、断片的な情報だけで、さて、書けるか……?
僕の願望ですが、やっぱりどこかにリアルがないと、夢小説じゃない、という方針でやりたいので、うーん、これから何か調べようかなぁ。だって、名前を借りるだけで全部創作してたら、そりゃ「夢小説」じゃないじゃないですか。
実際的にはコンテストに対しては、夢小説そのものを書くのが目的じゃなくて、少し「入れ子構造」にするつもりですけど、その辺りのギミックも詰めていかなくては。
そもそもの問題として、リアルにいるアイドルを、リアルの名前で登場させていいのか、という難問もないわけではない。ここが一番厄介で、僕としては「夢小説のようなもの」ではなく、本当の「夢小説」を組み込みたいのですよ。なので是非とも、ヒロインはリアルのアイドルで、もちろんリアルのアイドルの名前で、そのリアルのアイドルの実際の性格に即していて、ファンなら分かるリアルのアイドルの本当のエピソードを盛り込んだ、本当の「夢小説」を書きたい。
僕は世代的に夢小説は書いたことがなくて、ただ夢小説を友人に勧められて読んだことはある。その夢小説は凄かった。というか、あれは夢小説というか、ギャルゲーの「kanon」のキャラクターの名前を使った異世界ファンタジーで、もうタイトルも何も思い出せないけど、凄かった。あの作者は今、何をしてるんだろう? 今になってみると、真剣に読みたい気もする。
2021年に夢小説を真剣に考えることになるとは、いやはや、思わなかったな。
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