第113話 ヒヤヒヤする書店の在庫
ものすごく個人的な心情のようなもので、カード類を可能な限り持たないようにしてるので、通販の時にやや手間取る。Amazonだとギフト券を買って登録するか、コンビニで払うことが多いです。
さて、これも個人的にお金をどうにか管理するべく編み出した手法で、例えば本を買う時にも最初に千円を用意して、文庫一冊八百円で買ったら、お釣りの二百円は別にしてプールしています。これが地味に効いてきて、本とかCDを買っていくと、お釣りの積み立てがちょっとした額になる。
ただ、これがAmazonでの買い物だと、千円なりが全部ギフト券、ポイントのようなものに化けてしまうので、なんというか、損はしてないのに損した気分になる。手元にお金がないということもあると思います。
というわけで、本を買う時は出来るだけ書店で、となるのですが、これは昔は感じなかったことだけど、棚にある本の巡りがいいのか、それとも売れ筋ではないのか、欲しい本が店頭からすぐ消えてしまう。
僕が今、一番熱心に探しているのはアニメ「PSYCHO-PASS」の劇場版(system of sinnersの方)のノベライズなんですが、全くない。中古すら出ない。二年前くらいに大きな書店で買おうとして品切れだったので、今更、店頭の在庫が復活するわけもないのですが、なかなか諦めがつかない。
Amazonにはあるので、Amazonで買っても良いけれど、先述のように、ギフト券を買うとモヤモヤするし、しかしコンビニで頻繁に支払うのも変だし、書皮はつかないし、全く気乗りしない。他にもネットで注文して書店で受け取るサービスもあるようだけど、実に田舎なので、何を買ったか、不審に思われるのも嫌だ。そもそも書店に直に注文すれば良いはずが、近場の書店、個人経営ですが、あまりに書店員の感じが悪過ぎて、使いづらい。別の良さげな店(前にキャバクラ気分になった店)もあるのですが、そちらはやや遠い。
そんなこんなでお金はあるけど買えない、というのがままある。
そんな中、今年も夏の文庫本のフェアが始まり、カドカワ、新潮、集英社、一斉にスタートしました! って感じになりました。まだフェア冊子を集めていないので、どんな本があるか、詳細には知らないのですが、少し前、ネットでたまたま知って欲しい文庫本があった。松井玲奈さんという方の文庫本で、店頭を調べてもなくて、これはまた先送りだな、となってましたが、この度、近場の書店に入荷しました。
しましたが、集英社文庫なのですが、フェアのための「売筋五冊はこれです!」というパネルに差し込まれている。しかしその五つのポケット、明らかに適当に並んでいる。一つにはフェア冊子が差し込まれていた。集英社の意図、ガン無視です。まぁ、特に文句はないのですが、では、この一冊だけの僕の欲しい本は、一体いつまでここにあるのか。もはや普通に棚に差し込まれていてもらったほうがいい。他の本に埋もれて、決して誰も買わないので(決してではないが……、買わないが八割、買うが二割かな」。表紙が見えるようになってるのも僕の背筋を冷たくさせる。誰にも発見されるな、誰にも発見されるな、僕がお金を手にするまで、そう、九月まで! と心の中で念じながら、書店を出ました。
この書店は棚卸しに合わせてラインナップを少し変えたんですが、森博嗣の文庫が「すべてがFになる」は元々からあったのが、そこに「冷たい密室と博士たち」と「笑わない数学者」が追加されていて、いやいやそこじゃなくて、新刊を入れてくれ! となった。田中芳樹の「アルスラーン戦記」も何故か一巻だけあるけど、そこじゃないんだよ。ただ、高山一実の「トラペジウム」が残っているのはありがたい。
この書店に今、僕が最も求めていることは、とある新刊のハードカバーの欲しい奴を一冊でも置いてくれ、です。絶対買うので。
前もエッセイに書きましたが、何故か予約注文できない謎なシステムなので、もはや本屋ではなく、本棚に近いですが、こればっかりは仕方がない。
とにかく、本を読まなくては。
松井玲奈さんの本、誰にも見つかるなよ! 絶対だぞ!
ふと気づいたけど、書店でどうしても欲しいけど、お金がなくて今は買えない、となった時、棚の差さってる位値を変えて他の人に買わせないようにする小細工、やったことある人、いますか? 僕は何度かやりそうになりましたけど、なんか、卑怯でやめた。これは書店員さんは大迷惑だっただろうな。在庫はあるのに、置いた棚にないわけで。未遂だったけど、書店員さん、ごめんなさい。
二ヶ月、三ヶ月、果たして生き残るだろうか。
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