第94話 変な入り方と想像力という領域

ここ数年、アイドルに結構、熱を上げてるのですが、僕は大概、変な入り方をする。それが意外にラジオの恩恵だ、という、今回はそんな話。

乃木坂46は、「将棋フォーカス」の伊藤かりんさんから再発見して、そこから「沈黙の金曜日」の中田花奈さん、「オールナイトニッポン」の新内眞衣さんと進み、何故か「ひねくれ3」で秋元真夏さんを見て、そこで決壊した。

欅坂46は友達が教えてくれて「サイレント・マジョリティー」を聞いていたけど、本気になったのは「不協和音」から。

日向坂46は、けやき坂46時代の「期待していない自分」でグッときてたけど、何故か「キツネ」のMVを見た時に、これはマジで良いのでは? と理解しました。

フィロソフィーのダンスは、「豊田萌絵のアイドル畑でつかまえて」で、リスナーさんがオススメしていてYouTubeで聞いてのめり込んだ。当時はかなりマイナーだったけど、早くメジャーでアルバムを出して欲しい。

prediaは、「鷲崎健のヨルナイト×ヨルナイト」で沢口けいこさんが面白いから聞き始めたけど、度肝を抜かれたのは、湊あかねさんのボーカルが強すぎて、なんじゃこりゃ! となったなぁ。あとMVの謎な映像も良い。

虹のコンキスタドールが一番、わけわからなくて、やはり「豊田萌絵のアイドル畑でつかまえて」で、片岡未優さんがゴニョゴニョみたいなメールが紹介されて、欲に突き動かされて、画像検索し、おー、すごい、では曲は? と本気で音楽を聞き始め、「虹コンの征服ちゅうずでぃ」に辿り着いた。

全体的に言えることは、このインターネットが万能の時代に、僕は何故かラジオから入っていくパターンが多いことです。世代的にまだラジオに魅力を感じた世代だから、とも言えそうですが、ラジオってアイドルに限らず芸人さんとかもそうですが、整えられた作品とは違う、生物の作品で、そこで魅力が爆発することが多い。音楽とか映像、テレビとか動画とかって、なんというか、ガチガチに設計されているんですよね。でもラジオは生放送はもちろん、収録でも、設計図がほとんどない。構成作家にできることはメールを選ぶことと、トークを円滑にするだけで、パーソナリティは知ってることしか喋らないし、思っていることしか喋らない。あとでカットしたり繋いだりできるけど、それでも全く組み替えることができないのは、ラジオはパーソナリティが喋ったこと以外、素材がないからです。

テレビはどうやら、インターネットに負けそうですが、ラジオは地味に生き残りそうで、それはなんと、予測不能、という性質に大きな理由がありそう。そしてラジオは音から想像することが大前提になるのも、逆転した現象ながら強みになった。だって、アイドルがどんな顔して喋ってるか、テレビだと良くも悪くも、はっきり見えるけど、ラジオだとあなたや僕が思い描く、最高な顔で喋っていることになるんですよ。それって凄くないですか?

どんなに科学が発展しても、「想像」という領域は、きっと侵せないでしょう。

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