第93話 面白い表記に出会ったことと、Amazonの執念

Amazonで安いTシャツを三着、買ったのですが、中古とは注文の段階から分かっていて、届いたものを一番外の包装から出したら、一着、元々のTシャツを包んでるビニールが破れていた。これはまったく、気にならない。気になったのは、そのビニールに貼られていたシールに「ほぼ新品」と書いてあったことが、面白いなぁ、と思ったし、考えさせられた。

ほぼ新品、とは、どれくらい新品なんだろう??? まったくの新品ではない、んだろうけど、ほぼ、とは???

未開封が正確な「新品」なら、開封されてるから新品ではない。では、誰かが袖を通したのかな? 開封されていて、袖を通したかは分からなくて、業者がクリーニングしていたら、それはもはや新品ではなく、明らかな中古だけど、ほぼ新品と言えるのか? 言えないのでは?

いったい、どこにラインがあるんだろう。

まぁ、別に着られればいいし、保管したり保存するわけではないどころか、どんどん着ていくつもりなので、何も問題はありません。しかし世の中には新品に拘る人もいるし、服とかだとシワとか匂いとかも気にする場合もあるんだろうなぁ。

それはそうと、Amazonの執念が感じられたのが今回の買い物だった。注文したのが四月三十日くらいで、発送は五月一日から三日の間、とアプリでは表示されていて、正直、無理だと思った。ゴールデンウイークだし、五月二日の昼間になっても発送通知が来なかったので、もう三日には間に合うまい、と思うのが自然だと思う。

しかし二日の夕方に発送され、三日の昼間には届いた! 恐ろしい執念、絶対に決めている通りに届けるという意地を感じた。

現代日本の通販ってみんなこんな感じだとすると、消費者はどんどん狭量になっているんじゃないかと怖くなった。決められた日に届かないとか、よく考えればもっと許されるべきな気がする。それは確かに、すぐ欲しい、手元になきゃいけない期限がある、みたいな場合は届く日に届かないと困りますけど、そこは有料で追加料金を取ればいいと思う。今もそういう仕組みはあるけど、通常配送と大差ない。現代人はほんの一日二日のためにお金を払ってて、少し異常では。

こうやって消費者の言うがままにサービスしてると、際限がないし、変な競争が起こる気もする。ささやかなサービスが比べられて、人員とか拠点とか流通網とか資本がない会社が、大きなところに対抗できないのでは。

もっとおおらかになりたいなぁ、と思いましたね。

しかし近場の個人経営の書店が予約注文を受け付けないのは、全く解せない。

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