第83話 ここらでちょっとオタクにしかわからない話

先日、実店舗で中古でCDを探していたのですが、声優の上田麗奈さんを探しても見当たらないところで、たまたまやはり声優の内田彩さんのCDが何枚も棚にあるのを発見しました。おなじ「う」から始まるためです。内田彩さんは「ラブライブ!」で有名ですが、僕の中では超A&G+でかなり前にやっていたラジオ番組「内田さんと浅倉さん」の印象が強くて、その時も少し音楽が気になってました。もう五年とか四年とか前かなぁ。

ここで出会うか、と思いながら値段をチェックすると激安。とんでもなく安い。これはもうここで押さえよう、と適当に見繕って買いました。

その中でもミニアルバムの「Sweet Tears」と「Bitter Kiss」がユニークで、これはそれぞれに強いコンセプトのある、たぶん同時発売のまるで毛色の違う内容の二枚です。まだ聞き込んでる最中ですが、僕は「Bitter Kiss」が好きかな。

声優さんの音楽活動ってものすごく活発になりましたけど、普通の歌手の人よりも、声と曲のバランスが難しいイメージで、この内田彩さんの二枚のミニアルバムの戦略は、悪くないと思う。難しい問題ですが、例えば田村ゆかりさんがHRなんかを歌うと、今までのファンが受け入れるか、受け入れないかはほとんど賭けになる。本当のファンは追いかけるだろうけど、イメージを大事にする人は「なんか違う」と手をつけないかもしれない。商売であること、作品であること、常に挑戦すること、そういうのがないまぜになって、作る側は苦労するし、必死だろうな、ということを僕はよく考える。それはそれで厄介な客だろうけど。ちなみに田村ゆかりさんがHRっぽい音楽をやったことは、過去にライブ会場限定シングルであった気がしますね。僕は好きです。

声優さんは役を背負うような場面もあるから、余計に難しい場面もありそうです。内田彩さんだって、例えば「キディ・ガーランド」をやってた時と、「ラブライブ!」をやってた時とでは、「内田彩」という人に対するイメージがまるで違う。時間とか経験とか、そういうものや、あるいはそれとは無関係の変化や成長に触れるのが僕の中で声優さんを追いかける楽しみの一つだし、そういうファン、オタクは多いのでは。育てているような錯覚は、結構、楽しい。これはアイドルオタクの人も同じ感覚でしょう。

余談ですが、虹のコンキスタドールのラジオ番組を聴いていると、パーソナリティのメンバーがリスナーを認知している時、「この人、私のオタクだ」とか言っていて、ユニークですね。笑いそうにもなる。ファンとか追っかけとかではなく、オタク、と表現する時代かぁ、と感じます。もう今ではマニアという言葉の方が珍しいくらいか。ミリタリーマニアはミリオタ、鉄道マニアは鉄オタ、ですからね。時代の流れに背筋が冷えます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る