第82話 まったくのアドリブ
ここのところ、長編になる予定の連作短編を書いていて、しかしついに事前に想定していた最終段階に到達してしまった。長編にするにはあと四話くらいは追加したいけど、この先がまったくの手探り、まったくのアドリブで切り抜けるしかない。
あまり最近は考えなかったけど、こういう「アドリブで書くしかない」はままあるし、不思議と想定の最後に到達して、半日くらい、何かの折に考えていると自然とその後が頭に浮かんでくる。だから正確には「アドリブで書く」ではなく、「アドリブで想像する」が正しい表現で、しかもすぐにこの状態は解消される場面が多い。
この原理がどこで成立するかと言えば、世界観とか、人物設定とか、そこに至るまでのストーリーとか、そういうものが自然と、終点より先に続いていく想像を生み出していくように見える。本当に不思議ですが、物語世界って作者の中では後も先もあるし、登場人物には様々な過去とか発想とか思考とか嗜好とかがあって、結構、無限にストーリーは生まれてくる。と思われる。
ただ、どこかでまとめたり、うまく落としたりする必要があるので、あまり奔放にやると結論が出なくなって難しい。それが課題といえば課題かな、という具合です。どこかで十万字なりで終わらせる時、万全の結びが導き出せたら凄いなぁ、と思いながら、とにかく今は書くのみです。
しかしアドリブは自分でも先が読めなくて、書いてて楽しい気持ちもある。本当にこれが、上手く結べれば、という一点が難解で、いやはや、修行です。
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