第81話 精神状態の面白さ
将棋ウォーズの勝ち負けとか、対局を前にした気持ちにかなり波があって、それがなんでなのか、すごく不思議だった。ある時は、やってやる! となるのに、別のある時は、やらなくちゃな、となる。負けてもへこたれない時と、どんより落ち込む時がある。
それがどうしてかなぁ、と考えて気づいたのは、読書との関連性。読んでいる本がいい具合に盛り上がってる時は、将棋で負けてもあまり落ち込まない。これはつまり、優先順位というか、心の中の占有率が将棋より読書に偏っているんでしょう。将棋の負けより本の内容に集中しよう、となる。
何を極めるにせよ、一つのところだけ目指していると、たぶんそれがうまく足が運べなくなるほどの重荷になって、つまずくと思う。どこかで別のところに目をやったり、足を止めるような、逃げ場所、というと言葉が悪いけど、気持ちを向けられる対象があると、長く続くのでは。
僕自身のこれまでを振り返っても、書くこと、読むことの他にラジオを聞いてメールを書くことが大きくて、物語とは全く別のことが生まれたのは、やっぱり大きかった。
時間が一日に二十四時間しかない、というのは誰もが感じるだろうけど、一つに十時間を投資するより、二つに六時間と四時間ずつ投資する、というやり方もあるのかもしれませんね。うまくいくか、いかないかは、その時になってみないとわかりませんけど。このあたりの賭けは、避けて通れませんから。
しかしそれにしても、緊張と切迫、余裕と開放が上手くバランスを取った時に、創作や消費とは関係なく、人間として充実して、楽な状態でいられるのだから、上手くできているものです。
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