第75話 時代が捩れに捩れたテレビの一場面
つい数日前、民放でアニソンの特番がありました。1995年から2000年くらいまでのヒットしたアニソンと、2021年のヒットしたアニソンのランキングを並べる番組なんですが、何に驚いたって、昔の方のランキングの作り方ですよ。売り上げとカラオケと、ラジオ番組のデータなんですが、そのラジオ番組というのが、文化放送の「SOMETHING DREAMS マルチメディア カウントダウン」なんです。今、文化放送で放送されている「こむちゃっとカウンドダウン」の枠で流れていた番組で、10年以上前に終わってるわけで、今、ドリカンの名前を聞く、しかもテレビで聞くとは思わなかった。
僕がドリカンを聞いた理由は堀江由衣さんが気になったからで、僕が聞き始めた段階では堀江由衣さんと田村ゆかりさんがパーソナリティで、トークコーナーは「やまとなでしこの部屋へようこそ」だったかな。すんげぇ懐かしい。懐かしいとしか言えない。クリスマスソングといえば「恋の天使、舞い降りて」ですよ。みなさん、分かりますか? やまとなでしこのCD、買った時と買った場所まで、僕、はっきり覚えてます。やまとなでしこ、シングルCD二枚しか出してないけど、円盤になってない曲があってさぁ、僕、堀江由衣さんのライブでそのうちの一曲が目の前で歌われた時、何が起きたか、分からなかったんですよ。その曲は田村ゆかりさんのライブでも歌われてますねぇ。そういう伝説、もう忘れ去られて、誰も口にしないけど、ちゃんと歴史としてあるんだよなぁ。今、それを言うと、もう、変な目で見られるし、そんな視線を向けられて、僕はもうロートルだ、骨董品だ、と思って胸の内に押し込めるけど、ふとした時にそこに触れられると、ブルブル震える感じがする。体の芯から震えた。
テレビで高橋洋子さんが「残酷な天使のテーゼ」を歌うことにはなんら違和感というか、捩れを感じないのに、さすがにドリカンの名前が出たのにはぶったまげた。今、西暦何年???
それとは別に、NHKの「プロフェッショナル 〜仕事の流儀〜」の庵野秀明さんの特番の中で、宮村優子さんが映ったのを見た時も、時間がわからなくなった。宮村優子さんって、15年より前に愛河里花子さんとラジオ大阪で番組やってて、なんか、放送中に妊娠と出産を経験しながら放送してた気がするけど、当時何歳で、今は何歳なんだ? わけわからん。時間、本当に流れているのか?
こういう昔懐かしいオタクカルチャーの話はもう、好き、大好きなんだけど、そばにできる人がいない。浅野真澄さんが今は「あさのますみ」という名前で文筆家みたいになってるけど、昔は「声優界の荒鷲」って呼ばれてたんだよ。知らないですか? 堀内賢雄さんとかないみかさんがラジオやってたりしたんですよ。
あー、もう、心がぎゅうぎゅう絞られて、見ないように見ないように、考えないように考えないように、思い出さないように思い出さないようにしていたことが、溢れ出してしまった。
やまとなでしこ、聞き直そう。ごきげんよう、かしこ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます