第43話 検証には時間が必要

これはずっと前からなのですが、僕は将棋における感想戦の概念がないのですが、しかし自分が指した手や相手の受けなどを検証することはある。これが盤も駒も片付けたあと、頭の中だけで検討するので、とにかく時間がかかる。

そもそもは親が一日一局しか指してくれず、感想戦もなかったので、頭の中の盤と駒で、昼間にずっと検討していた。今もお風呂に入っている時とか、頭の中で手筋とか、対応策を検討することが多い。しかし歳をとったせいか、なかなかうまく想像できない。この検討で部分的な受けとか崩し方はおおよそ研究できても、大局的にはなかなか見通せないのが、最近の悩みです。

よく考えると、僕は一日中、ただ一局を思い描いて、それを検討していたわけで、時間の使い方は今より遥かに濃密だったかもしれません。今は実戦は一日三局でも、本当に奥の奥まで検討する、ということがない。今は昔ほどの必死さはない。遊びに本気になれないのも、大人になって自分がダメになった部分かも。

今はアプリで人工知能相手にだらだら練習できるけど、僕はどうもこういう練習には向いていないらしい、とも感じ始めてます。それよりは局面をよく検討して、時間をかけて飲み込んだ方が、棋力があがりそう、という気がする。というか、生ぬるい素人なので、コンピュータの指す手が理解できない方が多くて、使いこなせないし、すぐに解釈もできない。それよりは人間の指す、狡猾な手の方が僕には有意義な気がする。

とにかく、20年くらい前の頭の働きが戻ってくるように、努力しよう。

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