第35話 米長先生が舞い降りる時
将棋ウォーズで遊んでいると、とにもかくにも負けるとしても一手違いを目指すのですが、こちらが攻勢でも手持ちの駒で詰むか詰まないか、よくわからない場面も多いし、こちらが受けに回っても、もしかして詰んでる、か、な?という具合の時もある。そこでこちらの玉が詰んでなくて、一手の差で勝つこともあります。カッコいいのは大駒、飛車や角を何かと交換してそこから王手王手で詰ましたり、わざと金とか銀を捨てて詰ませる手順ですが、これは滅多に現れません。来たぞ!と大駒を切ったけど勘違い、そして負ける、の方が多い。
自分でも可笑しいのですが、そういう、詰むや詰まざるや、となると、有名なNHK杯決勝の羽生善治さんと渡辺明さんの対局での、米長邦雄さんの解説が頭に浮かぶ。「詰んじゃった。いや、詰んでないのか?」などと思いながら、指すわけですが、こちらは10秒将棋なので「よく30秒で読めますねぇ」なんて、言ってる余裕はない。
本当に将棋の理屈を知ってる人、局面をすぐ理解できる人は、どう寄せていけば勝てるか、ぱっと早見えで分かるんだろうけど、僕はそうもいかない。寄せていきながらも、これはどこかに穴があって王手が続かないのでは?と思いながら指しているのが実際です。
それを言ったら最終盤ではなくても、中盤でいい加減な、勝負手とも言えない手を指したりするのも頻繁なんですが。素人の将棋なので、中盤は相手の陣地を乱すことに終始して、それがうまくいかなかったら、それまでです。受けを度外視する傾向は直したいですね。不思議なのは相手玉を詰ます筋はすぐ見えないのに、自玉が詰む筋はすぐ分かること。面白い現象です。
最近の一番うまく行った詰まし方は九手詰めで、これは自分でも驚いた。まぁ、二回王手を続けた後、銀を捨てるのですが、かなりビビりながら指しました。本当に、羽生善治さんじゃないけど、先が見えて手が震えそうだった。楽になれる、という感覚が湧いてきて、何か心の釣り合いがおかしくなるような、そんな感覚でした。
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