第20話 疲れる将棋
10秒将棋で最も疲れるのは、相手がなんらかの悪手で大駒を手放して、形勢としてはこちらが圧倒的に有利なのに、決着までが長い場面。なんていうか、将棋は大駒を取るのが目的じゃないので、粘られるとかなりきつい場面が多い。とにかく、これで勝てる、と思うこともあって、集中が極端になり、息が詰まる。
例えばこちらが飛車2枚と角1枚を持ってるのはほぼ勝ちだけど、相手が金3枚銀3枚で徹底的に受けに回ってくると、めちゃくちゃややこしくなる。こちらは桂馬と歩をうまく使って仕留める、って具合になるけど、これは10秒じゃ少しも先が読めない。相手が指す手が予想外のことが多くて、しかもそれが正しいのか間違ってるのか、それすらも読めなくなる。
ここのところ感じるのは将棋には形みたいなものがあって、こことここを押さえると少ない駒で固く守れる、というのもあるし、逆に、ここから崩して交換を続けると守りを一枚ずつ剥がせる、というものもある。
本気で将棋をやってる人はそれをちゃんと覚えてるんだろうけど、僕のインチキ将棋、デタラメ将棋、無手勝流の将棋には、そんな高尚な知識はありません。
いかんなぁ。いかん。
知的に勝ちたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます