第31話

~常闇のダンジョン


(ここで邪神さんにはいなくなってもらった方がいいな)


『スーロ考え方が

魔人に近づいてきてるです。』


頭の中に師匠の声が流れてきた。


『多分今のスーロでは邪神に勝てないです

私で倒せるかぐらいです。多分隠れてるですけど気づかれています。相当なやり手です

ここは一旦引きましょうです。女神が殺されたら情報が聞けなくなるので一緒に転移するです。』


『分かりました。』


「じァな」


邪神の声が聞こえた気がした。



師匠の転移で地上に出たみたいだ。


隣には師匠と気絶した女神様がいる。


「神様って悪魔と敵対してるんですかね?」


「敵対というか恐れているです。

神と同じ程の力を持っているからあいつら

ビビってるんです。神も階級があって上の連中は何考えてるか分からない変なやつばかりなのです。スーロも気おつけて下さいね。」


師匠は苦虫を噛んだような顔で説明

してくれた。相当嫌いなようだ。


「こちらの世界に悪魔がいないのはきっと神にやられちゃったんだと思いますです。

封印されちゃったタロとクルは神の力では消すことが出来ないから、代わりに悪魔がいないこの世界で見張っているのです。多分」


師匠が名推理を披露していると女神様が目を覚ましたみたいだ。


「あの大丈夫ですか?」


「大丈夫なわけないじゃない....私どの面下げて天界に戻らないといけないのよ。ってそれよりあなたとんでもない事してくれたわね!今からでも浄化してやろうと思ってるのに邪神の力がないからできないじゃない!」


「あの..それ僕に言ってもいいんですかね?」


「っ!全部あんたのせいよ!悪魔の監視を強化しても邪神が復活したら大損害だわ」


(大損害ってことは問題はないってことか)


「私はこのことを上に報告する。生きていられるのもそこまでだから。」


(この女神様逃げられると思っているんだろうか?)


「あの質問していいですか?」


「ダメよさよなら。どっかで野垂れ死になさい。畜生」


ふっと女神は姿を消した。


『逃げましたね。随分残念な神様でした。

マーキングしておいたのであの女神がどこにいるかは一瞬でわかるです。ここにいたらまずいかもしれないですからどこか遠くに転移しますですよ?』


「分かりました。」



「ここは?」


「スーロが戦っている間面白そうなのを見つけたです。なのでそこに転移したです。」


人が居ない街の端に転移したようだ。


「面白そうなのってなんですか?」


「それはですねここの国には神が沢山恩恵をもたらしているらしいです。しかもこの国では神の使徒となれるチャンスがあると聞きました。」


師匠がにひひと笑をうかべている


「それはどのようなものでしょう?」


「この国で最強の魔法使いになるです!」


それは予想の斜め上だった。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る