第27話

僕は資料館で伝承を調べていた。

いくつかいいのがあった。


師匠もだいぶ頑張ってくれたみたいだ。


資料館を出て兵士に終わったと伝える。

すると別室に案内された。


そこにはアルさんとエリさんともう1人いた。


「ほほほ。この度はアルとエリを助けて頂いて誠に感謝してますじゃ」


貫禄があるおじいさんが出てきた。


「これは儂からのお礼ですじゃ。」


お金ではないみたいだ。


師匠とスーロが受け取ったのはカードだ。


「ありがとうございます。

ちなみにこれはなんですか?」


「ほほほこの国の重要なお客さんということを証明するものですじゃ。このカードがあれば儂が認めた証。並の貴族より高い地位ですじゃ。」


なかなかヤバそうなものだった。


「ビガは荷物になりますから、この国の金庫にスーロ様用として1000000000ビガ預けてあります。」


「ありがとうございます。」


「ほほほこのぐらい当然のこと。実をいえばひとつお頼みしたいことがあるのですがよろしいでしょうかな?」


「はいなんでしょう」


頼み事と言われたら断りにくい。


「常闇ダンジョンより更に南の国が滅びたらしいのですじゃ」


おじいさんは険しい顔をして


「魔王軍が攻めてきたらしいです。その数なんと観測できるだけ10000。その10倍はいるかもという情報もありますじゃ」


「その魔物を全部討伐すればいいってことですよね?」


おじいさんは慌てたように


「それに越したことはないのですがなにせ魔王軍ということで一体一体が上級の魔物以上なのでいくらスーロ様達といえど厳しいと思われるですじゃ。


儂達は各国で一時協定を結び魔王を討伐しようとしてるですじゃなのでスーロ様達にもその龍をも退ける力を貸して頂きたいのですじゃ。」


「俺らからも頼む。スーロ君にはこの国に関係ないかもしれない。でもその力見てしまったら頼らざるを得ない。頼む。」


アルさんとエリさんは頭を下げる。


しばらく考える。


(常闇のダンジョンにも行きたいし、封印のほこらにも行きたい。まだ怪しい所は何ヶ所かある。早く元いた世界に帰りたい。だけどこの世界の人を見捨てる訳にもいかない。)


「では今から魔王にあって来ます。そして攻めて来るのを止めないようなら始末します。」


「そうですね。その帰り道に常闇のダンジョンに寄りましょうです。」


スーロと師匠以外呆れ顔になっている。


「それが出来たら苦労しないんだ。王国最上級の騎士でも

今回の魔王に勝てないらしい。その前に魔王に近づけない。部下達も腕がたつらしい。」


アルさんが忠告してくれる。


しかしスーロは


「心配要りません僕は勇者ですから。」


3人の顔に影がさす。


「スーロ君はライハルからきたのか?」


「はい。殺されそうになったから逃げて来ました。」


「それは本当ですじゃな。」


「はい。」


3人は安堵の顔を浮かべる。


「本来勇者召喚とは禁忌。勇者はどこかの世界からこの世界に強制的に拘束されてしまう。ましては殺そうとするなんて。あの国は腐っている。すまない。この世界の人として詫びさせてくれ。」


「アルの言う通りじゃ。ライハルに利用されんで本当に良かった。」


「私達は味方だから。なんでも頼ってください。」


みんないい人だ。この人達ならある程度僕達のことを話していいかもしれない。


「皆さんありがとうございます。僕は元の世界に帰れるから心配要りません。」


悪魔のことをぼかして今の自分の実力をある程度話した。


「ってことはあのドラゴンを倒したのは全然本気では無かったということか?」


「はい。だいたい1/10000000ぐらいの力ですかね。だいたいですけど。」


本当は桁が幾つか違うのだか今は言う必要はないだろう。


「ふむそれなら魔王をも倒せるやもしれんですじゃな。」


「スーロ君はとんでもないな。」


僕は慌てて訂正する。


「師匠の方が僕の何倍も強いですよ。」


師匠に3人の目線が行く。


「照れるですね。魔王なんか小指でも倒せるです。」


「ミミちゃんそんなに強いんだね。それは鬼に金棒だね」


「そんなこと無いですよ〜」


師匠がくねくねしている。


「では今から行ってくるので待っていてください。」


「それなら、俺も連れていってくれ。」


アルさんが真剣な眼差しで


「邪魔はしない。遠くでみておく。君たちは大丈夫かもしれないが、この国この世界のことだ。何も関与しないのは筋が通ってない。」


「分かりました。師匠に守って貰っていてください。その間に片をつけます。」


「気おつけて。アル。師匠様のそばを離れるでないぞ」


おじいさんがアルの頭をポンポンする。


「私はここで待っています。怪我しないでくださいね。」


「行ってきます。」「行ってくるです。」


「行ってくる。」


2人に別れを告げ、師匠は転移魔法を発動させるのであった。







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