第26話
「金はいくらでも払うからこの森を抜けるまで護衛を頼まれてくれないか?」
「なんビガでも出しますよ。」
僕達は森を抜けるまでということで約束を了承した。
まぁ人助けはできるだけしたいという思いもある。
「ここら辺で空飛べる人っていますか?」
スーロが聞くと驚いた顔をして、
「聞いたことないぞ。飛べたらいいのにな空」
アルは空を見上げながら目を細める。
「アルさん達は急ぎの用事ですか?」
「まあな。この森に入っちまったから逆に遅くなってしまった。」
『師匠人前で飛んでもいいですかね?』
『なぜいけないのです?』
『それより師匠口数少なくないですか?』
『スーロ以外の人間と話すのは
恥ずかしいです』
「あの僕達空飛べるんで良かったら
担ぎましょうか?」
「そんなこと出来る訳...出来たらとてつもなく速いな。君名前なんだっけ?」
「スーロです」
「スーロ君よろしく頼む。ついでに国まで運んでくれたらたすかるんだけどなー」
スーロはふと考える。
「見た感じアルさん達は偉い人ですよね?」
「自分で言うのもなんだがそうだ。」
「僕達は悪魔の封印されている場所を知りたいんです。そのために資料館があったら入らせて貰えませんかね?」
「あくま?なんだそりゃ聞いたことないな。資料館なら客人ということで使用できるぞ。」
「ではそういうことで」
『邪神の話はどうするですか?』
師匠がたずねてくる。
『その情報もあるかもしれません。
いくら僕達がこの世界の水準よりも高くても邪神ぐらいだったら、下調べする必要があると思います。他の伝承も見つかればラッキーですし。』
『なるほどです』
アルを背中に担ぐ。
師匠も同様にエリを担ぐ。
「誰かに見つかったら面倒なのでかなり高い所を飛びたいんですけど大丈夫ですか?」
「おう」
「はい」
アルさんを背中に乗せ浮かび上がる。
「どっちに行けばいいですか?」
「アド王国まで頼む。」
「あの勉強不足で国が分からないんですよ
ははは...」
アルさんは驚いた顔をして
「ここから北西にある。大きい町があるからよく分かると思うぞ」
「分かりました。」
スーロ達はゆっくり上昇してゆっくり飛ぶ。
「おー怖いなでも圧巻の景色だな。いいなー俺も飛びたい。」
スーロ達は見慣れてるがそこには雄大な景色が広がっていた。
「スーロ君はとても強いな。やっぱり初期ステータスが高かったのが大きいか?」
「それは違うんですけど違うとも言えないですね。」
「よくわからんが今回は本当にありがとう」
アド王国に行くまでアルさんとだいぶ話した
元いた国に行くぐらいの距離だった。
太陽が沈んでいく。その光景はまるで映画のようだ。
誰も居ないこと確認してお城のバルコニー的な所に下ろした。
「いや〜ありがとうお陰でこの国の平和を守れる。さぁ資料館はこっちだ俺の後ろについてきたら大丈夫だ。報酬は資料館を出た後に渡すがそれでいいかな?」
「はいお構いなく。」
師匠はエリさんと仲良くなったみたいだ。
女の子同士で話せて楽しそう。
1分程歩いた。
「ここが資料館だ。この国の機密は入ってないからここの中だったら全部読み放題だ。
俺たちはちょっと用事があるからある程度
かたがついたらここにいる兵士に伝えてくれ。そしたら部屋に案内してくれるだろうからそこで報酬を渡す。」
「分かりました。」
「また後で」
「では後ほどバイバイ、ミミちゃん」
「バイバイ、エリちゃんです。」
アルさん達はさっき歩いた道を引き返していった。
「よし。探しましょう。師匠もお願いしますね」
「はいですー」
こうしてスーロは神眼を発動させ、
本の中身を透視するのであった。
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「どういうことだ!!なぜ死体がない!!」
「魔物もいませんでした。もしかしたら勇者達が倒したのかもしれません。扉を破壊されて無いことを考えると魔法しか考えられません。」
この世界では転移魔法は存在しない。
「ステータスを誤魔化した可能性があります。
もちろん今までの勇者にそのような者がいたと言うことは伝わってません。ステータスを偽造するなんて誰にも出来ないはずです。」
「なんてことを
してしまったのだ。あの勇者を操れていたら我が国は世界最強になれたはず。クロなんとしてでも連れてこい。」
そしてクロは動き出す。
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