第21話

私は勝ち続けた。メガメテオを高速で落とすと失神する人がほとんどだった。


次も簡単に勝てると思っていた。


目の前にはライさんがいた。なぜ?

幻覚でも見てるのだろうか。


「久しぶりだねネロ元気だったかい?」


「ライさん?」


「あぁそうだよ。

ネロの先輩ライさんだよ。」


涙が溢れる。

「らいさぁぁぁん」


私はライさんに抱きついた。


「おー怖かったよねもう大丈夫。

みんなで助けに来たよ。」


私は嬉しかった。同時に悲しかった。


「私呪いの首輪をはめられてるの。

だから結局アースから逃げられない。」


「それならスーロが解呪してくれるさ。」


私は顔をあげる


「スーロ....」


流石スーロだ。なんでも出来ちゃう。

私のヒーローだ。


「降参するさ。スーロなら確実に決勝に登ってくる。そこで募る話でもしてきな。」


「ありがとうライさん。」


目の前からライさんが消えた。


私は希望を胸に次の対戦者を待つのであった。


~~~~


『フルポーションで回復です。』


僕はフルポーションを飲んでステータスオール回復した。


バリーさんと戦えて良かった。結果は引き分けだったけど成長を見せられた。

あとは



「ネロを取り戻すのみ。」


目の前に女性が現れた。

一瞬ネロかと思ったが

髪型が一緒なだけだった。


「おやおやイケメンお兄さんじゃない。

傷つけたくないから降参してくださる?」


「あいにく僕は負けられない理由があるのです。勝たせて貰います。」


「あら強気なお兄さんだこと」


女性は胸を強調した服装でそれでいて動きやすそうだ。


鎖骨の部分には魔法陣が刻んである。


『契約者ですね。悪魔も強そうです。』


「悪魔と契約してるのですか?」


「してなかったらここまでこれなかっただろうねー」


手鏡を見ながら髪の毛をいじっている。


「あなたも契約者でしょ」


女性はにこりと笑いながら手鏡を宙に空うかす。そして手鏡が消えた。


神眼で見るも悪魔文字が主だ。

それ以外は魔力強化や空間魔法が使えるらしい。称号もかなりある。


「観察は終わったかしらお兄さん?」


「はい。いきますよ。」


両手に師匠ナイフじいちゃんナイフを

構える。


「あら変態さんね」


相手は何を隠してるか分からない。

じっくりと確実に勝とうと決める。


僕はジリジリ近づく。


「あら私に間合いは関係ないわよ」


背後から声がする。


「くっ!」


咄嗟に前に回避。


「まあ無理もないわ私は空間魔法を極めてるからね。さぁお遊びはここまで。本気でいくわよ。」


消える。


出し惜しみしていたら負ける。そう思い、炎の魔神の力を借りる。


神眼を凝らす。空間に歪みができている。


「そこだ!」


僕はじいちゃんナイフで斬りさく。


「あら不思議ね空間が見えるのっね」


斬ってから1コンマ空けてそこから出てきた。

そして


僕がたっていた空間が歪んだ。


僕は空に飛ぶことで回避。


「あら素早いわね。じゃあこれはどう?

メガウォーター」


彼女は歪んだ空間に水を大量に入れる。


なにか嫌な予感がして後ろに飛び退く。


「これでその力も弱まるでしょ」


ザァー


豪雨が降り始めた。


炎の魔神の効果が弱まる。


『炎の魔神は水に弱いです』


彼女は空間を歪ませてそこに入る。


(くそ、これじ八方塞がりだ。)


『そういえば悪魔契約者なら経験探知に引っかかっるかもです。』


(経験値探知)


すると空間を移動しているのがわかる。


『私のナイフは空間も斬れるですよ!』


スーロは魔神の力を師匠ナイフに入れて

探知しながらそこを斬り裂く。


空間に亀裂が入る。


「あらバレちゃった?

でも威力がだいぶ落ちてるようね

水地獄」


足を取られる


魔法陣から水がせりあがってくる。


「ロックウォール」


直径100メートルぐらいに壁ができる

更に天井も蓋がされる。


「これでもう逃げられないわね降参しないと窒息死するわよ水には毒と土魔法で汚染されてるから。しかも真っ暗だしね〜」


『スーロ寿命を50年払うです。そしたら10%解放できます。こんなところ1発で抜けれるです。』


『分かりました。』


瞬間頭に痛みが走る。


『スーロ髪の毛が白くなってるです。』


スーロは髪の毛の半分以上白く

染まっている。


炎の魔神の力を10%解放する。

血がたぎる。

殺意が芽生える。

相手をどう殺すかビジョンが浮かんでくる。


『スーロ飲まれちゃダメです。深呼吸です。

その有り余る力をナイフに注ぐです。』


「うるさい」


『スーロが反抗期です。』


スーロは熱を発散する。

水は全て蒸発。岩も粉々


「あら」


勝利を確信していただろう彼女は

油断していた。


「さっきはよくもやってくれたな。お返しだ。」


彼女は空間に逃げた。


その空間に師匠ナイフをねじ込む


「炎の息吹」


空間内を炎で焼き尽くす。



『今炎の魔神の接続を切るです。』


スーロの炎が失われる。


しかし


ぼぅ


スーロの体から炎が出てきた。


『やばいです。スーロこのままだと炎の魔神になっちゃうです。判断ミスです。戻ってきてです。』


「なぜこの力を手放さないと

いけないんだ?こんなに強いのに。」


空間がひび割れて炎が乱れ狂う。


「はぁはぁやるわね」


彼女は空間から出るしかなかった。全身やけどのあとがある。


「空間魔法も封じられたし、そろそろ切り札きろっかな〜」


「その切り札とやらが弱くないことを祈る」


スーロが獰猛どうもうにわらう。


「私が悪魔から授かったスキル見せてあげる。死んでも後悔しないでね。

[神殺し]」


『スーロあれはやばいです。

本気を出してください。死にますです。』


「へーなかなか強いスキルらしいな。

殺しがいがある。」


[神殺し]

悪魔ステータス100倍

神に対してステータス100倍

相手の防御無効化

呪い付与


『スーロ正気に戻るです。力をコントロールしないと死にますです。』


「うるさい」


『スーロは

なんのために戦っているですか!!!!』


「なんのため?決まってるネロを取り戻すためです。」


スーロが正気に戻る。その目は

炎のように赤い。



「4秒で決めます。」


「あら舐めないでくれる?」


彼女は魔法何万回分を1回分に束ねて


「塵になりなさい!」


極太の虹色レーザーが惑星を照らす。


音すら消し去った。


彼女の足場以外は無惨なことになっている。

地面は地下に30メートルほど削られている。


彼女の足場以外は。


「!!」


スーロは彼女の懐に潜りこんでいた。


そして焦った彼女の魔法を簡単に避け

首に手刀を落とす。意識を刈り取る。


彼女は消えていった。
















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