第15話

俺は自分の弱さを痛感した。


スーロに恩を返す。

自分なら出来ると思っていた。

思い上がりだ。


俺は弱い。


もう体が動かない。


「よく.....やって...る.....お前......強い

...期待......てる」


俺はこの悪魔のことを無口と呼んでいる。


無口は瞬間移動を駆使し強いモンスターを連れてくる。そして効率よくレベリング。


俺が死にそうになったら、無口がモンスターを殺して回復薬をかける。

それを1日中くりかえしている。

一睡もしてない。


回復薬では傷が治らなくなった。気力が3桁まで減っていた。

レベルは456になった。スキルも増えた。


もう動けない


スーロに恩を返すと心に誓ったはずなのに


体は言うことを聞いてくれない。


あと2日しかないのに心が折れそうになる。

そんな自分を叱咤するように


「無口回復薬をかけてくれ。」


「わか......た」


薬がかかった瞬間傷が癒える。体力も回復する。


「これは?」


無口は笑う。


「今...で回復....かけて......ない

レベ....精......肉体...強化この方法...1番」


無口いわく極限状態でのレベルアップ

はステータスにバクを起こす時がある。

レベルが一気に上がったりレベルが上がったのにステータスが上がらなかったり。


大事なのは強靭な精神


思いが人を強くするとはこのことで


バリーのステータスは極限の中で


桁を1桁バクらせたのだった。


~~~


シュ


僕はヘルドラゴンを倒した。


もう何体倒したか覚えてない。


そろそろ体力が底を尽きそうだ。


倒して0.1秒経過せずにまた現れる。


シュ


そして現れた瞬間ナイフで首をはねる。


『師匠まだですか?』


『そうですね次は私のスキル炎の魔神の練習をしましょです。』


師匠と念話をする。これは契約した時に得られた力である。


ちなみに今はレベル58それしか確認出来てない。


一瞬でも気を抜いたらヘルドラゴンが襲いかかって来るからだ。


気づかれる前に狩る。の繰り返しである。


ヘルドラゴンは首の位置が高いので空を飛んでいる。


(悪魔の力に頼りまくってるな。それも関係ない優勝するためだ)


『それで炎の魔神の使い方なのですが言ってしまえば簡単です。体にスキルを憑依させるのです。でも気おつけてくださいですね。弱い魂は食われるのです。』


『魂が食われたらどうなるのですか?』


ヘルドラゴンの首をはねながら

師匠に問う。


『体が乗っ取られて、炎の魔神になってしまうです。

言ってなかったですけどこのスキルは私に封印されている炎の魔人神の力を少し借りることで炎の魔神のステータスを借りた分だけ上乗せされるです。

契約の時、炎の魔人の0.2%までの力を使えるようにしたです。

早速呼びかけてみてくださいです。』


(僕に力を貸してください。)


ヘルドラゴンがこちらに気づき襲いかかる。


ピシ


『いい感じです♪』


ヘルドラゴンの首は切れていた。そしてその後ろの壁の奥の奥まで穴が空いていた。


「軽く切ったつもりなのに...」


スーロは体内に熱を感じていた。

なんでも出来る気がしてくる。


「師匠もっと経験値入る所ありませんか?」


「ありますですよ!その前に、はいこれスーロにプレゼントです。」


師匠が瞬間移動で何か持ってきた。

今は何故かヘルドラゴンが生まれない。

師匠は凄い悪魔なのかもしれない。


「うん!やっぱりスーロにはナイフが似合うです。」


師匠は刀身が赤色の美しいナイフを僕の手に握らす。


「お守りでもあります。大事に使ってくださいです。」


「はい!ありがとうございます師匠」


心なしか、落ち着く。


「スキルは切ってくださいねです。最大5分です。それ以上やると今のスーロでは持ちませんです。切りたいと思えば切れますです。クールタイムは最低5分です。」


スーロが意識したらだんだんと熱が逃げていく。


「そういえば元から持っていたナイフもスーロに凄く適正がありますですね。私にも構造がどうなってるのかわからないです。でも少し空間魔力がを感じます。」


「空間魔力とはなんですか?」


スーロは聞いたことない言葉に首を傾げる。


「決められた空間に留まっている魔力です。

それよりスーロは便利なスキル持ってるじゃないですか。その微成長があればもっと簡単にレベルが上げれたですよ。」


そう言ってスーロの手を握る。


シュ



シュ


「どこですかここ?」


「悪魔ダンジョンです。私のそばを離れないでくださいですね。」


経験値探知を発動させると


「ぐっ」


頭が割れるほどの激痛が走る。


「スーロには刺激が強いかもです。」


寒気が止まらない。


「では狩りスタートです。さぁ来るです。」


師匠はそう言うと全身炎のオーラに包まれる。


「これが10%なのです。」


目の前に何か来る。


「なんですかあれは?」


「悪魔の理性を持たないバージョンです。普通の悪魔より強いです。ここは悪魔ダンジョン最深部です。」


「ЖЖЖЖ」


「ЖЖ」 「ЖЖЖЖЖ」


3体の悪魔が近ずいてくる。


「ファイヤーパンチです。」


心眼でとらえられなかった。


音が遅れてやってくる。


ドォン


ピロロロロロロロ......................



(これだけレベルが上がったらみんなもだいぶ上がるだろうな。)


師匠が悪魔を倒しまくっている。レベルが上がる音がなり止まない。


「あっレベル上がっちゃった。です~」


不意に気になって師匠のステータスを心眼で見る。


「いやんです!見ないでですぅ弟子に汚されるですぅ」


余所見よそみしながら悪魔をほふりまくっていく。


全く見れなかった。


「スーロそろそろ倒せるです?」


「やってみます。」


僕は空を飛んでいた、悪魔に不意打ちの一撃を叩き込んだ。


すると攻撃をものともせず反転してブレスを吐いてきた。


避ける。


斬る。


刃が通らない。


その隙を悪魔は見逃さなかった。


鋭い爪で首を狙ってくる。


ガキン


師匠にもらったナイフで受ける。


(僕に力を貸してください。)


炎の魔神のスキルを発動する。


悪魔の爪を弾く。


(確かこうだっけ?)


スーロは師匠のファイヤーパンチのやり方を真似て、両手のナイフに炎を纏わせる。


すると師匠にもらったナイフが炎を吸収しだした。そして紅の刀身に変化した。


悪魔が一瞬後ずさる。


悪魔に走りながら近づき、右手のじいちゃんナイフに殺気を込めて斬撃を飛ばす。


狙い通り大きく仰け反った。


殺気を極限まで消した、左手の師匠ナイフを首に吸い込ませる。


ピシ


悪魔の首は切り落とせた。


ゴォー


そして一瞬遅れて、きりぐちから真紅の炎が


吹き荒れる。

刀身の色が赤色に戻っていた。

そして今爆大な経験値が入った気がした。

レベルアップの音が常に続いているので気がしただけだ。


気づくとスキルが2つ増え3つ変化し称号が増えていたのだった。


それから2日悪魔ダンジョンの最深部で狩りは続く。
































  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る