第12話

僕は久しぶりに37層でファントムゴーレムを狩っていた。


経験値探知を使わず心眼のみで感知する修行だ。


バリーさんと勝負していていま5勝9敗


僕のレベルは185ステータスは魔力以外ぐんぐん伸びている。


バリーさんはレベル180相変わらず強い。


(そこだ!!)


100メートル先角を左


スパっ


目の前にはドヤ顔のバリーさん。


ピロン


微成長でレベルアップ


こんな調子でバリーさんのレベルを追い抜いた。やはり経験値増(極大)は凄いスキルだ。


「これで10勝5敗だなスーロ。

今日の晩飯作れよ!」


(やはりバリーさんには勝てないな。)


階層は変わり


63層


「スーロだいぶ体力ついたんじゃないか?」


この世界では体力とは

ヒットポイントではない。

ヒットポイントはこの世界では見えない。ただ死ぬ時は死ぬ。


鍛えれば鍛えるだけ、ステータスも上がる。

ただ微々たるもの。

だからこの世界ではレベルが重視される。



(今日も元気してるかな?)


僕はボス部屋を開ける。


「......」


白ひょうが寝そべっている。


僕達は白と呼んでいる。


ボスは死んだらまた蘇生する。

でも白には愛着が湧いてしまい。毎日様子を見に来ている。


「今日はミノタウロスの

キモを持ってきたぞ!」


バリーさんがバックから1トン近くの肉を取り出す。


「.......ぐぅ」


「あー!!こいつやっぱ腹減ったんだ」


「白は強情ですからね。僕達が見ていたら食べないかもしれませんね。」


「........」


バリーさんは白の目の前に肉を置いて


「スーロ帰るぞ。」


「はい。分かりました。」


バリーさんは扉の前に立つと拳にオーラをまとわせる。


「シッ」


どっかーん


はいもう見なれました。ダンジョンの壁や扉は壊せるの?ってこれ前も言ったっけ?



~~~~


ダンジョンを出たらもう日が暮れている。


最近、

俺はスーロと一緒に俺の家で寝ている。

今はスーロが晩飯をつくってくれている。



ゴンゴン


(誰だろ)


扉を開けると


「ライだよ」


「なんか用があるか?」


「ネロが攫われた。」


ライが一部始終を語ってくれた。


ライとスーロの表情は優れない。それもそうだろう。


「スーロはどうしたい?」


俺はスーロに恩がある。スーロが決めた事ならなんでも手助けしてやろうと思っている。


「僕は......助けに行きたい。」


「なら決まりだな」


「どうすんだい?

どこに居るのかすらわかんないんだよ。」


「俺に考えがある。」


俺は家から少し離れて


スキルを発動する。


[王者の覇気] [王者の力][王者の護り]


発動した瞬間力が爆発する。


(これで来なかったら笑いものだな)


シュ  シュ   シュ


シュ     シュ


(来たな!)


思惑通り、バリーの強さにひかれた悪魔達がやってくる。


スキルを解く


「おお!おめぇつぇな。俺のコマになれ。」


(こいつがそんなに強いのか?

俺より弱い気がするのだか。)


「ちょっと待てよ。こいつは吾輩が先に見つけた。引っ込んどけ」


赤と青の悪魔が睨み合っている。


女が黒髪を振り払いながら、

扇子を取り出し口に当てる。


「ふっ矮小な。わらわはミーニャそちを故郷に、歓迎したい。」


(こいつは少しましだな。)


「あのね私弱いから全然弱いから全く人間さんが相手にしてくれないのです。」


ピンクの瞳をした身長135cmぐらい。

今にも泣き出しそうだ。


(子供か?幼いな)


「........ふ」


白髪をなびかせ顔には微笑を浮かべている。


(こいつは他の奴とオーラが違う。

俺より強いぞ)



「俺はお前らの中で1番強いやつについて行

く。」


(ネロに会うためには上位の悪魔では無いと

会えないだろう。アースとかいう奴は絶対

強い。)


「その前に1つ質問だ。アースという悪魔を知

っているか?」


そう言った瞬間2体の悪魔は顔を青くする。


「あいつぁ絶対関わってはダメだぁ。

消される......」


「あいつを優勝させたら吾輩たちは消されるであろうな.......」


「妾は2番目じゃなこの面々では。そこの無口

はそこらの悪魔なんぞひにならん。」


2匹を無視してミィーニャといった悪魔が呟く


「妾は引くとしよう。ん?そこにも人間がおるでわないか。」


そう言ってライを見る。


「ふむ雷か、おぬし妾の所に来るのじゃ。

おぬしを人類最強に仕立てあげてやるぞ」


「ライお前も協力してくれないか?アースに勝てる確率を少しでも上げておきたい。」


「あぁ私も自分の非力さが悔しいさ。

ネロを助けられるぐらい強くなりたい!」


「強くなるだけではなく妾はおぬしを人類最

強にしてやる。約束しよう。」


「分かった。ついて行く。」


(ライには少し厳しいかもしれないが仕方がない。これもネロとスーロの為だ)


「おぃ俺ぇのこと無視すんじゃねえよ」


「吾輩も忘れられては困るな」


2匹の悪魔が青筋を浮かべる


「コマにしてやろぉって言ってんのになんだぁその態度ぉ食い殺してやらぁ」


「吾輩が首をもいでやろう」


2匹の悪魔が俺に向かってくる


(仕方がない)


再びスキルを使用しようとした瞬間


「うる.....い」


ぐしゃ


2匹の悪魔は首が折れていた。悪魔は首が折れても死なない。


「「~~~~~」」


2匹の悪魔は何か言っている。しかし、首が折れてるので喋れない。


「哀れじゃ一思いに

眠れ」


青い閃光が弾けた。


そこには最初から何も無かった。そう思う程

何も残ってなかった。


(心眼でギリギリ分かった。

こいつらは強い。)


「お前.......くる?....」


「あぁやってやる。」


後ろを振り向く。


そこには泣いている幼女悪魔取り残されていた。


「お前そこにいる男を鍛えてやってくれない

か?」


「ぐすん..へ?」


「お願いします。僕を強くしてください。」


スーロが頭を下げる。


「俺からも頼むこのとおりだ。」


「こらちらこそお願いしますです。 ニコ」


幼女悪魔はぺこりと頭を下げた。


「ではそろそろ行くぞライと言ったな。準備はできておるか?」


「あぁできてるさ」


「れっつごー」


「はい!」


「い......く?」


「頼む。」


あるものは強さを求めるため

あるものは取り戻すため

あるものは恩を返すため


それぞれの意志を胸に

悪魔のゲームにいざなわれるのである。
































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