第7話
僕は今冒険者ギルドに来ている。早朝だ。
ここには4日前に戦った人達が全員来ている。
戦後の処理がようやく片付いたのでギルドマスターがギルドに来るようにという手紙が宿に届いたのだ。
扉を開けるといっせいに視線が僕とネロに刺さる。沈黙後一気に歓声が上がる。
「よく来たな今回の主役」
「君たちは俺たちのヒーローだ」
「ありがとう。また酒が飲める。」
中には泣き出す人も見受けられる。
「なんか照れるねスーロ君」
「そうだね。この感じ慣れないや」
奥からでかい図体が出てくる
「おおよく来てくれたな!」
「お初にお目にかかります。スーロと申します。」
「同じくネロです。」
髭をもみながらギルマスが2人を見つめる。
(なんなんだこの時間.....)
「おっとすまん、君たちがあれを退けた功労者には見えないからついつい深淵を覗きたくなったのだよ。」
(ネロなんかこの歳でレベルが上限
いっとるし、
バケモン級の魔力とスキルを持っている。 がスーロはレベルが霞んで見えんな。スキルは見たことがない。俺でもレベル99になったのは10年前なのに、大したもんだ。)
「今日は2人にランクアップと報酬を渡す。」
そう言って目の前に大きな袋をドサッと2つ置く。
「まずこれがBランクの称号だ。」
そう言って銅色のメダルを渡された。
この世界ではBランクからメダル制になる。
そのメダルがあればあらゆるとこで融通が効くのである。
「そして20000ゴルだ。」
僕とネロでそれぞれ20000ゴル貰った。
「お前たちには、期待している。私は今日で責任取って辞めるが、ここのギルドをひいきにしてやってくれ。」
「「分かりました!」」
~~~~
僕はネロと談笑しながら宿に帰っていた。
お金はギルド金庫に預けてきた。
そして宿の前まで来たとこでネロが真剣な顔になる。
「スーロ君私強くなりたい。」
唐突な願いだった。
「スーロ君がいないと何も出来ないのはもう嫌なの!」
それは彼女が4日前の大討伐で痛感した事なんだろう。
「うん。そうだね。ネロにはもっと強くなって欲しい。そして僕を助けて欲しい。」
僕は本音でそういった。
「僕も前から決めてたんだけど、修行しようと思う。けどネロと僕は別々で修行した方がいいと思うんだ。」
「そうだね。私もそう思う。」
今思い返せばネロがいなかったら僕は2度目の死を体験するところだった。ネロには助けられてばかりだ。
(僕こそ強くなってネロを守るようにならないと。正直今の僕はネロより弱い。)
「じゃあさパーティーは1回解散になるね。....
そうだ!
せっかくだからパーティー名つけようよ。いつでも戻って来れるように。じゃあスーロ君が決めて。」
(グッ、ここはネーミングが問われるな)
「じゃここにもう一度帰ってくるって意味でリターンズにしない?どうかな変?」
「へへっリターンズいいね!」
今日から僕達はリターンズだ。
~~~~
~魔王城~
ここは魔王城、何人も近づくことができない魔の領域。
「しくじっただと!!」
「すみません。極大魔法が使える者など検知しませんでしたから。前線が死んだからあとは雑魚しかいないと思い、別の案件をしていました。」
頭を下げる。
「魔王様復活のためにはあの地があったらどれだけ楽なことか。」
体から凄まじい圧力が押寄せる。
「申し訳ございません。レオン様」
それをそよ風を浴びたかのように謝る。
「囮を撒いて今S級、A級冒険者は
いないのだぞ!!クソ忌々しい人間があんな弱いくせに!
私はここから離れられない。なんとしてでも、あの地を奪い取ってこい!分かったな
フォロボス!!」
「仰せのままに。」
スーロ達の知らないところで破壊の影がうごめくのだった。
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