第6話

俺は見た。明らかにS級魔法を使ったやつがいると。


馬を飛ばしてあと10分で到着するぐらいでそれは突然現れた。


空に大きな魔法陣。かと思えば極大魔法 メテオ。


モンスターは、あっという間に1割程度まで死滅した。


俺が着いた時には数多のドロップしたゴルとアイテムが落ちていた。


クレーターの中に。


俺はC級冒険者のサムラに話しかけた。


「これはどういうことだ?」


するとサムラは


「全部あの3人がやった事だぜよ。パーティメンバー登録するって言った時には意味がわかんねかったが、あいつらは本物だぜよ。あの3体を倒しちまったぜよ。あいつらのお陰で死ななかったぜよ。感謝してもし足りんぜよ。」


(何?確かあいつらは昨日ギルドに来ていた小童と小娘どちらもFランクで補給部隊だったはず。ライが強いのは分かるが....)


小童と小娘は補給部隊のテントの医務室で寝ていた。


そばにいたライに話しかける。


「よおギルマス遅かったじゃないか。」


「面目ない。この状況は俺が起こした。

罪は償う。」


「これはしょうがないと思うぞ。多分高度な隠蔽魔法が施されていて、後に続く3体と500ぐらいのモンスターに気づかなかったんだろ。お前が責められるのは違うと思うよ。」


「ありがたい。言葉だけ受け取っておく。それにしてもあの魔法はこの2人がやったのか?」


「あぁ。正確に言うとこっちのネロがやったんだよ。」


ライは自慢げに言う。


「私は雑魚モンスターを倒すので手一杯だったしね。」



今後の事をどうするか、帰りの馬で俺は考える。


(ギルマスを辞めるにはこの後始末をしてからだな。それにしてもあいつらは何者だ?

ライはあまり語らなかったし直接今度聞くことにしよう。褒美も取らせなければ示しがつかない。)




僕は須藤 優 身長は165cm 25歳

工場で働いている。

趣味はゲーム特にRPGだ。


なぜ今こんな事を考えてるのかは分からない。死ぬ前って走馬灯とか流れるんじゃないの?


ついさっき製品を入れた棚が倒れてきてその下敷きに。


(死ぬんだったら異世界転生して冒険してみたいなぁ)


そんなことを考えていたら、真っ白な空間にいた。


(あれ手足の感覚がない。死んだんだな。ここは天国かな?悪いことはしてないはず。弟のゲーム勝手にやったぐらいかな?)


そんなことを考えていたら目の前に女神様のコスプレした人がたっていた。


「えっなんで?この人誰でしょうかね?これはなにかの手違い?」


女神様(仮)は焦っている。


「ここは異世界転生するゲートです。でもあなたは対象外なのです。」


(そんな事言われても。)


「仕方がないですね。ここに来たのも何かの縁。見事悪魔を討ち滅ぼし英雄になりなさい!」


「行く前にひとつ何か欲しいものはありますか?」


僕は状況があまり分かってなくて


「転生するなら身長が180まで伸びるイケメンにしてください。」


と頼んでしまった。


「分かりました。」


女神様はそう言うと。杖を僕に向けて


「行ってらっしゃい。」



目が覚めるとテントの天井が見えた。


懐かしい夢を見てた気がする。

隣にはネロが寝ていた。


「むにゃむにゃスーロ君美味し〜」


聞かなかったことにしておこう。

ステータスを確認する。




[ステータス]

Lv125

体力 3269

気力 1285

筋力 996

魔力 280

防御力985

知力 852

運 1999 NEXT Lv up 21082


[スキル]

経験値増(極大)

微成長(極小)

経験値探知

限界突破



称号 [限界を超えし者]

[王を降す者]


(なんだろう?称号とかあるんだ。)


限界を超えし者

:100レベルを超えた者に授けられる。

[効果]

レベルが上がる事にステータスオール+10


(グッ...これなかったらゴブリンキング倒せなかったかも。危ない危ない。)


王を降す者

:キング種を倒し者に送られる。

[効果]

キング以下の種には運以外ステータスオール+500


(なかなかえげつない。)


ランク??限界突破

[効果]

:発動したらステータスオール倍

[制限時間2秒]

レベル10消費することで対象者レベル解放


(........)


ステータスを熟読していると、

ネロが起きたみたいだ。


「おはよう」


「おはようスーロ君」


2人は笑いあって、あたり一面幸せな雰囲気に包まれているところに、


「なんだい2人とも起きたのかい」


「「ライさん!」」


ネロはライさんに抱きついた。


「コラコラ暑いっての」


「ライさんだー。またこうしてみんなで会えるのもスーロ君のおかげだね!」


「いやいやあの極大魔法を使ったネロが1番の功労者だよ。」


「まさか本当にやっちまうとはねぇ」


ライさんが肩をすくめる。


「あんなの正直賭けだったんじゃない。

. . .

ネロが極大魔法を覚えるなんて」


僕が立てた作戦はネロが極大魔法を覚える前提の話しである。もし覚えられなかったら今頃みんなここにいないだろう。


「なんでネロが極大魔法を覚えるなんて分かったんだい?」


「確かに私も気になる!」


「それはネロのステータスを見て覚えるなって.......」


「要するに勘ってことかい?」


「はい...」


「「あはははは」」


ネロもライさんも大笑い。


気づけば1時間ぐらい談笑していた。

それに気づいたライさんが最後に挨拶して後処理に向かった。


話の中でステータスの話になってお互いのステータスを見せあった。

もちろんネロとライさんには経験値増(極大)

については話している。


ちなみにネロとライさんのステータスはこんな感じだ。


ネロ:

[ステータス]

Lv99

体力 785 スキル 大地の加護

気力 963 土魔法強化(大)

筋力 670 味方攻撃無効

魔力 2785 魔力補正(大)

防御力963 大地の化身

知力 1089

運 421 NEXT Lv up 39528


[スキル]

大地の加護

土魔法強化(大)

味方攻撃無効

魔力補正(大)

大地の化身


称号

[大地の守護者]

[王を降す者]


ライ:

[ステータス]

Lv99


体力 1523 スキル  雷の加護

気力 965      身体能力強化(中)

筋力 453 冷静

魔力 1245

防御力564

知力 854

運 321 NEXT Lv up 19525


[スキル]

雷の加護

身体能力強化(中)

冷静


~~~~~~


冒険者とは命懸けの職業である。

今回は400名近くの冒険者が帰らぬ人となった。


僕はレベルを上げれば強くなれると思っていた。でも相手が強すぎたら、

レベルなんて関係ない。


修行をしようと心に誓う。


命落とさぬよう。







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