第3話 大人なるってことは“好きが増えていく”ってこと

(このお話に登場するお店は実際に作者が訪れたお店です)


“手打ち”という言葉の響きにはとても惹かれる。“ハンドメイド”とか“自家製”とかもその類である。


そのものにかけた時間の総量が品質に比例するかのような考え方はあまり好きではないが、こと“手打ち”に至っては私は手放しで好きと言える。



“手打ちといえばうどん”というイメージがあるかも知れない。

だが、最近ではラーメン屋さんでも手打ちのお店が増えつつあり、私は嬉しい悲鳴を上げざるを得ない状況だ。


うどんの手打ちといえば弾力のあるモチモチ感や歯応えが魅力だろう。

対してラーメンの手打ちは大まかに魅力を伝えるとするならば、麺のプリッと感とスープを掬い上げるエッジ力がたまらなく愛おしい。



大人になるということはマイナスな部分がほとんどだ。夢を諦めるのが大人。社会に揉まれるのが大人。自分の感情を殺すのが大人。


大人になるということはお先真っ暗な気もするが、私的に“好きなことが増えていくのが大人”だと思っている。


社会にでて、より多くの体験や出会いがあり、今まで知らなかった知見や物語を知ることで、沢山の好きが増えていく。


好きなことをしている人間はとてもキラキラしている。さながら初めておもちゃで遊んだ子供のような輝きを放つのに“大人のくせに”という言葉はもはや通用しない。



あなたはまだ“大人のくせにキラキラ輝いていないのだろうか?”


別段このお話に意味もメッセージもない。

そしてこの後のお話に一切関係ないことを心からお詫びしたい。


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今回のお店は【純手打ち だるま】さん。

注文が入ってから切り分ける手打ちの麺が魅力のお店。

お店側からも“普段使いの町のラーメン屋”を目指しているということで、列に並ぶのは少し気がひけるが、“純手打ち”の文字に吸い込まれてしまう自分を許して欲しい。



一つ一つ麺を切るといっても回転率が悪いわけではない。

大釜で茹でられる麺を見ているのは心地よく、店内の待ちスペースもあるので、割と並ぶのは苦ではないお店。


私はシンプルに「醤油ラーメン」を頂くことに。



席に座り、しばらく調理風景を眺めているとラーメン到着。

シンプルな見た目ではあるが、スープの香りがとても良い。期待大。



それではいただきます。


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早速スープを一口、、、



おう!円やか!うっまい!旨いぞ!



麺が主役といいつつも、円やかさが際立つ少し甘めの醤油スープはとっても私好み。

濃厚とあっさりのいいところ取りのようなしなやかなスープはとても好印象。


そしてやっぱり麺ですよ麺。

不揃いな手打ちの麺は円やかなスープに負けない存在感とぷりぷりの食感がたまらない。


ラーメンで使うべきかはわからない言葉だが、喉越しがとても良い。つるつるとしたすすり心地が堪らない。


今日二軒目のお店にも関わらず、スープまで飲み干す勢いで速攻完食。



前回訪れた時とスープがかなり変わっていたので、日によって味が変わるのかな?


それではごちそう様でした。

次はどこに行こうかな?

楽しい楽しい食べ歩き備忘録。

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