第3話 暴走する感情

 突然告げられたライサンダーからのプロポーズ。

「好きだ!ヘレナ!俺と今すぐ結婚しよう!」

「えええええええ⁈」

 

 ヘレナは混乱してしまった。そりゃそうだ。いきなりライバルの彼氏にプロポーズなんてされちゃ…。

「で…でもあなたにはハーミアがいるじゃない!」

「あんな女のことなんかどうでもいい。俺にはヘレナしか見えないんだ!」

「ちょ…。」

 ヘレナの言うことなんてお構いなし。ライサンダーは1人で興奮している。

「はぁ…はぁ…。ヘレナの全てが欲しい…。君と永遠の契りを交わしたいんだ…!」

「は…はぁ?」

 ここでハーミア、目が覚めてしまう。虚ろな目でライサンダーを見る。

「ライサンダー…どうしたの?」

「嗚呼…愛してる愛してる愛してる…。君の為ならば生きたまま目をくり抜くことだって、四肢をもぎ取ることだって、燃え盛る炎の中に飛び込むことだってできる!何でもしてやる!」

「表現がグロいし、しかも今、愛してるって……これはどういうことなの⁈ヘレナ!」

「何でも…聞いてくれるの?」

「勿論だ!」

「ねえ…!い…いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

 ハーミアは錯乱状態に陥ってしまった。元からやばい奴なのに……大丈夫なのか…?

「なら…私を踏みつけて!!罵倒して!!私を高揚させてよ!!」

「えっ…⁈くっ…ヘレナの頼みとはいえ…愛する人を傷つけるようなこと……。」

「ヘレナ!あなたが彼を誘惑したのね!許さない…許さないから!!!!」

 

 ここでデメトリアスが息を切らしながら現れる。

「ハーミア!」

「きゃああああ!!こっちにこないで!」

「探してたよ!ハーミア!」

「た…助けてぇ!ライサンダー!!」


 ここでやっとライサンダーとヘレナの存在に気づくデメトリアス。

「あ?おい、ヘレナに触るんじゃねえよ。こいつは俺のおもちゃなんだよ!」

「ヘレナを愛していいのは俺だけだ!」

「勝手に決めないで!早く助けて!」

「はぁ…はぁ…早く私を襲ってよ!」

「おrrrrrrぁ!!」

「うっ……。」

腹を抉るようなパンチをかます。

「デメトリアス…俺のヘレナをどうする気だ!」

「他の男とくっついていいなんて俺は言ってねえ。」

「ライサンダーを傷つけないで!」

「ハーミアは下がってて。」

「…はぁ。」

 ここでハーミアがナイフを取り出す。

「…仕方ないわね。こうなったら私の手で全員殺してあげる。彼は私だけのものだから。彼を愛していいのは私だけだから。他の女のものになるのなら生きてる価値なんかない。安心して。ライサンダー。抜け殻となったあなたも、私が愛してあげるから。ふ…ふふふふふふふふふ。」

 なんとハーミアが全員殺すというまさかの展開!!王様はこの修羅場に気づくことができるのか⁈



 

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真夏の夜の夢 改 愛妻家 @coco-na

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