第2話 待ち合わせ
晴れやかな天気の中、カイは途方にくれていた。回りは昼前の賑やかな喧騒が騒がしい町広場、そこの噴水の縁に座りカイはどこまでも青い空をただただ眺めた。
暫くすると女性の集団が広場に入ってきた。
どの子もレベルが高い美女揃いだがどの子もカイの知っている人物達だ、皆普段着とそれぞれにあった装飾品を身につけ、まわりの男性達から熱い視線を集めていた。カイも普段の彼女達の言動を知らなければ他の男達のように見惚れていただろう。
だが今のカイは普段との違いにギャップを感じ若干引いた笑みを浮かべた。
そんな彼女達は自然な形で円を構築し中心にいる人物を取り囲みながら自然な形を維持しながらカイの元へ歩を進めた。そしてカイの所まで来ると先頭にいた女性二人がさっと別れ、カイの前に白い帽子をかぶり、水色のワンピースを着た美少女が現れたのだった。
美少女は帽子の鍔を右手軽く持ち上げ笑顔で
「お待たせしまた!!」
カイはその余り可愛らしい笑顔に思わず見惚れてしまったが、すぐに切り替え恐る恐る話しかけた。
「あ、あの、姫さまですか?」
「こら、今日の私はソフィーだと言ったでしょ?はい、やり直し!!」
すると美少女改めこの国の第3皇女ソフィア・フォン・ガルアは両手を腰にあて下から見上げる形でカイに詰めより呼び直しを要求した。
「い、いや、しかし‥‥」
ソフィアが近づくとほのかにカイの好みである柑橘系の香水の匂いがカイの鼻腔を擽る。
そしていくらお忍びであっても主君の愛称を呼ぶことに強く抵抗があるカイはなおも言い綴ろうしたが
「言ってくれないとここで泣きますよ?こんな公衆のど真ん中で私が泣いたらどうなるんでしょうね?」
「そ、ソフィー、今日はどこ行こうか!!」
ソフィアの脅は‥もといお願いを聞いてカイはなにもなかったような笑顔でソフィアの愛称を呼んだ、周りにいた美女集団からクスクスと笑い声が漏れ聞こえる。
そして先頭にいた美女の一人がカイに話しかけた
「ではカイ、あとは任せるぞ?」
「あ、はい、分かりましたマリアさん」
マリアさんと呼ばれた美女はニヤリと広角をあげるとカイの肩に手をおき耳元で
「まぁ、今日は楽しめ、あ、あと「手を出したら殺す!!」と陛下から伝言だ」
「あ、は、はい‥‥」
そうゆうとマリアは他の女性達を引き連れ広場を後にした。彼女達はこのまま町巡りに繰り出す予定になっていた。
まぁ、もう説明する必要はないだろうが一応紹介すると彼女達はカイが所属する第3皇女付き近衛第4騎士団の団員でマリアは第4近衛騎士団、団長だったりする。ちなみにガルア帝国には皇太子である皇子が一人とすでに嫁いでいるがソフィアの上に2人の皇女がいる。そして普通皇女の護衛には女性騎士しかつかない。なのでカイが所属する第4近衛騎士団はカイ以外は全て女性騎士だ、何故カイがそんな所に所属しているのか、本人は知らないがソフィアの我が儘を娘溺愛で親バカであるガルア皇帝が周りを黙らせ許可をだした。(皇帝本人も苦渋の決断だったが)
〝全く、皇女の護衛が俺一人とかおかしいだろう!!ていうか陛下もそんな心配するなら許可とかだすなよ!!〟
と絶対口にだせないセリフを内心呟くカイだった。
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