第4話イジョウナニチジョウⅣ

「わからないな」


 なんのこと?ぽかんとしている僕をみて雲谷が続ける。


「だから告白の結果だよ。なんて返されたんだ?」


 はい?言えってのかよ。鬼だ!こいつ鬼だぞ!


「だ、だから…僕が告白して瑠美は、瑠美は…僕のことを、僕のことをふ、振った。振ったんだ。」


「花江瑠美は、米村のことを振ったんだな?」


「そうだよ!あいつは僕のことを振ったんだ。」


 何回言わせるんだよ!という僕の言葉は口に出すことはできなかった。


「お前、嘘ついたね。」


 その雲谷の顔は今までに無いほど冷たかった。


「嘘なんてついてない!僕は瑠美に振られたんだ。だから!だから…」


「だから花江瑠美を殺したか?」


「そうだよ。僕が、あいつを殺したんだ!」


「花江瑠美を殺したと、そういうんだな?」


雲谷がさっきと同じ冷たい目でこちらを見てくる。


「だからそう言っているだろ。何が不満なんだよ。」


「米村と花江は、幼なじみだったんだよな小さい頃何して遊んでたんだ?」


「何して遊んだかなんて関係ないだろ!」


 雲谷は無言でこちらを見て答えを待っている。


「戦いごっこだよ。」


「女子とか?珍しいな。」


「別にいいだろ。」


「戦隊モノとライダーものどちらだったんだ?」


「女子とだから、戦隊モノだったはずだ。」


「だったはず?覚えてないのか?」


「あーもう!戦隊モノだよ!2人で戦隊モノの戦いごっこをしてたんだ!」


「それだけか?他によくやった遊びとかないか?」


「ないよ!瑠美が僕の遊びに付き合ってくれたんだ。」


 雲谷は確信して微笑んだそれはさっきほど冷たくはなかった。


「やっぱり嘘だね。お前、嘘ついてるよ。」


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