閑話 インゼの気持ち

 この銀髪の少年は私に親切だった。


 とてもやさしかった。


 そのやさしさで胸がぽかぽかする。


 いつもだきしめてくれた。


 動けない私を救ってくれた。


 怯える私を導いてくれた。


 たくさんの思い出をくれた。


 家族だと最初は思った。


 だけど、家族ならなぜ、こんなに胸がキュンとするの?


 わからない。


 わからないよ。


 これが恋なの。


 あなたに頭を撫でられると幸せになる。


 あなたに抱きしめられると、全てがあなたで満たされる。


 私はあなたを愛している。


 あなたとどんな運命だったとしても私はあなたについていく。

 

 そう誓ったのだ。


 誓った日の夜、私はすべてを思い出した。

 

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