第35話 JKカレンと魔女クララ⑥
おい本当に分かってるのか?
俺は不本意ながらもクララという新しい恋人ができたから約束通りにお前をヤリ捨てると言ったんだぞ。
それなのにどうしてそうなる。
もしかして現実を受け入れられなくて快楽に逃げようとしてるのか。
それとも若い身体で俺を繋ぎとめるつもりなんだろうか・・・
「なあ、もういいだろう? アタシだってこんな格好恥ずかしいんだからさぁ、焦らさないで早くしてくれよぉ」
軽い!
カレンは本当にクララのことを何とも思ってないみたいだ。
何だか気に病んでる俺の方が間違ってる気さえしてきた。
そうなるともう欲情が抑えきれない。
俺だってそんなコスプレみたいなもんを見せつけられて溜まらんのだ。
よし、望み通りこの明るいリビングでやってやる。
お前の恥ずかしい格好を降参するまで視姦してやるからな。
「タクヤって割と変態だよな」
うっ、言われてしまった。だが仕方ない。
「スパッツにハサミ入れて穿いたままやられるとは思わなかったよ」
返す言葉が何もない。ただ責任は取ろう。
「ちゃんと買って返すからな」
「ついでに1ダースぐらい買っといてくれよ」
えっ、倍返しどこからダース返しですか。意外とちゃっかりしてるな。
「またやりたいだろこの着エロ?」
カレンさん! 惚れ直した。大好きだ。
だけど、このまま
クララの事を本当はどう思っているのか確認しておかないと。
「カレンはこれでいいのか?」
「・・・正直に言うと、ホッとしてるんだよアタシ・・・」
「どうしてだい?」
「タクヤとの付き合いが楽し過ぎてさ、他のことがどうでもよくなってたんだ。プロになるって夢のことすらな」
「そうだったんだ」
「そのうえタクヤとこのまま一緒に生活するなんて夢まで見ちまってたんだ。でも、クララさんの件で目が覚めたよ」
「そうか・・・」
「そんな顔しないでくれよ。アタシはずりー女なんだからさ」
「そんなことないさ」
「あるんだよ!」
カレンは泣きそうな顔で叫んだ。
「あの男に問い詰められた時、アタシはタクヤのために何かしてあげたかった癒してあげたかったなんて格好いいこと言っちまってたけど、本当はアタシなんだよ・・・」
スケバン風コギャルJKの潤んだ瞳から一筋の涙が零れていく。
俺はただ見守る事しかできない。
彼女が思いの丈を最後まで吐き出すまで。
「何かして欲しかったのも癒されたかったのもアタシの方なんだ・・・」
「推薦が決まってから肘の故障が見つかったけど思うように直らないんだ」
「それでちょっと自棄になってる時にテレビでタクヤを観たよ」
「あんな凄いことができる選手なのにいろんな辛い目にあってきたんだよな。それでも頑張ってる姿を見せてくれたからアタシも元気が出たんだ。それでもっと勇気が欲しくて会いに行ったんだ」
「アハハハハ、全部自分のためだったってわけさ。だからタクヤが気にすることなんてねーんだ。こんなずりー女のことなんてな」
体育座りで自分の両膝に顔を伏せてカレンは静かに泣いている。
しばらくそっとしておき落ち着いた頃に俺は言葉をかけた。
「俺だってずるい男だよ」
カレンの肩にそっと手を置いた。
「クララと恋人になったのにカレンを抱いたんだから」
カレンは弱々しく頭を振って否定した。
「俺ももうカレンを抱くべきじゃないよな?」
「タクヤはいいんだよ!」
泣き顔をさらけ出してカレンは懇願するように叫んだ。
「だって、ずるいのは駄目なんだろ?」
「・・・・・・タクヤはずるくていいよ」
悲観していたカレンの目に少し精彩が戻ってきた。
「アタシのためにずるい男になってくれよ」
「分かった。その代わりカレンも俺の為にずるい女になるんだぞ」
「ああ、タクヤのために悪い女になってやるよ」
カレンは吹っ切れたようにニカっと笑った。
俺はその言葉を実践する為にお姫様抱っこでカレンをベッドへ運んだ。
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