非常に、非常に不本意ながらオフコラボ
『《田所鈴子/狐舞サキ》念願の生サキちゃん《ミラライブ二期生/ミラライブ三期生》』
【コメント】
:?????
:サキちゃん遂に気が狂ったか
:流石に心配だぞいくらサキちゃんとはいえ
:鈴子お姉さんのオフコラボなんて見たことないが
:何があってこうなった
「さて、本日の配信はここまでということで」
「みんな信じられるか?今、私の隣でサキちゃんが呼吸してる。サキちゃんが吐いた空気を私が吸えばそれはもはやセッ」
「何をどう拡大解釈してもそうはならねぇよ」
オフコラボである。
これ以上の説明は不要だろう。
あ、一応言っておくとここは
この変態の住処に行くのも恐怖だが、それより私の家にこれを上げるのは流石に無理。
もし仮に配信中の声がお母さんに聞こえたりしたらきっと私の交友関係について本気で心配されること間違いなし。嫌だよ実の親に汚物を見る目で見られたりするの。
「あ、そういえば今回の配信、私のチャンネルで枠取ってない理由はみんながお察しの通りだよ。最低でも黄色が確定するとかいうリスクは背負いたくないからね」
「いつかはサキちゃんの黄色い聖水をかけてもらって真っ黄に染まりたいものね」
「なんで私が水分不足って前提なんですか??てか相変わらずこの人の下ネタ変換フィルターえげつないな……」
【コメント】
:あまりにもセクハラ
:サキちゃんの悲鳴が聞けることを楽しみにしてる
:流れるようなセクハラ
:こんな先輩でごめんよサキちゃん
:きたない
今までこの人とオフで会った時は全部配信外。
一応記念配信の時に一緒にダンスはしたが、それでも一応かなりまとも(?)寄りだったため生でこのモンスターと対峙するのは何気に初めてだ。結構な覚悟を要する。
「てか、鈴子先輩の部屋って案外片付いてるんですね。もっと散らかってるものかと」
なんかこう、想像してたのとは違うあまりにもまともな内装。
一人暮らし用のマンションの一室、特に散乱している物もなくゴミとかもなく。
そして何よりエロ本とかそういう物とかが転がっているのかと思っていたのだが。
「そりゃあ、サキちゃんが家に来るって分かってたら片付けるでしょう。ベッドインする時に周りが散らかってたら萎えるでしょ?」
「え何お泊りさせる前提で呼んでたんですか?しかも同じベッドで?気絶させてでも暗くなる前に帰りますけど」
「サキちゃんの分の歯ブラシも用意してあるし、サキちゃんに使うための新品の電」
「訂正。この化け物ブチ殺してでも今すぐに帰りたい」
【コメント】
:注:普段はゴミ屋敷
:サキちゃんその辺の引き出しの中とか見てみな
:おい今なに言いかけた
:サキちゃん逃げてぇ超逃げてぇ
:やっぱ魔王に勝てるのはこの女だけだよ
「引き出しの中……?見ても大丈夫ですか?」
「いいけど……でも普段使った後洗ってないことが多いからちょっと恥ずかしい……いやでもそれもある種の興奮を……」
「話せば話すほど帰りたくなるこの家本当に不思議」
引き出しの中もベッドの下も絶対に見ないことを決意。
既にボコボコの私のSAN値をこれ以上削らないために。
「そういえば鈴子先輩」
「何?ムラムラしてきちゃった?」
「いや、なんというか……直接的なセクハラしてこないんだなって思って。てっきり隙あらば触ってくるもんかと」
「いいの!?」
「いやダメに決まってますけど」
私視点としては、隣にいるのは常識人そのものの鈴先輩。でもその口から出てくる言葉はいつものモンスター。頭がおかしくなるというものだ。
しかもこのモンスター、配信が始まるまではただの優しいお姉さんみたいな立ち振る舞いだったんだよ。
でも配信が始まってすぐに思い出したよ、こんな化け物に気を許しそうになった私がバカだって。確実に二重人格だよこいつ。
「……汚物を見る目で私のこと見るのやめて?興奮しちゃう」
「別に私が何もしてなくてもずっと興奮しっぱなしでしょ」
「何を当然のことを」
「誇らしげなのやめてもらっていいですか???」
【コメント】
:汚物そのものじゃねえか
:サキちゃんと絡むといつも以上に化け物
:あ、黄色くなった
:汚物を見る目でサキちゃんに見られたい
:直接的なセクハラされてるサキちゃんが見たいです
「私と絡むといつも以上に化け物って言われてますけど……普段はこれよりマシなんですか?」
「普段がマシかどうかは知らないけど、まぁ少なくとも隣にこんなエロい身体してる美少女がいて罵ってくれて蔑んでくれて、興奮しない方が無作法というものって感じではある。そういえばサキちゃん普段今着てるみたいなパーカーとかばっかりなイメージだけどもしよかったらもっと身体のライン出る服とか着てみない?前配信で言ってた通りならスタイルめちゃくちゃいいはずだし絶対似合うと思うんだよね、実はサキちゃんに似合いそうなちょうどいい服私持ってて。てことでこの後着せ替えタイムを所望」
「うん怖い怖いこの早口モンスターほんとに怖い!!確かに普段からこんなんだったら普通に引くわ、てか何しれっと自分の服着させようとしてんですか。嫌ですよ絶対変な臭いする」
「今ならパンツも貸してあげちゃう」
「尚更嫌だわ!!!」
その後数時間にわたって鈴子先輩の多彩なレパートリーのセクハラは続いた。
ただ、なんかこうむず痒いんだよ。
オフコラボだからか、隣で心底楽しそうに喋ってる姿が見えるし妙に澄んだ目でセクハラしてくるもんだからやりづらい。
しかも非常識暴走セクハラモンスターかと思いきや時々私のことを慮ってるのが見て取れるし配信のテンポの取り方も上手だし。何気に身体的なセクハラは一切なかったし。
……。
え、嫌だ嫌だあの鈴子先輩のことをちょっと見直してるなんて絶対に認めたくない。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「それで、どうする?もう結構暗くなってきてるけど本当に泊まっていかなくて大丈夫?」
「あ、それは大丈夫です」
「ほんと?でもこんな時間に外出歩いちゃ危ないんじゃ……」
「少なくともこの家にいるよりは安全なので帰ります、今日は楽しかったですありがとうございました、ほな」
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