はろうぃーん! @三期生

『《雪降マイカ/山神ミタマ/狐舞サキ》仮装するまでもないメンツだよね《ミラライブ三期生》』


「さて、私たちがどういう種族かって設定を覚えてる人はいるのかな」


「みーもこの配信のために自分のWiki見直してきたにゃ」


「ねぇ……私だけ仮装じゃない……おかしい……」


【コメント】

:サキちゃんwwwwwww

:うわ、素面のマイカちゃんだ

:ここだけ渋ハロ

:かわいい……かわ……い……??

:なんだいつも通りか

:三期生の扱いが終わってる


さて、三期生編である。

もう本人含め殆どの人が忘れかけている設定ではあるがマイカは雪の精霊という設定。ちなみに今日はでっかいビールの缶の着ぐるみの側面から顔が生えているといった構図。誰がどう見てもギャグ枠である。

ミタマは猫と人間のハーフだが、今日は軍服を着て銃を持っている兵士のような装い。何気に猫っぽい目鼻立ちと迷彩柄の服やヘルメットがマッチして可愛らしい。

そして狐人たるサキは……


「なるほど、これが超美麗3Dってやつか」


「おかしいでしょ!?!?」


の仮装である。

つまり、深山早紀の。

しかも妙に解像度が高い。

髪型、髪色、目鼻立ちまでかなりの完成度だし、何より怖いのは服装が今日着ているのと同じものだということ。ただただ恐怖だよ。


「魔王の仮装、完成度高すぎるにゃ」


「そう言ったらまるで普通にハロウィンっぽい仮装してる雰囲気漂ってるけど全然違うからね!?」


私一人だけカメラつけて配信しているように見える。なんでだよおかしいだろ。


「てか何気に二人の仮装も斬新すぎない?一期二期からの落差凄すぎるんだけど」


「まぁ、私たちなんてそのままでも仮装みたいなもんだしね。これぐらいしないとインパクトないでしょ」


「みーはこの見た目普段の配信でも使いたいくらい気に入ってるんにゃけど、マイカちゃんのそれは……」


「え、可愛くない?これ見てるだけで肝臓がわくわくし始めない?」


「『肝臓がわくわくし始める』とかいう今後一生聞くことなさそうなワードやめて」


「いつか本当にこれくらいのサイズのビールを飲んでみたいものだよ」


「実際にこのサイズのビールがあっても一か月ももたなさそうなのが怖いところにゃ」


「一週間だよ」


「思ってたより酒カスすぎるにゃ」


「なんかお酒の話してたら飲みたくなってきちゃった、取ってくる」


「なんか最近のマイカちゃん自由すぎない?」


椅子から立ち上がろうとしたタイミングでカメラのトラッキングが途切れたのか、残り二人の顔の前にでっかい酒缶が。邪魔すぎる。


【コメント】

:ねぇ初期マイカちゃんどこ

:なんか三期生って一番やばいよなぁ

:サキちゃんの陰に隠れてるだけでミタマちゃんもマイカちゃんもしっかり化け物

:せめてミュートしてから行けよwww


「そうそう、コメント見てて思ったけど最初の可愛らしいマイカちゃんどこ行ったんだろう」


「可愛らしい……?もう初配信からクーポンって呼ばれてたことくらいしか覚えてないにゃ」


「うわ懐かしいなそれ。クール要素なんて皆無なのに」


「その点みーは初期設定そのままで偉いのにゃ、ふふん」


「そうだね、真面目キャラもそのままだしね。この前の私の記念配信で会社に行った時も……」


「やめるにゃ!!!うるせぇにゃ!!そもそもそれは設定でも何でもないにゃ!!」


「うい~、ただいま~」


ぷしゅっ


「あ、酒缶が帰ってきた」


「私は酒カスであって酒缶では……そういや今は酒缶だったわ」


「酒カスの自覚はあるのにゃね」


「なかったらただの化け物でしょう。化け物はサキちゃんだけで十分よ」


「誰が化け物じゃい!!」


「むしろ化け物じゃないとでも??」


「みーは知ってるにゃ、サキちゃんが未攻略なのは鈴子先輩とみーとスピカちゃんだけだにゃ」


「何……だと……?」


いやいやまさかまさか。

他にも、ほら、えーと。


「いやそもそも未攻略って、何の攻略よ。ねぇマイカちゃん?」


「ちなみに私は攻略済みよ、一番最初にね」


「マイカちゃん!??!?」


マイカちゃんを攻略した覚えなんてねぇよ。ていうか攻略って何だよ。


「リスナーのみんなは気づいてないかもしれないにゃけど、もうミラライブはほとんど陥落済みにゃ。現実がゲームを超えるのも時間の問題にゃ」


【コメント】

:うん、知ってた

:一期全滅、二期は露出狂以外陥落、三期もマイカちゃん、四期は……どうせ何かやってんだろうな

:ゲームキャラよりチートって何だよ

:流れるように常識枠のミタマちゃん

:自分で攻略済みって言うマイカちゃんwwww


「現実がゲームを超えるって、冗談きついよミタマちゃん」


「記念配信での動き、どう考えても人間超えてたにゃ」


「あれはほら、あれだよ。あれだよ」


「どれだよ」


「みーちゃん、サキちゃんを倒したかったらまずはお酒を飲ませるんだよ。唯一の弱点なんだから」


「なるほどにゃ。サキちゃん今度一緒に飲み行こうにゃ」


「そんな誘い文句でほいほいついていくとでも!?てかどうせなら普通に飲み行こうよ、最近全然会ってないし」


「あ、それは私も思ってた。前久しぶりに会社で会ったけどサキちゃんずっと忙しそうにしててほとんど話せなかったの寂しかったもん」


「それはみーも思ったにゃ。何気にこの三人で遊んだこともないにゃね」


「あれ?確か前に私の家に……あぁ、あの時はサリーもいたんだっけ」


「そうそう。それに、あの頃はまだお互いのことあんまり知らなかったし自分のことでいっぱいいっぱいだったりもしたしね。改めて親交を深めるのもいいと思うのよ」


「なんだろう、酒缶の着ぐるみでそんな真面目なこと言ってるマイカちゃん違和感しかない」


「それは本当にそう。てことで脳髄をアルコールに置換してくる」


「「死ぬよ!?!?」」


最近あまり話していなかったが故に記憶していた姿とは異なり大暴れするマイカにサキとミタマは振り回されまくるのだった。


ハロウィンはもう少し続く。

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