器用貧乏な私、VTuberになって…

はろうぃーん！ ＠二期生

『《夢冥アリス/アリシア・デ・ラスフォード/田所鈴子》ハロウィンを！！ぶっ壊～す！！《ミラライブ二期生》』

「サイコ二人に囲まれる一般人です、私は今日無事に帰れるのでしょうか。あ、濡れてきた」

「一瞬で矛盾するのやめて？」

「多分この中で妾が一番胃を痛めておる自信がある」

【コメント】

：アリシア様が常識枠に見えてくる不思議

：何気に二期生コラボ見たことないかも

：アリシア様がんばれ

：そもそも鈴子お姉さんが他の人とコラボするのが既に稀

次は二期生の配信である。

ちなみにアリシアは大きな黒い翼が生え、ぐるりと曲がった角が生えたサキュバスモチーフ。

アリスは本人の見た目こそ普段とほぼ変わらないが、その背後に大量の骸骨や幽霊などを従えている。仮装というよりその本性を顕わにしたといった方が近いかもしれない。

鈴子お姉さんは裸に包帯を巻いた感じのミイラスタイルである。

「ていうか鈴子ちゃんの衣装大丈夫？BANされたりしない？」

「大丈夫よ。局部が露出してなければ健全だもの」

「あ、黄色くなった」

「おい痴女、早う服を着ろ。貴様のチャンネルだけなら勝手にすればよいが、妾たちのチャンネルまで被害を被ることになると流石に殺すぞ」

「うわぁガチトーンの『殺す』飛んできた。興奮してきた。とはいえ仮装する回だし、アウターとかも特にないからこれでいい？」

鈴子は、そう言うと画面上の自分の身体のモザイクをかける。

首から下全部モザイク状態だ。

【コメント】

：よりアウトだろこれｗｗ

：全裸にしか見えないぞｗｗｗ

：安定の痴女

：もう普通の衣装でやれよｗｗ

：なんだただのアホか

「ふっふーん、これなら……ってまだ黄色い！？そっちは？」

「あ、もう私鈴子ちゃん映してないから大丈夫気にしないで」

「妾もじゃ。勝手に自滅しておれ」

「対応が早い、流石は同期」

「これと同期って時点でもう恥だよね」

「同感じゃ。あの時期に応募した過去の妾を殺してやりたい」

「でもさ、私たちって二期生以外でミラライブ入れたのかな」

「……どういうことじゃ？」

「だってさ、一期生の先輩たちはみんなカリスマ性があって、三期生の子たちは何かしらのプロフェッショナル……まぁサキちゃんを除いて、だけど何かしらのコンセプトがあるんだよね」

「そういえば四期生に関しては何も聞いておらぬな。アリスは何か知っておるか？」

「さぁ？まぁでもどうせミラライブだしいつか本性出てくるんじゃない？」

「それはそうじゃな。……初配信から既に本性丸出しの変態はおったが」

「モモカちゃん可愛いよね～！いつかオフコラボとかしてみたいなって思ってるんだぁ！」

「悪いことは言わぬ。やめておけ」

【コメント】

：相変わらず同じ二期生として鈴子お姉さんの扱いが上手すぎる

：どう考えても二期生でしかない

：他無理に決まってるだろ

：アリシア様ならワンチャン

：アリシア様ってモモカちゃんに会ったことあるのか？あぁバニーマン後か

「あれ？アリシアちゃんってモモカちゃんに会ったことあるの？可愛かった？」

「……ある、もう二度と会いたくないがな。見た目は……サキと一緒じゃったから分からん。サキと並べば全て猿に見えぬゆえ」

「相変わらずサキちゃんのこと大好きだねアリシアちゃん。そりゃサキちゃんのことは私も好きだけどさ、サキちゃんと何かあったの？」

「まぁ色々とな。あまり配信で言うような内容ではない故ここでは話さぬが。ところであの痴女はどこに行った？何も言わぬままにビスコがミュートになっておるのじゃが」

「確かに、回線落ちとかかな……？あ、なんか鈴子ちゃんからメッセ来てる。えーっと、『BANされて運営から怒りの電話がかかってきたのでしばらく戻れません、すま〇こ』だって。うん、運営さんもう鈴子ちゃんクビにしちゃおう」

「これ、つまり痴女の姿を隠すという判断をしていなければ妾たちのチャンネルもBANされておったということか……？」

「かもだね。うん、私もう二度と鈴子ちゃんとコラボしない」

「賢明な判断じゃ。とりあえず二期生は最初から妾たち二人だったというテイで今後やっていこう」

「だね。コンゴトモヨロシク」

「そういえば今日はあまり気が触れたような発言をせぬな、どうしたのじゃ？」

「んー、だって今日は鈴子ちゃんが一緒だから私があまり自由にしてるとアリシアちゃんが可哀想かなって思って」

「くっ……こうやって時々常識人のような発言をするからこやつの本性が分からなくなるのじゃ……」

【コメント】

：コラボ企画中にBAN草

：い　つ　も　の

：見慣れたBAN

：うちの鈴子がご迷惑をおかけします

：本物のサイコパスってな、普段はめっちゃいい人っぽいんやで

：常識人してる時のアリスちゃんはただただ可愛い

「でも鈴子ちゃんがいないなら気にしなくてもいいかな？」

「い、いや、痴女がおらずとも普通の配信で大丈夫じゃよ？ほら、さっきの一期生の配信の話でもせぬか？」

「そうそう、この前アリシアちゃんのサブ垢に鍵かかっちゃったから直近の可愛いエピソードがないんだよね」

「……当たり前じゃろ。お主に配信で何を言われるか分からぬでな」

「ちなみになんだけどこの前楽屋にアリシアちゃんスマホ忘れて行ってたでしょ」

「あ、あぁ、そうじゃったな。マネージャーから受け取ったのじゃが、もしかして見つけてくれたのはお主じゃったのか？」

「そうだよ～。ちなみに指紋のついてる場所からパスワード分かっちゃったんだよね」

「……」

「あ、大丈夫安心して？シイッター以外は見てないから」

「……ｼﾃ」

「サキちゃんと遊びに行ってる写真いっぱいあってうらやましいなぁって！！私も一緒に行きたかった！！」

「……ｼﾃ……ｺﾛｼﾃ……」

「しかもアリシアちゃん満面の笑みででかい猫と写真撮っ」

「ああああああああ！！！！！黙れ！！！それ以上は！！！！やめろぉ！！！」

まだまだハロウィンは続く。

ついでに言うと二期生の枠ももう少し続き、アリスの爆弾発言のたびにアリシアはSAN値がゴリゴリ削られ続けるのだった。

あ、鈴子お姉さんは遂に永久BANを食らったようで、また新しいアカウントで始めることになったそう。ちなみに4度目である。