足を引っ張らないように!!
今回のコラボの発端は、とある一件のDMだった。
いつものように授業中の暇つぶしにシイッターを見ていると、とある有名な人からDMが来ていることに気付いたのだ。
とんきー:『もしよかったら今度一緒にABEXやりませんか?』
実はこのとんきーという人はABEXのプロゲーマーで、世界大会出場経験もある現役のプレデターさんだったりする。ちなみに初絡み。
何気に箱外コラボはやったことがないので流石に迷う。とはいえ実は他のメンバーはちょくちょく箱外の人とコラボしていたりする。なんならメグ先輩なんてこの前ガチの大学教授とコラボしてすっごい真面目な討論とかしてた。なんならその知識量で圧倒してた。マイカちゃんも歌い手さんと一緒に歌枠とかしてたし。
ま、いっか。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『《狐舞サキ》プロゲーマーとコラボマジか w/とんきーさん《ミラライブ三期生》』
「全力で足を引っ張らせていただきます!!」
「多分それ俺のセリフなんだよ」
「またまたぁ、プロが何言ってんすか。とりまランク行きましょ」
「サキさんはAIM合わせとかしなくて大丈夫?」
「AIM合わせ……?はい、多分?あと、さん付け違和感すごいのでサキちゃんとかでいいですよ」
「……。じゃあサキちゃんもタメ口でお願い」
「了解!オーダー任せてもいい?」
「それはもちろん」
【コメント】
:トッププロじゃねえか
:AIM練習なしで大丈夫なことに困惑してるのが伝わってくる
:どういう繋がりだよ
:実際プロとサキちゃんどっちが強いんだろう
:とんきーさんが涙目になるのが容易に想像できる
:前のABEX配信でチーター疑惑出てたサキちゃんじゃないっすか
「そういえばなんで誘ってくれたの?一緒にランク上げるなら他にいくらでもいると思うんだけど」
「え、ただただファンだからだよ。この前のABEX配信見て、『あ、プロゲーマーって肩書き利用したら推しと一緒にゲームできるんじゃね?』って。ワンパ被りね」
「不純極まりねぇ!?てか推しって……私のどこが好きなんですかぁ?あ、一人やった」
「サラっとワンピック取ってくれるのヤバ。どこが好きって……全部としか。声も見た目も可愛いし配信おもろいしゲーム上手いし、推さない要素がない。サキちゃんそれマジでロー」
「うわ、結構ストレートに言ってくれるじゃん。ていうかうちの視聴者にも見習ってほしいわその姿勢。もう最近化け物とか魔王とかとしか呼ばれないもん。そのくせ恋人扱いしてくれとか言ってくるのおかしくない?あ、全部やったよ」
「俺130ダメしか出てないんだけど……。やっぱ魔王かチーターのどっちかだろ。ちなみにプレイ時間ってどんなもん?」
「えーと、今で200時間ぐらいだったかな?」
「いいか?そのプレイ時間で、キーマウで、プレマス帯で3タテできる奴がまともな人間なわけがないんだわ」
「このゲーム敵の弾避けながらこっちの当てれば勝てるのに?」
「それがそんな簡単にできたら誰でもプロになれるんだよ」
【コメント】
:うちのサキがすみません
:雑談しながら相変わらず綺麗すぎるAIM
:ファンですら思わず言葉が強くなるww
:ご迷惑をおかけします
:がんばれプロゲーマー
:いつまでSAN値もつかな
「相変わらずコメントに私の味方がいない……。おい、たまにはカッコいいとか可愛いとか大好きとか言ってくれてもええんやで?正直なとんきーさんを見習え?あ、あそこ一人抜いたよ」
「うん、そう思うなら一旦化け物ムーブ控えようか」
「そんなこと言われても……あまりにも撃ちやすい場所走ってる相手が悪……あ、もう一人抜いた」
「うん、ごめんサキちゃんフレンズ同志たちよ。俺にゃもうこの化け物をどうすることもできんわ」
「あ、ラスト一人別パにやられた。どうする?あいつらもやる?……ってうわっ、いたたた!?」
「この距離でそんな削られる……?気を付けて、結構強い人かも」
「了解、一旦巻くからカバーしてほしい」
「大丈夫、詰めてくるまで時間あるからゆっくり巻いてていいよ。相手が仕掛けてきたタイミングで俺のスキル始動でエンゲージしたい」
「わかった、私のULTも合わせる?」
「刺さりそうなら自分の判断で使っていいよ」
「おけ、いけるよ」
「来た来た、ピンのとこ一人割ってる……ってダメだこれ、ガチのチーターやわ逃げて逃げて」
「それやった!!一旦引いて巻いて!」
「ナイスすぎ!!他もチーターかもやから一応気を付けて」
「了解。一人100……やったやった!!うん、この人もチーターだわ当て勘おかしすぎる」
「そのチーターをタイマンでシバいてから言うのやめて??おけ、終わり終わり。漁夫は……来てなさそうかな」
【コメント】
:チーター2積みでも勝てないのか
:SG外さないねぇ……
:待って、この試合始まってから一発も外してないぞ
:これほんとに人力??
:野良が可哀想だよwww
「ていうかサキちゃん、ほんとにただのVTuber?実は元プロだったりしない?」
「二十歳で元ABEXプロで現役大学生で今企業Vって波乱の人生すぎるでしょ」
「前世魔王だし今世ラノベの主人公だし全く違和感ないって」
「魔王はともかくとして、ラノベ主人公??何それ初めて聞いたんだけど」
「ほら、あれでしょ?『VTuber事務所に入ったら先輩後輩関係なく食い散らかしちゃった件www』みたいな」
「『みたいな』じゃねえわ!!食い散らかしてないし!!あ、ワンパ終わったよ」
「でも他の子の配信でサキちゃんの話出る時大体サキちゃんがたらしまくってるエピソードばっかだよ。特に最近すごいらしいじゃん、なんかアリシア様がこの前行ったサキちゃんとのデートの話してたよ。ねぇ何雑談しながら1v3してんの?オーダーいらなくない??」
「しっかり箱推しだね!?多分残りソロよ~」
「見つけた見つけた、てか殺った。ないちゃ~ん」
「ないす~」
【コメント】
:チーター相手じゃないとほとんど報告が発生する余地ないのほんまwww
:野良って戦闘参加してた?
:破壊すぎる
:このマッチにプロ3PTぐらいいたらしいぞ
:ほんとうにうちのサキがご迷惑をおかけしまして……
「もういっそサキちゃんがプレ踏むまでやる?」
「全然あり。多分チャンピオン5回分ぐらいでいけるポイントだから2時間もあればいけるかな?」
「うん、チャンピオンしか取らない前提なんだよね。もうやだこの推し。コラボ取り付けた俺がバカだった」
その後、しっかりと全ての試合でチャンピオンという有言実行っぷりを見せ、その後射撃訓練場でのタイマンで現役プロたるとんきーをボコボコにして泣かせ、コラボに気付いた他のプロたちがコメント欄に現れて煽られたとんきーが萎え落ち、そのまま配信は終わったのだった。
『《狐舞サキ》プロゲーマーとコラボマジか w/とんきーさん《ミラライブ三期生》』
1分前に配信済み
シイッター
とんきー @Tonky_abex
もうプロ引退しようかな……
ごめんて。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます