ミラライブを攻略せよ 1

『《天使メグ》謎のゲームがリリースされたらしいですわ《ミラライブ一期生》』


「どうも皆さんご機嫌麗しゅう。ミラライブ一期生の天使メグですわ。なんとミラライブをモデルにしたゲームが出たと聞いたので今回はそれをプレイしていこうと思いますわ」


つい数日前、シイッターでとあるゲームがリリースされたと話題になったのだ。

その名も『ミラライブクエスト』、通称ミラクエ。ミラライブを我が物にしようと企てたサキによって制圧されたミラライブをメグが攻略していくというものだ。


ライバーのファンを模したモンスターたちが雑魚敵として出現し、それを倒してレベル上げ。

各階層で待ち受けるライバーを倒して正気に戻しつつ、仲間に加えてラスボスを倒すという物語だ。


何気に3Dのフィールドとキャラ、かなり洗練されたゲームバランス、しかもまさかのイベント会話はフルボイスと、妙に完成度が高いのだ。


【コメント】

:待ってました

:サキちゃんの反応が一番おもしろかった

:サキちゃん強すぎるんだよなこれ

:未だにクリアした人いないらしい

:ほんまにサキちゃん強すぎて勝てん


ちなみに設定に関してサキは当然激怒していたわけだが、他のメンバーやリスナーたちにとっては解釈一致すぎたようで現在かなり多くの人がプレイしているらしい。


「そういえばフルボイスとのことですが、私レコーディングに参加した記憶がないのですわよね。ま、ここで考えていても仕方ないですしとりあえず始めてみますわね」


主人公としてプレイ可能だというのにボイスがないなんてことがあるのだろうか。

まさかドラ〇エみたいに無口なタイプの主人公だったりするのだろうか。


そんなことを疑問に思いながらゲームを起動すると、壮大なBGMをバックに画面には禍々しい塔と化したミラライブ本社。

オープニングムービーでは、これから体験するであろうイベントのハイライトが流れている。

無料でDLできる作品にしてはあまりにもクオリティが高すぎる。


『これは……私が天界に帰ってる間に何があったっていうの……!?』


ゲームを開始すると、画面に現れたのは主人公のメグ。セリフはしっかりとフルボイスだ。


「なるほど……これ、過去の配信なんかから声を拾ってきて繋げてる感じですわね。でもそれにしては不自然さが全くないような……?」


録音した覚えのない自分のセリフを聞いてすぐにからくりを理解するメグ。

なんならキャラクターの動きもミラライブで使っている3D配信用のものと遜色ないレベルで滑らかである。


「あぁ、そういうこと。今まで作者不明と言われておりましたが、これ確実にミラライブの関係者が関わっておりますわね。多分ですけどキャラクターの動きを取り入れる時にうちの技術を流用してますわ」


麻雀配信の時などに用いたVRカメラを使って動きを取り込んだのだろう。メグの知っている範囲ではミラライブの独自技術らしいので、恐らく確定と言える。


【コメント】

:なるほど

:道理でクオリティ高すぎると思った

:ミラライブの技術こわwww

:やっぱりか

:レコーディングしてないのかよwww


『メグせんぱぁい!!』


『この声は……スピカちゃん!?』


突如聞こえた声にメグがミラライブ本社の入り口を見ると、なんと四期生のスピカがこちらに向かって走ってきていた。


『た、助けてください!!』


よく見ると後ろから3匹の謎の生物に追いかけられている。


『あれは……アリシアちゃんの……!?』


その姿はよく見るとアリシアのファンである『豚』を模したキャラクター。

その豚が近づいてくると、『LIVE START!!』というカットインと共に戦闘に入った。いわゆるチュートリアル戦闘というやつだ。


『メグ先輩、こいつら正気を失ってるッス!なんとかしてください!!』


『なんとかって言われても……』


その直後にコマンド選択画面に。

攻撃、特技、魔法、アイテム、必殺、逃げるの選択肢があり、基本はオーソドックスなRPGのようだ。


チュートリアル通りに通常攻撃を放つメグ。

豚の頬を力いっぱいビンタする。流石にチュートリアル戦闘ということもあってかワンパンだ。


次に、豚が突進攻撃を仕掛けてきて、少しダメージを受けてしまい、メグが「イヤッ!」と嬌声とも聞こえる艶めかしい声を上げる。


『メグ先輩!大丈夫っスか!急いで魔法で回復するっス!』


そのチュートリアル通りに初期から覚えている回復魔法を唱え、HPを回復する。


『魔法を使うにはTP(登録者数ポイント)を消費するので注意っス!』


「え?このゲームってチャンネル登録者数を削って魔法を使うんですの???」


「魔法とは?」とツッコむメグだがこのターンは豚が攻撃を外してくれてHPを削られることなく次のターンへ。


『このままじゃ埒が明かないっスね……。先輩、同接を使って必殺技を使うっス!!大丈夫、スキルを使ったりダメージを受けたりしたら同接なんてすぐに回復するっス!!』


「ねぇスピカちゃんその発言配信者として終わってますよ!?」


思わずツッコミを入れるメグが画面右端を見るとゲージが表示されており、それが今8割ほど溜まっている。

ダメージを受けて同接が増えるのも納得だ、そりゃそうだ。


『必殺』のコマンドを選択すると、『大天使の粛清』というスキルがあったので、それを選択。


メグが祈ると天から鋭い光が無数に降り注ぎ、残った豚たちを蜂の巣に。


『ちなみになんスけど、TPを減らしすぎると同接も溜まりづらくなるので無駄遣いには注意っス』


「なんでそんなところで妙にリアルな基準を……」


なんとか戦闘を終え、レベルが一つ上がる。

レベルアップ時にポイントがもらえ、最大HP、最大登録者数、力、魔力、速さ、最大同接数のいずれかに振れるようだ。


「これってどれに振るのが正解ですの?ゲームによっては魔法有利とか物理有利なんて偏りがあるイメージなのですけれど……」


【コメント】

:正直どれでもいい

:難易度はそこまで変わらん

:マジで好みでしかない

:何に振ってもちゃんと火力出る


「なるほど。ではとりあえず最大登録者数に振っておきますわ。やはり配信者として登録者数が増えることは嬉しいことですものね」



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



アトガキ


読み飛ばし可


ミラクエ

製作者:ミラライブの従業員たちとスピカ。

目的:サキによって操られたメンバーを正気に戻し、仲間に加えて本社ビルの最上階を目指すこと


システム

コマンドは攻撃、特技、魔法、アイテム、必殺、逃げるの六つ。

一部を除いた特技と魔法の使用にはTP(登録者数ポイント)を消費する。

攻撃したりダメージを受けたりすると必殺技の発動に必要な同接ゲージが増加するが、TPが少ない状態だと同接も増えづらい。

ゲージが一定値に達すると必殺技を使用可能、同接は使わなくても次の戦闘に引き継ぐことができる。


攻撃には属性があり、物理、炎、氷、雷、風、光、闇。

相手の弱点属性で攻撃するとダメージが増え、また確率でスタンさせることができる。


レベルアップ

レベルアップでは最大HPとTPが一定数増加し、更に最大HP、最大TP、力、魔力、速さ、最大同接数のいずれかにポイントを振ることができる。

速さが高いと攻撃の命中・回避率が上がるほか、エンカウント時にバックアタックを取れる確率が上昇する。

最大同接数が増えると同接ゲージが伸び、一定数値以上になると仲間とのコンボ必殺技が使えるようになる。


当然ながら思いつきで書いてるのでここはどんどん増えていきますし、なんなら多分改変もしていきます。ご了承ぷりず。

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