オタクが集まるとこうなる 1

はじめに


今回のお話は筆者の趣味が多分に含まれており、読者の皆さんを置いてけぼりにしてしまう可能性が非常に高いです。

予めご了承ください。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



『《夢冥アリス/狐舞サキ》ついに来た、この時が《ミラライブ二期生/ミラライブ三期生》』


「さぁ、今回もまた世界を混沌に導いていこう」


「混沌ルートで行くのは確定なのね」


今日は久しぶりのアリスちゃんとのコラボ。何気にちゃっかりオフコラボであり、前回と同じようにアリスちゃんの家にお邪魔させてもらっている。

そしてまるで定位置のように私の膝の上に座ってコントローラーを握っていらっしゃる。可愛い。


「さてさて、今回やっていくのは真・女神〇生VVということで!!まぁ配信で今まで何度もやってるしみんなもう大体のことは知ってると思うんだけど、今回は珍しくオタク語りができるサキちゃんに来てもらってるので楽しみにしておいてください!!」


「めちゃくちゃテンション上がってるアリスちゃんが可愛すぎる。あ、髪の毛良い匂いする~」


「さささサキちゃん!?恥ずかしいよ……」


【コメント】

:どれだけのリスナーがついてこれるのか

:テンション高いアリスちゃんやっぱかわいい

:おいサキそこ代われ

:この二人の距離感おかしいよ()

:てぇてぇRTA


「さて、早速やっていくわけなんだけど、サキちゃんはプレイしたことないんだっけ?」


「そうそう、やってみたいとは思ってたんだけどあんまりまとまった時間取れなくてさ。あとメガ〇ンやってる時ってどうしても色々考えちゃうから配信が成立しなくなるんだよね多分」


サキ自身、このシリーズの作品は昔からプレイしていたのだがどうしても考察することや今後の展開、過去に見た伏線などで考えることが多い。いくら並列思考を得意とするサキでもそのリソースを喋りに回す余裕がないくらいには熟考してしまう。


「じゃあ新しいデータでやっていこうかな、引継ぎ要素でネタバレとかよくないしね」


ちなみにアリスちゃんのデータはもう20周ほどクリアされており、当然のように全エンディング、悪魔全書、サブクエ、トロフィーまで全てコンプされている。

流石は生粋のオタクだ。


「さて、じゃあ初めていくわけだけど……名前は狐舞サキでいっか」


「まぁ……アリスだと名前被っちゃうしね」


「そうなんだよぉ、それが唯一この名前でミラライブやってることのデメリット」


被る、というのはこのゲームにアリスという名前のキャラが登場する故である。

ちなみに別の周回データでは他のミラライブメンバーの名前が用いられていたりする。


例えば天使メグでやっている時は天使や妖精などの、いわゆるLAW(秩序)に属する仲魔ばかりを、田所鈴子の時はデバフを得意とする悪魔を、白井モモカの時は暴力こそ正義といったプレイスタイルで、どいった感じに名前に合わせたプレイでやっている。


「で、私の名前でやる今回はどういう感じでやるの?」


「最初から御霊を狩りまくってレベル上げて俺TUEEEEEEな感じかな」


「アリスちゃんの中で私のイメージどうなってるの???」


御霊というのは特殊な悪魔の総称で、レベルアップさせるアイテムが貰えたり高額で売却することのできるマッカ(お金)集め用のアイテムをドロップしたりする。

早い話が、やろうと思えば最初のフィールドでいきなりレベルをカンストさせることだってできてしまうのだ。


「サキちゃんはリアルで御霊狩り尽くしてから世間に出てきたんじゃないかと本気で思ってるよ私」


そんな冗談を言いながらも、サクサクと序盤のイベントを進めていくアリスちゃん。

ある程度進んだところで、主人公が魔界に迷い込んだシーンだ。


「おお、ここで初戦闘か。てか戦闘のグラよすぎない!?割と3に近い感じなのね。で、4とか4Fみたいな適性で威力とか消費MPが変わるシステムも引継ぎと……結構消費MPとかダメージとか多いしもしかしてかなりインフレしてる感じ?」


「最初の戦闘だけでそこまで考察できるサキちゃんほんとに大好き。そうなんだよ、味方のHPもスキル次第で簡単に1500くらいになるし与えるダメージなんて割と簡単に数万とかいくんだよね。ダメチャレとかするの結構楽しいよ」


【コメント】

:相変わらず情報量が

:20周やってるアリスちゃんと対等に話せるサキちゃんすげぇ

:流石ガチ勢

:過去作の配信とかも見てみたいな


話しながらもサクッと戦闘を終え、画面はその後のイベントシーンだ。


「そうそう、このマガツヒが地面によく落ちてるんだけど、これの回復量が結構大きいから回復にマッカをあんまり使わなくていいから便利なんだよね」


「ん……?マガツヒって3ぐらいでしか出てこないものだったよね?もしかして3と世界線繋がってたりする?そういえば裏ボスで〇修羅くんが出てくるって聞くし……」


「流石サキちゃん。しかもなんと、あのシンジュク衛生病院と思われる建物まであるんだよ。他にも色々根拠があってね、だから私は同じ世界線で確定なんじゃないかなって思ってるんだぁ。ま、結構ネタバレになる要素多めだから都度説明していくね」


いつになく早口で説明してくれながらも手慣れた動きで淡々と悪魔を倒していくアリスちゃんからは心底楽しんでいる雰囲気が感じられる。可愛い。


その後も的確に敵の弱点を突いてサクサク進んでいくアリスちゃん。流石は周回プレイヤー、敵の耐性なんて丸暗記しているのだろう。

まぁ、属性相性は基本的に他の作品と変わらないし、初出演の悪魔でも大体見た目で分かりやすいのが多いから私もなんとなく分かるのだが。


……と、ここでヒロインのヨー〇ちゃんが初登場だ。


「この子ねぇ……性格も言動も過去の話も全部最高なんだよ……ぜひサキちゃんにも自分でプレイしてみてほしいよ……」


「確かに、見た目も可愛いしこういう現実主義な感じのキャラは私も好みだなぁ」


そんな風に雑談しながらその後のイベントを眺め、その後のボス戦もほぼ完封でクリアする。


これ、クリアまで何時間ぐらいかかるんだろう……なんて思っていると、不意にアリスちゃんが後ろにより深く体重をかけてきた。


「ん?アリスちゃんどうしたの?」


「別に~?目の前に私がいるのに〇ーコちゃんに可愛いとか言っちゃって~って思っただけ~」


「ねぇ何この先輩ほんとに可愛すぎるんだけど。もうこのアリスちゃんのだったらゾンビ友達になってもいいまである」


そう言いながらアリスちゃんのお腹に手をまわして抱きしめる。膝の上のアリスちゃんも満足げで、満面の笑みを浮かべている。最高に幸せだ。


私たちの長い夜はまだ始まったばかりだ。

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