初めてのマ◯カだぁ 1

『《金宝ユウカ/狐舞サキ》#金くれ サキちゃんイジメの時間やー《ミラライブ一期生/ミラライブ三期生》』



「金くれ」


「それ前聞いた」



【コメント】

:はいよ ¥5000

:いつもの ¥10000

:サキちゃんへ ¥10000

:みんな気軽に投げるなぁ…

:ていうかイジメとは

:最終的にイジメられる未来しか見えんのだが

:それ



「サキちゃんその1万…ってこの流れ前もやったな」


「うん、天丼よくない」



今回はユウカ先輩とのコラボ回だ。


ただし、何も聞かされていない。ただ『今暇?』ってビスコが急に送られてきて『いえす』って返したら通話がかかってきてそのままコラボすることになったのだ。突発コラボが過ぎる。



「ほい、てなわけで今回は『初見で操作もままならない初心者のサキちゃんをマリカで圧倒的大差をつけてボコボコにして金を巻き上げよう』の回〜!」


「いえーい!…ってなるとでも思った?」


「この上なく華麗なノリツッコミ!ということでサキちゃんにはマリ◯をプレゼント〜」


「あ、そうそう。私マ◯カ持ってないんだよね。てなわけでコラボ終了。さよなら〜」


「だからマリ◯プレゼント言うたやろ〜?ちゃんと郵送して、サキちゃんのお母さんに適当に隠しといてもらうように言っといたから」



ユウカ先輩がそう言った瞬間、私のスマホに一件のRINEの通知が。


『まっま:部屋の外にソフト置いてあるから〜』



「しっかり抱き込まれてるね!?」



ていうかお母さんがさも当然かのように配信を見ているということに戦慄しつつ一旦部屋を出てフローリングに置いてあった◯リカのソフトを拾い上げる。



「…あったよ」


「なんで残念そうなんや…?ま、そゆわけでとりま視聴者参加型でやろか」


「うん、待って。操作方法もルールも何もかも説明せずにスタートってどんなイジメっすか」


「だからイジメって最初に言うたやん?ていうかなんも分からん状態でPABG始めてプロに撃ち勝って優勝してたやん。そんなサキちゃんがマリ◯如きでウチに負けるはずないやろ?」


「せめて10分ぐらいは練習させてほしいんだけど?」


「はい、てなわけで始めよか。これが部屋のコードやから入ってきてな。サキちゃんが入ったら金蔓のみんなにも公開するから」


「うん、流れるように無視するね。ていうか待って、リスナーのこと金蔓って呼んでるの?」


「尻穴よりはマシやろ」


「どっちもどっちだと思うよ!?」



とはいえツッコんでいてもレースは始まらない。ひとまずマリ◯をセットし、色々戸惑いながらもなんとかユウカ先輩の作った部屋に参加する。

キャラだとかカートだとかの良し悪しなんて当然全くわからないのでとりあえず一番可愛いキングテレ◯を適当なカートに乗せて参加。



「お、来たな〜」


「え、このゲームってチュートリアルとかもないの?」


「んじゃあ公開するからみんなきて〜。あ、ちゃんと参加費は忘れずに」



【コメント】

:参加費 ¥1000

:参加費 ¥3000

:参加費 ¥5000

:参加しないけど参加費 ¥3000



「レースに参加するだけで金取るとか頭おかしすぎんか」



それ言われて素直に払う方もだけど。



「他にも、最下位の人は罰金やし一位の人は詫び代やしウチに攻撃した人は慰謝料やしウチが気に入らんかった人は赤スパやからね」


「完全にヤクザのやり口で草」


「ほら、始まるで」


「え、ちょ、まだ何も」



結局私のクレームは一切聞き入れられず。

どうやら私が始めて走るコースの名前は『DKジャング◯』というらしい。


いや、知らんけど。どのコースだろうが関係ないけど。


ジュゲ◯がカウントダウンして、そのままスタート!

…なのだが。



「あれ?サキちゃんどした?」


「いや、『どした?』じゃねえよ!!どのボタンでアクセルかすらも分からないんだけど!?」


「あ、そゆことね?ほんならお先〜」


「ちょ!?」



お先とかなんとか言ってるが、実際既にもうかなり進んでしまっている。


コントローラーを色々いじくってる間になんとかアクセルのボタンを発見し、ようやくスタート。



「えーと…これがアクセルってことはこれがブレーキで…ん?こっちは…あ、ドリフトかぁ。なるほど…ターボ溜めると加速するのか…。あ、これでアイテムなのね。へー!キノコ食べたら大きくなるんじゃなくて加速なんだね!」


「吸収が早すぎることよりも予想以上のマリ◯知識のなさの方が驚きなんやけど」



だってしょうがないじゃん!ほんとに一回もやったことないんだもん!!



結局このレースは最初の差を縮めることができずに圧倒的12位で終了。ちなみにユウカ先輩は1位だった。



「え、もしかしてユウカパイセン◯リカガチ勢っすか」


「うん、何個かのコースでWRワールドレコード近い成績出しとるで」


「えぇ…あ、分かった。マ◯カで勝つ度に金もらえるとかマネージャーさんに言われたんでしょ」


「ウチの印象どないなってんねん…。まあ正解やけど」


「まじかよ」



【コメント】

:アレも伝説なんだよなぁ

:『1コースWR更新できる度に5万円チャレンジ』

:結局30万ぐらい稼いでたよな

:金かかると走力が桁違いになるの面白かった

:流石にサキちゃんでも勝てないんじゃないか

:サキちゃんが入ってからのミラライブのドラゴンボー◯感好き



「…ま、いいや。さっきのレースで操作方法もアイテムの効果もだいたい分かったしね」


「…流石にレース二回目の初心者に負けるわけないよな…」



ユウカ先輩それフラグっす。


…まあコースの形すらほぼわからないから勝てないとは思うけどね。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



さてさて、サキはマ◯カでも無双できるのでしょうか…!(察し)



あと…一つ宣伝させてください…。

あのね、『撃ち抜かれた殺し屋』って小説を連載してるんです…。

地の文をめっちゃこだわって書いてる作品だからじっくり読むの好きな人いたら是非読んでみて…。


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