ミラライブ麻雀王決定戦 2

「二人とも何やってるのかな!?ちゃんとしようね!?」


「あれ?私達だけですか?」


ツッコみまくりのイナ先輩。どうやらイカサマには気づいていないようだ。


「アリシアちゃんとみーちゃん、コンビで積み込んでるよね?」


「なんのことかにゃ?」


「そうじゃ。言いがかりはよせ」


しかし。メグ先輩はしっかりと気づいているよう。


「みーちゃん、積み込み失敗してたよね?まあ、サキちゃんに妨害されたせいなんだけど」


そう。ミタマちゃんが山を積む時に一牌入れ替えたのだ。

故に、アリシア先輩の手牌の中で一索だけが浮いて最初に切る羽目になった。


「はあ…。だからこの二人相手にイカサマにゃんてすぐバレるっていったんですよ…」


観念し、ミタマちゃんが頭を垂れる。それを見たアリシア先輩も「フン」と不快げに鼻を鳴らす。


「メグ先輩、そこまで気づいてたんならなんで一索で和了れる手にしなかったんですか?」


「二人のイカサマに関しては私は何もしてないもの。それをサキちゃんから頭ハネで掠め取ったらただの卑怯な人じゃない」


「イカサマしてる時点でみんな卑怯者なんですけどね!?」




結局。最終的には全員がイカサマを認め、イナ先輩の鶴の一声で


・完全イカサマ禁止

・オール伏せ牌で洗牌

・最初からやり直し


が追加ルールとして決まった。


もちろん、イカサマなしなら順当に不要牌を切っていくだけの普通の麻雀だ。


普通に東一局が始まり、みんな普通にツモって普通に切っていく。


「うーん…立直にゃ!」


「待ちは何?」


「言うとでも!?」


「まあいいや、わかるし」


ミタマちゃんが立直する時に切ったのが四索。最初の方は么九牌を切って最後の数牌は中張牌。

つまり、待ちは可能性が高い。


「ほれ」


三萬。


「はい」


八筒。


「んー、これ」


五索。


「にゃんでみんなしてそんな危ない牌ばっか切るのにゃ!?」


思いの外強気の打牌に、ミタマちゃんは私達3人がヤミテンしてる可能性を考えてるみたい。


「だってみーちゃん、多分だけど一萬と發あたりのシャボ待ちでしょ?」


「っ…言わないにゃ」


そう言って山からツモってくるミタマちゃん。


「あ、ツモにゃ!立直一発ツモ…發、にゃ…」


声高に宣言して手牌を倒すものの、不満げなミタマちゃん。


「はあ…ぴったり言い当てられてにゃかったら素直に喜べるのに…」


そう。ミタマちゃんの待ち牌は私が言った通りの一萬と發のシャボ待ち。


「リーのみの手が満貫になったのに不満かね…」


「だって当然にゃ!なんで待ちが分かったのにゃ?」


「んー…説明しても視聴者どくしゃのみんなに伝わらないからまた今度ね」


そう言って2000点分の点棒を支払い、洗牌を始める。


「今、『視聴者』の読み方がおかしかったようにゃ…」



東二局。


「ツモ。500オールですわ」


4巡目のことだ。メグ先輩がツモのみで和了り、連荘。


一本場。


「アリシアちゃん、それロン。断么のみで2300」


二本場。


「ツモ。東ノミで1200オール」


「メグ先輩八連荘狙いですか!?」


さっきから1翻ばかり。しかも6巡目前後というものすごい早さで和了っている。


「あら、だって積み込みは禁止でも積まれた位置を覚えるのは禁止されてないでしょう?なら速攻で和了って連荘を狙うのは定石だと思うのだけれど?」


「え、それって禁止じゃないんですか?」


「禁止とか以前になんで覚えてられるんだよっ!!オール伏せやぞ!?」


「イナ先輩関西弁混じってますよー…。ていうか伏せる前に覚えとくだけの話ですから誰にでもできるじゃないですか」


「ねー」


「『ねー』じゃねえよッ!!!あー…絶対全自動卓用意してもらうべきだった…」


「「「「何を今更」」」」


「この卓まともな奴いねえ!!」



何はともあれ東二局3本場。


イナ先輩の苦肉の策で、全員目を瞑って山を積むことになった。

確かに、これならどこに何を積んだか分からないが…


「…ぶつぶつ…この河なら手は…ということは山には…ぶつぶつ…」


「メグちゃーん?配信してるってこと分かってるかなー?」


「ええ、もちろん。ということでオープンリーチ。一四七いっすーちー二五八りゃんうっぱー筒待ちですわ」


「おーっと!ここでメグちゃん、6面張オープンリーチだーっ!しかもメンホン!オープンリーチへの放銃は役満払いなので、ツモも含めて実質跳満以上確定の手だーっ!」


メグ先輩の河には、当然の如く索子と萬子がほとんど。この状態で立直をかけても誰も振り込まないだろうと判断してのオープンリーチか。しかも6面張となるとツモれる可能性はかなり高い。


というか…。


「次のツモ山はメグ先輩の山…。ということは…」


オール伏せ牌で目を瞑って積んだとはいえ、盲牌さえできれば自分の山に何があるかくらいはわかる。ということは…


「それ、チー」


メグ先輩が切った九萬をチーし、ツモ番をずらす。恐らくは一発でツモれる位置に積んであると判断したためだ。手牌と河を見ると、今山とアリシア先輩の手牌とミタマちゃんの手牌のどこかに残っているメグ先輩の当たり牌は9個。ツモられる可能性はかなり高いが、その確率を少しでも下げるに越したことはないだろう。


ミタマちゃん、アリシア先輩と牌を切り、メグ先輩のツモ番へ。


「ふふっ…。サキちゃん、今回は私の勝ちかしらね…」


「えっ…」


右手で牌を摘み、ニヤリと笑うメグ先輩。


まさか…


「オープンリーチツモ混一色メンホンウラウラ。親倍の3本場で8300オールですわ」


やばい。この人ヒラでもめっちゃ強い…!



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



あー、麻雀回って書いてるだけでもめっちゃ楽しいなぁ()


最初に言った通り、多分麻雀知らない人完全置いてけぼりでございます。


そして、文字数が半端ない。好きだからっていうのもあるけど、まだ東二局なのに2話分にもなってるよ…。これアレだな、最後まで書くってなったらものすごい話数になりそう。アカ◯を彷彿とさせる長さに…


その間に麻雀分からない読者さんがどんどん離れていくんですけどね()

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