ミラライブ麻雀王決定戦 1
はじめに。
麻雀回です。一応麻雀分からなくてもなんとなく楽しめる構成にはする予定ですが、何せ私が麻雀大好きなので書いてる間にテンション上がって初心者置いてけぼりにしちゃう可能性もあります。予めご了承くさだい。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「第一回ッ!!ミラライブ麻雀王決定せーんっ!!」
「「「「いえーい!!」」」」
ぱちぱちぱちぱち。
ここは先日私が訪れたミラライブ本社の一室。
地下二階の体育館に通されたのは私がバスケしてるところを配信したかっただけで、アバター被せ自体はあのカメラさえあればできるらしい。ということでこの部屋にはVのアバターを被せた人たちが集まっていた。
「司会進行は当然のことながら私、宇天イナ!そして選手は天使メグ、山神ミタマ、狐舞サキ、そしてまさかのアリシア・デ・ラスフォードだぁぁぁ!!」
「『まさかの』とはなんじゃ?エロフの分際で妾を愚弄するのか?」
「どこがエロフじゃあ!!あと、普通にあんたが誰かとコラボするのが珍しいからだよ!!」
「ふむ…。最近妾の偉大さを理解していない輩が多いらしいからの。偶には下界に姿を顕さねばと思っての」
「あんたは神か何かかよ」
鋭いツッコミを連発してからアリシア先輩との絡みを切り上げるイナ先輩。
「そういえば、メンバーはこの4人だけなんですか?」
ミラライブに所属しているVTuberは現在9人。今この部屋にいる5人の他の4人は…?
「えー、ユウカちゃんは『麻雀なんか金賭けなやる気ならんわ』、アリスちゃんは『ハコった人をメメモっていいなら』、鈴子ちゃんは『ショタがいないならやる気出ない』、マイカちゃんは『サキちゃんと同卓なんて絶対負けるからヤダ』とのことでーす」
「ツッコみどころしかないんだけど!?」
犯罪者予備軍が3人もいる時点で驚きでしかないのだが、そんなことよりもライバーが全員麻雀できるということの方が驚きだ。高校のときにクラスで麻雀メンバー募集しても7人しか集まらなくて断念したというのに。
「とにかく早く始めましょう?私は早くサキちゃんをボコボコにしたいのだけれど?」
「この前のクイズコラボ引きずりすぎでは…?」
「まあ、このままダベっても仕方ないのでメグちゃんの言う通り早速やっていきましょう!ちなみにルールは喰いタン、後付けアリアリの半荘戦で、配信に関してはそれぞれに割り当てられたカメラで撮影、牌を切る番の人の手牌が移されているカメラの映像が流されます。また、コメントがメンバーに見えないように配信関係は別室で職員が管理しております!勝負は合計で半荘3回、その合計点で順位を決めます!詳しくは配信画面に表示してあるのでご確認くださいっ!それではミラライブ麻雀王決定戦、スタート!」
イナ先輩がノリノリの司会で開始を告げる。
伏せた東南西北の牌をそれぞれ掴んだ結果、
場所に合わせて席を移動し、4人揃って
「…?」
…何か、違和感があった。洗牌の後、山を積むときだ。
もしやと思って顔を上げると、対面に座るアリシア先輩がまるで『勝った』と言わんばかりの表情を浮かべている。
「では、ゆくぞ」
そう言って、アリシア先輩が二つのサイコロを振る。
出目は5。割れ目はアリシア先輩の山だ。
これは、やはり…。
配牌を取り、理牌を。私の手は配牌時点で2シャンテン。それなりに早く和了れそうだが…
「くっくっく…ツモ、天和じゃ」
「「「えええ!?」」」
さも当然と言わんばかりの顔で手牌を倒すアリシア先輩。
東一局、一回目の親でいきなりの役満。
「ほれ、16000オールじゃ。早う点棒を出せ」
思った通り、どう考えてもおかしい。
いや、流石に役満に綾を付けるわけではないが、あの違和感が確信に変わる。
3人揃って点棒を差し出し、再び洗牌を開始。
「やはり天は妾に味方しているようじゃな。このまま次も…」
そう言って再びサイコロを振るアリシア先輩。そして、当然の如く出目は5。
配牌を取り、理牌を。
「…む?」
理牌後、何か不都合があったのか眉をひそめるアリシア先輩。
「あれ?どうかしましたか?親のアリシア先輩が切ってくれないと何も始まらないんですが?」
「貴様…やったな、この雌狐が」
「ん?なんのことだか〜」
「チッ、まあいい」
そう言ってアリシア先輩が切るのは一索。
だが。
「ほれ、ダブルリー…」
「あ、それロン」
「「えええ!?」」
「人和・清老頭で64000の一本場で64300ですね。早く払ってくださいます?」
にっこり笑みを浮かべて牌を倒す。
もちろん、手は綺麗な清老頭。一索・九萬のシャボ待ちだ。
「お主、イカサマを使ったであろう?」
まるで親の仇でも見るかのような目でこちらを睨みつけるアリシア先輩。
「やだなぁイカサマだなんて〜。いきなり天和が出るような場なんだから人和清老頭が出ても何もおかしくないですよねぇ?」
「よーし二人ともちょっと待とうか!!」
ピリピリとした雰囲気に耐えられなくなったイナ先輩が大声でツッコミを入れる。
「はい、サキちゃん!イカサマしたのね?」
「うん、ツバメ返ししたよ」
「すぐ認めるね!?」
そう。私が使ったのはツバメ返しという技。
配牌を取ってから、自分が積んだ山の一部とそっくりそのまま入れ替える技だ。山を積む時点で国士無双だろうが清老頭だろうが九蓮宝燈だろうがなんだろうが仕込める技。
「それに、メグ先輩も同じことしてたから私もやらなきゃ地和プラス何かしらの役満和了られて飛ぶところでしたし」
「メグちゃんも!?」
「あら、気づかれてましたの?」
そう言ってメグ先輩が倒した手牌は…
「だ、大車輪テンパイ!?」
【コメント】
:なにこれ
:麻雀回って聞いてたんだけどな
:安定のバケモンの集い
:平然とツバメ返しする人が二人…
:漫画の世界ぢゃん
:配信中って分かってるのかな?
:そーいや配信画面に映ってるのってツモ番の人だけか
:麻雀してくれ(願望
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
さあ、イカサマ大会の始まりだ(大嘘
次回からはちゃんとヒラで打ちますよ(多分
細かいルールに関してはよっぽどおかしくない限りは私の知識準拠で。『大車輪は役満でいいのか?地和と合わせてダブル役満になれるのか?』とかね。
あ、麻雀分からんけど読みたいから解説入れてって人がいたら教えてね…。常識と言えない部分に関しては解説挟みます…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます