ミタマちゃんとゾンビを蹂躙するよっ! 3

『む、サキちゃんストップにゃ!』


「ん?みーちゃん何か見つけた?」


通話しているヘッドホン越しに聞こえるミタマちゃんの声に、私はジェームズを操作する手を止める。


『こっち、なんかある気がするにゃ』


そう言いながらミタマちゃんが向かったのは一軒の家。ほとんどの建物はただのオブジェクトで、入ることすらできないのだが…


「…?わかった、行ってみよっか」


ジェームズを操作して、ミタマちゃんが操作するハドソンについて行かせる。


『サキちゃん、ちょっと待っててにゃ』


「りょーかい」


一見ただのオブジェクトにしか見えないその建物の壁に何か違和感があるようで、入念に調べるミタマちゃん。

当然その間もゾンビは襲ってきているので、私は迫りくるゾンビを仕留める役に専念する。


『…見つけたにゃ』


「何を?」


『隠しダンジョンにゃ』


「え!?ほんと!?」


そもそも普通にクリアすること自体馬鹿みたいに難しいこのゲーム。それ故に、発売から何年か経った今でもネットなんかで時々新しい隠し要素が見つかることも。


私も隠し要素コンプを目指そうとしたものだが、梨沙に止められたのだ。「これ以上このゲームやるなら私友達やめるからね!?やるにしても一人でやって!?」って言われた。


ミタマちゃんが目の前の壁に連続で弾丸を撃ち込む。



ガラガラと音を立てて崩れる壁。



どうやら内部に耐久値が設定されており、銃弾を何発か撃ち込むと壊れるようになっている仕組みだったらしい。




当然その向こうから大量のゾンビが…


「…?来ない?」


『らしくにゃいにゃ』


このゲームの制作陣の性格の悪さから考えると、壁が崩れる瞬間に壁の向こうから何十匹ものゾンビが血肉を求めて馬鹿みたいなスピードで押しかけてきてもおかしくない。いや、そうあって然るべきなのだ。


むしろ、何もしていないのにゾンビが壁を突き破って側面から襲いかかってくるなんて日常茶飯事。


壁の向こうにはゾンビだし窓の外にはゾンビだしドアの向こうにもゾンビだし振り返れば当然そこにはゾンビなのだ。


「とりあえず入ってみる?」


『NOなんて選択肢は当然ないにゃ』


ノリノリで見るからに怪しげな雰囲気漂わせる建物に侵入しようとするミタマちゃん。


油断させておいて壁の裏からわんさかゾンビが出てくるパターンかとも思ったがそうではなく。普通の構造の一軒家で、回復アイテムなんかがいくつか設置されているだけでゾンビは0だ。


そして、室内の探索を終える。何の目的があって作られた空間だったのか分からないが、このままただアイテムを漁っている光景を配信で垂れ流すのも忍びない。

適当に切り上げてストーリーに戻ろうとしたところで…


『サキちゃん!見つけたにゃ!地下への隠し通路にゃ!』


「おおー!みーちゃんナイスぅ!このまま何もなかったら腹いせにここ見つけたみーちゃんの眉間に銃弾撃ち込むところだったよ!」


『このゲームはFF無しだから問題ないんにゃけど…』


「リアルで」


『なんでこの程度で殺されにゃあならんのにゃ!?』


【コメント】

:草

:確かに結構な時間同じ風景(殴

:なんでリアルで銃出す発想が

:まさか

:銃刀法違反は立派な犯罪だよ?


「持ってるわけないでしょ?知り合いが警察関係者だからちょーっと拝借するだけだよ」


『それも犯罪にゃんだけど!?』


「はいはい、みーちゃんの戯言は置いといて地下行くよ〜」


『理不尽にゃあ〜…そのまま地獄まで下ってけにゃあ〜…』


「さりげなくひっどいこと言うのマイブームなの?」


冗談はさて置き、これ以上同じ絵面を垂れ流すわけにもいかないので地下室への扉をバーン!と開ける。


銃を構えておくが、やはりゾンビは一体も出てこない。


もういちいちツッコんでても仕方ないので警戒しつつも目の前の階段を降りていく。


「そういえば、なんであの壁壊せるって分かったの?」


ふと感じた疑問をミタマちゃんに投げかける。


『周りの建物と微妙に色が違ったにゃ。ほんの誤差レベルだけど、変える必要のない建物の色が変わってるなんておかしいと思ったのにゃ。それに、このゲームにいっぱい隠し要素があることは知ってたからにゃ…』


「むぅ…今回はみーちゃんにいいとこ取られちゃいそうだなぁ」


『前のPABGコラボでは初心者のサキちゃんにいいとこ取られちゃったから今回で取り返したいのにゃ』


【コメント】

:あれはひどかった

:初めてプレイする人のキル数じゃないもん

:覚えてるか?初キルが撲殺やぞ?

:バールのようなもの

:そして装備はSRとDMR

:そして超遠距離スナイプ

:あ、そういえば最初の試合の最後の相手プロやで

:マ?

:世界大会6位の実力者だってよ

:シイートしてたな、『チーター越えのVTuberにタイマンで負けたw』って

:気の毒に


「へー、あの人プロだったんだ。道理で上手いと思った…」


『その人を初プレイでボコった初心者が言うともはやただの煽りと自慢にしかなってないにゃ』


「なんかみーちゃん今日すっごい辛辣じゃない!?」


『ん、そろそろ一番下に着くにゃ』


「あっ話逸らされた。ていうか何気にすっごい長い階段だったねぇ…」


超長い階段をひたすら下り続け、やっとたどり着いた最奥にあるのは一枚の扉。


もうめんどくさいので躊躇なく開ける。


すると、画面が切り替わってイベントシーンに。



「―――ここは…」


「何かの実験施設か…?」


油断なく銃を構え、互いの背中を庇いながら部屋に入る二人。


そこには、何の用途かよくわからない複雑な機械と、誰かに荒らされたような本棚が。


本棚に近づき、ジェームズが一枚の紙片を拾い上げる。


「『人間が死から逃れる方法』…?」


「ジェームズ危ない!!」


紙に目を落として一瞬警戒を怠ったジェームズを、ハドソンが必死の形相で突き飛ばす。


その直後、さきほどまでジェームズの頭があった空間をぬるぬるとした触手が超スピードで通り過ぎていった。


「い…今のは…」


「よくもヲヲォォォォ…ワタシの研究ヲォォ…」


不気味な唸り声を上げて両腕があるはずの場所から生やした何本もの触手をうねらせる異形の女性。


裏ボス・『アンナ・ドレイク博士』戦のスタートである。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



んー、微妙()


正直に言います。全然細かいこと何も考えずにゾンビゲー編書き始めた。


だから、広げすぎた風呂敷は次回で全部畳みます。なんなら一旦ゾンビゲー編終わらせてしばらく経ったら全部削除するやもしれん()


まあ、うん。小説初心者なので?そこは大目に見てくださいっていうかなんて言うか?


ほんとごめんなさい。ていうか更新さぼりまくっててごめんなさい許してくd(殴

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