ミタマちゃんとゾンビを蹂躙するよっ! 1

『《狐舞サキ/山神ミタマ》ゾンビを蹂躙するよっ!《ミラライブ三期生/Vtuber》』


「蹂躙するどー!!」


『ゾンビ逃げてぇ!超逃げてにゃああ!!』


【コメント】

:www

:タイトルw

:ゾンビェ…

:これってそんなゲームじゃなくないか…

:気にしたら負けだな


そう!今回ミタマちゃんとのコラボでプレイするゲームは『THE COLLAPSED CITY』というホラーゲーム。

突如としてゾンビが溢れかえる地獄と変貌した街から生存者を助け出しながら脱出するゲームだ。

昔からよくあるタイプのパニックホラーだが、実はこのゲームはホラーゲーム史上最悪のクソゲーと言われている。


まず、ゾンビが銃弾を見てから回避する。


うん、この時点で大半の人がクリアを諦める。



次に、ゾンビが主人公より足速い。


どうやって逃げろと?



更に、セーブがほぼできない。


何十年前のゲームだってレベルのセーブポイントの少なさ。何せ、各チャプターの間でしかセーブさせてもらえないのだ。死んだらそのチャプターの始めから。

運営曰く『普通は死んだら復活できないんだからセーブできるだけ優しいよね』


馬鹿。



最後に、とにかく長い。


チャプターにして18、恐らく数人の狂人しかプレイしていないDLCが全部で5つ。


それに加えてマルチエンディング。



全クリするのに何年かかるんだってレベルのクソゲーである。



そして、言わずもがなこれが私と梨沙が春休みに一緒にプレイしたゲームである。


「まあ、とりあえず始めよっ!」


タイトル画面から難易度『HELL』を選んでクリック。


『基本方針はどうするにゃ?』


「じゃあね…ゾンビは一匹残らず倒す、生存者は全員助けるって縛りで行こうか」


『にゃ!?クリアするのに何日かかると思ってるにゃ!?』


「まあ、みーちゃんがちゃんとゾンビ倒してくれたらチャプター1個あたり2時間ぐらいで終わると思うから今日はとりあえずチャプター2まで終わらせよっか!」


『うにゃああ…死んだら徹夜確定にゃ…こんな危ないところにはいられないにゃ…帰るにゃあ…』


「それ死亡フラグね」


【コメント】

:長くなりそうだ

:永くなりそうだ

:クリアできねえだろw

:これ、マルチプレイだと一人死んだ時点でゲームオーバーだって分かってるのかな

:何気に最高難易度にしてるの草


コメントの一つに目が留まるミタマちゃん。


『にゃ…?サキちゃん、難易度どれにしたにゃ?』


「『HELL』『VERY HARD』『HARD』『NORMAL』『EASY』ってあったからもちろんヘルだよ」


『殺す気かにゃ!?』


「あ、ほらムービー始まるから黙って」


『理不尽にゃ…』


ベッドに眠る一人の男。

薄いシャツにジーパンといういかにもアメリカンなスタイルで寝床につく男は、「きゃああああああ!!!」という女性の叫び声を聞いて飛び起きた。


悲鳴が聞こえた窓の外を覗き込む男。時刻は真夜中。満月が照らす大通りに見えたのは人が人を喰らう地獄絵図。


何故今まで気付かなかったのか、美しい町並みは炎に包まれ、道路には所々に転がる死体が。


「What the hell is going on!?」

「Huh...? What happened, James?」


男が振り返ると、寝ぼけ眼を擦りながら男――ジェームズに話しかけるいくらか若い男。


「Hudson! Wake up! Fire...killing...anyway! We have to go away from here! Hurry up!」

「Ah...are you serious, James?」

「Damn it!」


寝ぼけた弟に悪態をつき、机の引き出しから拳銃を取り出して寝室を出るジェームス。


隣の部屋の両親の寝室に向かい、その扉を叩く。


「Hey, mum! Wake up!」


扉には鍵がかかっており、中に入ることができない。


男が何度か扉を叩いていると、突如として画面に表示されるQTE


《PUSH!『JAMESANDHUDSON』:1P》


私は素早くキーボードを叩き、要求されたQTEをクリアする。


「あ、次みーちゃんだからね」


『分かってるにゃ』


《PUSH!『ESCAPEFROMPARENTS』:2P》


私と同じようにみーちゃんもキーボードを叩くが…


ドォォォォン!!!


「Hudson? Hudson!!! Oh, my goooooood!!!!」


壁が崩壊するような音、次いで聞こえるのは立ち上る砂埃の中で聞こえるジェームズの慟哭。


次いで表示されるGAME OVERの文字。


『にゃ!?なんでにゃ!?』


「多分ね、ちょっと入力が遅かったんだよ。まあこんなのよくあることだから次いこー」


【コメント】

:初デス早いなぁ

:むしろここから

:実はこれまだチャプター1始まってもないんだぜ

:初見だけどクソゲーってのは理解した

:ていうか入力普通に早かったと思うんだが?

:制限時間のシビアさ舐めるなよ


『え、アレで遅い言われたらもう絶望なんにゃけど?』


「ミスタイプ覚悟でスピード重視でやらないと間に合わないよ。ほら、もうそろそろだよ」


言ってる間に再びムービーが始まり、QTEの時間。


先ほどと同じコマンドなのでさほど苦労することもなくクリア。


流石に2回目ということもあってミタマちゃんもなんとかクリア。


先ほどと同じ様に壁が倒壊する音が。

しかし、先ほどと違うのは、その寸前に辛うじてハドソンが部屋から転がり出てきたこと。


「What...what happened...?」


放心するハドソン。


「Hudson...Hudson!!」


自分の背後に立つ人影に気づいていないハドソンに、ジェームズが大声で呼びかける。

何かに気づいて振り返るハドソンの後ろから現れたのは…


「Ahhhhhhhhh!!!!!」


ゾンビと化した両親だった。

顔の皮膚が剥がれ、至るところから出血が。

父親ゾンビに至っては右腕がズタズタで白い骨がぴょこんと飛び出している。

それが、一切のモザイク無しにかなりリアルな描写で描かれている。



「ちなみにここでサリーは絶叫してたね」


『みーもしたにゃ。ていうかコレ見て初見で絶叫しない方がおかしいにゃ』



チュートリアル、スタート。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



はい、めちゃくちゃ更新空きましたねぇ。


別にこれをめっちゃ推敲してたわけでも書き溜め用意してたわけでもないんですよ。


近況ノートにも書きましたが新作の執筆をはじめまして。それを書いてたらこっちの2つが疎かになってたって感じですね☆


これだって実は2時間ぐらいで書いたやつですしおすし…。気が向いたらすぐに続編更新しますね…()

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