第38話 記念凸待ち配信! ⑤

「えーっと…サキちゃんが復活するまで、しばらくはこの雪降マイカが司会進行を務めさせていただきますー…」


「ていうかスパチャ額がものすごいことになってるんにゃけど…」


「もう50万超えてるんだけど?」


「さすがサキちゃんにゃ…」


「えーと…3割はMeeTubeに取られて残りは…?」


「ウチの規定だと、確か残りは会社と折半にゃ」


「えーと…50万からの…35万の…手取り18万ぐらい!?一晩で!?」


「そうにゃね」


「ほえぇ…サキちゃんってばお金持ちになっちゃって…」


「…でも、よくよく考えてみたらさ」


「にゃ?」


「10000円のスパチャが来たとして」


「うにゃ」


「本人に入るのは3500円だけってことでしょ?」


「それでも十分すぎるんにゃけどね」


「単純計算で、ミラライブから脱退してフリーでやれば倍の収入に…」


「それ以上言っちゃいけないにゃ!それ以上言ったら、ユウカ先輩が実は脱退してからの方が収入増えたから実はあんまり戻ってきたくなかったっていうのがこれ見てるメグ先輩にバレちゃうにゃ!」


「そんなこと知らなかったしミタマちゃんが全部言っちゃったんだけどね!?ていうかそれどこ情報!?」


【コメント】

:あっ…(察し

:ユウカちゃん…

金宝ユウカ🔧:ちょ、誤解やって!!

天使メグ:ユウカ、今度ゆっくりお話しましょうか。

:あー死んだ

:帰ってきてすぐなのに…

:OHANASHI…

:話(物理

:ミタマちゃん…ひどい…www

:ていうかマイカちゃんも腹黒ぇ…


「ていうかにゃんで急にそんにゃこと言い出したのにゃ?」


「最近お酒の飲み過ぎで金欠で…」


「自業自得にゃ!!」


「ん…今どういう状況…?」


「にゃ、サキちゃん!もう大丈夫なのかにゃ?」


「別に倒れたとかじゃないしね…。仕返しにサリーをボコボコにしたらスッキリしたよ」


「「サリーちゃん!?」」


二人が振り返ると、そこには身体をピクピクさせて倒れている梨沙の姿が…。


「何したらああなるの…?」


「腕ひしぎ十字固めからの足4の字固めからのコブラツイストからのレッグスプレッドからのロメロスペシャルしただけだよ」


「『だけ』の定義について勉強し直したほうがいいと思うにゃ」


「オーバーキルすぎない?」


【コメント】

:カタカタ

:プルプル

:そういえば微かに悲鳴が聞こえてたような…

:可哀想に

:やりすぎwwwww

:仲いいっていいね

強敵ともじゃん

いじめっ子おともだちじゃん

:ていうかサキちゃんがプロレス技もできることについて触れようか

:何を今更

:できないわけがない

:北斗神拳も使えるんやぞ?

:wwww

:無理があるw

:ロメロスペシャルェ…

:かけられたいなぁ

:腕ひしぎ十字固めされたい

:変態共が…


「にゃ、そういえばその通りにゃ!なんでプロレス技なんかできるのにゃ?」


「なんとなく形は分かるでしょ?それを見様見真似で再現するだけだよ」


「うん、やっぱり『だけ』の定義が分かってないみたいにゃ」


「みーちゃんにもかけてあげよっか?」


「遠慮させてもらうにゃ!」


むぅ…そんなに全力で拒まなくても…


「ていうか…もしかして今日はみんな泊まる予定?」


「私は一人暮らしだからお泊りでも大丈夫だよ」


「みーもにゃ」


「私…も…お母さんに…許可取ってある…」


「なんか、サリーちゃん死にかけてるんにゃけど?」


「全く大袈裟だなぁ…ねえ、二人とも?」


「「ソ、ソウデスネ…」」


【コメント】

:サキちゃん怖いっす

:圧が

:許して下さい ¥5000

:これでなんとか ¥10000

:手打ちにしてくだせえ ¥10000

:お前らスパチャ投げたいだけだろw

:それなw


「だから、なんで私がそんな暴力的なキャラに仕立て上げられてるの!?」


授賞式の時のマスコミの人達もそうだけど、なんでみんな私を暴力的なキャラにしようとするのか…。


「みんなひどいよ…私、そんな野蛮な人じゃないのに…ふぇぇん…」


【コメント】

:…かわいい ¥5000

:はいはいワロスワロス

:友達にプロレス技かけまくって轟沈させてるのに野蛮じゃないとは

:あれだ、どっかの霊長類最強女子と一緒だ

:なるほど

:Vtuberとは。

:www


「あれ、思ってた反応と違う…」


今までの流れで考えたら、可愛いだの可哀想だのいうコメントが流れまくっていいはずなのだが…


「サキちゃん…あからさますぎるにゃ…」


「かわいい…けど、さ」


「むっ…」


リスナーのみんなのノリがよくわからぬ…


「そんなことより企画始めるにゃ!」


「あ、そうだったね!めちゃくちゃ脱線してたけどみーちゃんが何か企画持ってきたって言ってたもんね!」


「そうにゃ!題して「『地球のアソビ大全』全部やっていったら一つぐらいサキちゃんの苦手ゲーム見つかるんじゃないか説」にゃ!」


「全部!?」


―――『地球のアソビ大全』。数年前に発売されて以来、色々な年齢層に人気を博しているNINTEND−0 SMITCHのゲーム。カードゲームやボードゲームなど、世界中の色々なアソビを楽しめる大人気ゲームだ。私の記憶が正しければゲームは全部で88種類…。


「あ、もちろん全部やるわけじゃないにゃ。サキちゃんの苦手ゲームが見つかったらその時点で終了にゃ!」


「よかったぁ…。絶対徹夜コースだと思ったよ」


「サキちゃんとサリーちゃんとみーは徹夜慣れしてるけど、マイカちゃんが確実に死ぬからそれはNGにゃ」


「おぉう!?私だって徹夜ぐらい余裕なんだよぉ!あ、サキちゃん毛布と枕ある?」


「今すぐ寝る気満々じゃねえか!この酔っぱらいがよぉ!」



しばらくして梨沙が復活するのを待って、ゲームを始める。ゲーム機はみーちゃんが持ってきてた。なんでも、マネージャーさんから四人分届いてたらしい。うん、ミラライブのマネージャーやべえ。優秀すぎるのは加瀬さんだけじゃなかったのね。


「じゃあまずは…これにゃ!」


そう言ってみーちゃんが選んだのは…



『将棋』


だった。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



諸事情により後書きを削除致しました。最終回(数話後)のみ、本編のあとに少々長めの後書きがつきます。予めご了承下さい。

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