第36話 記念凸待ち配信! ③
「お、また来た!って……この人か……。えーっと、もしもしー……」
『あなたの今日のパンツは何色?』
「え、黒……って、それはこっちの質問ですからね!?」
『私のパンツ?穿いてるわけないじゃない』
「穿いて下さいね!?あと、まだ訊いてないですから!!」
『だって何も着てないし……今更パンツだけ穿いたところでじゃない?』
……えーっと、この方がミラライブ一の変態と呼び声高い田所鈴子さんでーす……
変態です。見た目はOLです。以上です。
「はあ……まあ、うん。じゃあそゆことでさよならー」
『ちょ、適当過ぎない!?』
「だってもうパンツの色聞き終わりましたもん」
『でもさ、ほら!お互いの好きなシチュとか体位につい――――』
ぶつっ!!
「はい!今ちょっと変な音声が入り込んできてしまいました!大変失礼致しました!」
【コメント】
:おう、せやな
:先輩を変な音声呼ばわり…w
:コラボしてほしいなぁ(遠い目)
:サキちゃんはあんな変態とは関わらないでね
:もういっそブロックしよう
:二期生全部ダメなんだよなぁ
「まあまあ、全部ダメとか言わないであげて……フォローのしようがないから……」
……と、そう言った途端に再び二期生からの通話が…
「えーっと……もしもし?」
『死んでくれる?』
「嫌です」
はい、二期生です。
普通のサイコパスなら怖いだけなんだけど、多分名前とかセリフとかアバターのモデルになってるキャラを知ってるだけにちょっと興味があったりする。
『死んでよ』
「どうして死んでほしいの?」
『死んでゾンビになって、私と永遠に仲良くしてほしいの』
わー、やっぱりだ。
「ほら、ヒランヤあげるから」
私がそう言った瞬間、アリス先輩の声がガラリと変わる。
『っ……!?サキちゃん、もしかして……』
「ふっふっふ……アレのシリーズ…は全作プレイしたよ……。だからアリスちゃんを手懐ける方法には詳しいんだよ…」
『待って、死ななくていいから普通に友達になりたい』
「こちらこそ!あのゲームの話題通じる人めっちゃ少ないから大歓迎よ!!」
『えへへ……今度一緒にプレイしよ?』
「もっちろん!攻略法全部頭に入ってるし、全クリRTA耐久配信でもやる?」
『おお……楽しそう……。約束ね!』
「うん!じゃあ最後にパンツの色教えてもらおうかな!」
『えっ……』
「え?」
『私、幼女……』
「中身はもっと上でしょうが」
『うぅ……中身とか言うなぁ……死ねぇ……』
「ナチュラルな『死ね』が出たね!?」
『ふぅー……はい、真っ白なやつです!また遊ぼうね!』
ぷつっ。
【コメント】
:ふぁっ!?
:アリスちゃんのあんな態度初めて見たぞ!? ¥10000
:グロゲ以外であんなに楽しそうなアリスちゃん見たことないんだが
:誰かとのコラボ自体稀なのに…
:ありがとうございます ¥10000
:あのゲームってなんぞ… ¥1000
:あのゲーム知ってる人ミラライブにいなかったもんなぁ
:ちなみにメ◯テンのことね
:昔は人気あったのに最近は…
:ていうかサキちゃんがメガ〇ン知ってることが驚きなんだが
「うんうん、あれは名作よ…。初代から最新作まで、あとは派生作品もやり込んだねぇ…。そして、アリスの『死んでくれる?』はメ◯テンの代名詞とも言えるね。声のトーンとか雰囲気とかも原作そっくりだからよっぽど大好きで研究したんだなぁって思ったね…」
ちなみに、メガ◯ンはほぼ唯一と言っていいほど早紀がめちゃくちゃハマったゲームだ。
十年以上前のゲームソフトまでゲーム屋の倉庫から引っ張り出してきてもらってプレイしたほどだったり…。
「まあまあ、これ以上はアリスちゃんとのコラボのときにでも語ろうかな」
分かる人には分かると思うが、好きなものについて語り始めたらもう止まらない。配信中だろうがなんだろうが、多分数時間は語れる。まあ、それぐらい面白いゲームだってことだよ。
【コメント】
:なるほどわからん
:アリスは推しキャラだわ
:他に推せるキャラほぼおらんけどな…
:まあ、ヒロインとかいるし?
:訳分かんない話続いててしんどい
Sally:私、サリーさん。今、あなたの家の前にいるの。
雪降マイカ🔧:私、マイカさん。今、あなたの家の前にいるの。
山神ミタマ🔧:私、みーちゃん。今、あなたの家の前にいるにゃ。
!?
「メリーさん構文やめろぉ!!ていうかちょ、待って!なんでマイカちゃんとみーちゃんが私の家の場所知ってんの!?あと、みーちゃん中途半端!!」
ピンポーン
ガチャ。
「あら、いらっしゃい。お友達?…へー、同期の…。まあ、とりあえず入って」
「相変わらずガードが甘ぇ!なんで初対面のはずなのにすんなり通す!?」
【コメント】
:まさかのオフ凸ww
:メリーさん構文って何
:それなww
:三期生大集合だー
:カオスだろ
:マイカちゃんさっきまで飲酒配信やってたんだぞ?
階段を駆け上がる音が聞こえる。三人分。
そして…
「おっす!オラサリー!」
「サキちゃんおひさー!」
「はじめましてにゃー!」
とりあえず言いたいことは一つ。
「…うん、なんで来た!?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます