第35話 記念凸待ち配信! ②
……と、ここで再び通話リクエストの通知が。
「もしもしー」
『ご機嫌麗しゅう』
「お、メグ先輩だ!」
『サキちゃんのお友達の皆さんはじめまして。ミラライブ一期生の天使メグですわ』
「おー、お嬢様モードだぁ……」
『あら、何を言ってるのかしら?
「そ、そうですわね……」
……圧がね、すごいのよ。
梨沙の胸の話題の時と同じくらい……
『では、そうですね……。サキちゃんに一つ問題です』
「お、クイズゲームコラボの前哨戦というわけですね?」
『フフッ……まあ、今日は小手調べですわよ。では、問題。クロロホルムの製造方法は?』
「なんでクロロホルム!?えーっと……確か塩素とクロロメタン、もしくはメタンを摂氏500度ぐらいまで熱するとかでしたっけ?」
『くっ……正解よ……』
「メグ先輩こそなんでこんな限定的極まりない使い道の知ってるんですか……。あ、次はこっちから問題出しますね」
『いいですわよ』
「じゃあ、メジャーリーグで最初の永久欠番は誰の何番?」
『ジャッキー・ロビンソンの42番ですわね。確か1947年くらいよね?』
「大正解!エンタメなら弱いと思ったんだけどなぁ……」
『ミラライブ一の知識人の渾名は伊達じゃありませんわよ。あ、そろそろお暇するわね』
「あ、最後に今穿いてるパンツの色と柄を」
『本気……ですの?』
「ええ、お願いします」
『恥ずかしいのですけれど……』
「いいからいいから。イナ先輩も教えてくれましたし」
『うぅ……えーっと……赤の……レースですわ……きゃっ』
ぷつっ。
「……メグ先輩可愛すぎん?」
【コメント】
:それな ¥10000
:レースか…(遠い目) ¥1000
:赤か… ¥5000
:思ってたより派手だ… ¥8888
:そろそろクイズについて触れようか?
:なんでクロロホルムの材料なんか知ってんだ…
:二人とも野球好きなイメージないのになんでそんな知識が…
「え、常識じゃなかったの!?クロロホルムなんか誰でも一度は作りたいと思うモノだとばかり……」
【コメント】
:ねえよ
:なんでやねん
:何を企ててるんだ…
:作りたい(ボソッ
:サキちゃんなら吸わされても大丈夫そうって思うの俺だけ?
「ねえよ!!あれね、マジですごいんだよ。ちょっと吸っただけで力抜けるからびっくりしたよ。ああでもクロロホルムって割と死ぬ可能性あるらしいし似たような別の薬だったのかな?まぁどちらにせよあんまおすすめはしない」
【コメント】
:!?
:使われる側…?
:まさか
:何があったww
:そっからの顛末が気になりすぎて
:普通に生きてたら使うことも使われることもないぞ…
……と、再び着信音が。
「はい、もしもしー」
『あ、オレオレ。俺やけど最近どない?』
「あ、ユウカ先輩どうもです〜」
『あれ!?なんでバレた!?』
「『ご丁寧に表示名も変えて騙しに来てたけど、そんなコテコテの関西弁やったらすぐ分かるって』」
『「おー、さすがサキちゃん。ていうか私の声真似やめてくれない?されたことないから違和感半端ないんだけど」』
「『え?ユウカちゃんこそウチの声真似しとるやん。ていうかウチ、そんなカワボちゃうで?』」
『「謙遜もすぎれば嫌味なのよ……。」ウオッホン!けほっ!げほっ!』
「先輩!?だ、大丈夫ですか!?」
『無理。ウチとは次元の違うカワボすぎて喉がもたん。死ぬ』
「私も。こんなだみ声出すことないから喉痛い」
『だみ声言うなや!声は可愛くなくてもトークが面白けりゃ人気は出るんやからなぁ!』
「ボイトレしないんですか?」
『めんどい』
「自業自得じゃねえか!!」
『それな〜。あ、ほんならちょっと早いけどウチもそろそろさいならしよかな。後ろ詰まってるみたいやしな』
「はい、最後にパンツの色と柄を……」
『黄色と黒のしましまのやつやで。ほなな〜』
ぷつっ。
「……」
【コメント】
:トラww
:自分から言ったぞww
:羞恥心の欠片もなかったな ¥5000
:何気にクオリティクソ高い二人の声真似よ ¥7000
:この二人、いつの間にか入れ替わってても俺ら気付かなそう¥10000
「さぁ!これで一期生コンプですね!次は誰が来るのか…」
まあ、多分ミタマちゃんとマイカちゃんは来てくれるでしょ。ということで次の着信音が。……と、この人は……
「もしもし〜」
『……『もしもし』とな?まずは『来てくださって有難う御座いますアリシア様』じゃろうが。この愚図が』
……おっとぉ?
「えーっと……このような凡庸な配信者の記念配信なぞにお越しいただき誠にありがとうございますアリシア様?」
「うむ、よい。じゃが、自分をそこまで卑下するでないぞ。妾はそなたを好ましく思っておるでな」
……どっちなんだよ!!さっきは『この愚図が』って言ってたじゃねえか!!
……と、もう察しがついてる方もいるとは思うがこの方がミラライブ二期生の一人、アリシア・デ・ラスフォード様だ。
ライバーとしての名前は外国人だが、純日本人である。アバターは、THE・姫。とはいえ性格そのままの性格悪い感じじゃなくて、めっちゃ美人で気品漂う感じ。そっからのあの暴言だから、初配信でのインパクトすごかったそうな……。だって、メグ先輩系統の人が来ると思ったら正反対の性格の人だったんだよ?まあ、それでも人気があるのはギャップ萌えってやつなのか普通にドMが多いのか……。
「えーっと、今まで話したことないのになんで来てくれたんですか?」
『ふむ、妾が来ては不服か?』
「やだなぁ、そんなこと言ってないじゃないですか!めっちゃ嬉しいですよ!」
『そ、そうか……。実は妾も以前からそなたと親交を深めたいと思っておったのじゃ』
「おぉ……光栄です!是非お友達になりましょう!」
『友達……?ふっ、貴様と妾が友だと?笑わせるではないわ!親交を深めるとは言ったが貴様は所詮は妾のために芸を披露する道化に過ぎん!思い上がるでないわ!』
ピキッ。
「あら、最近のお姫様はわざわざ道化の元に赴いて芸を観賞なされるのですか?滑稽ですね」
『ほほう……先輩である妾にケンカを売るか……育ちが知れるな』
「いえいえ、アリシア様の行動と発言が矛盾しておりましたので指摘させていただいただけですわよ?あなたこそ、後輩相手にムキになって挑発して…恥ずかしくありませんの?」
『ふふふふふふふ……』
「ははははははは……」
……。
『……ふっ、なかなかに興味深い道化じゃのぅ。妾の下着は黒のTバックじゃ。それではまたの』
ぷつっ。
【コメント】
:カタカタ…
:二人とも怖いって
:初対面とは思えない舌戦やめぃ
:血管が切れる音が聞こえたのは気のせい?
:空気が凍りつく音が…
:最後にしっかりパンツの色を教えていくスタイル ¥10000
:黒の…Tバック… ¥15000
「えーっと……『それではまたの』って言われてたし、嫌われてはいないって認識でいいのかな……?」
うん、きっとそうだろう。嫌われてたらパンツの色なんか教えてくれないよ、きっと。
痴女でもない限り。
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