第34話 記念凸待ち配信! ①

スパチャ多すぎじゃね?とかのコメントは認めません。相場がわからんのじゃ。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



『《狐舞サキ》収益化&チャンネル登録者数10万人記念凸待ち配信!!《記念配信/ミラライブ三期生》』


【コメント】

:この時を待ってた ¥10000

:初手赤スパは強い ¥10000

:いやお前もな ¥5000

:なんだここ石油王しかいねえぞ ¥1919

:おい馬鹿やめろ ¥4545

:お前らそういうのよくないって ¥810

:記念配信の始まりがこんなんでいいのか…


「うおっ!?いきなり33274円も!?ちょ、みんなもっとお金大事にしようね!?」


サキは知らない。『お金大事にしてね』がVtuberにとっての禁句であることを。


【コメント】

:しゃーねえ ¥10000

:わかった ¥10000

:完全にフリなんだよなぁ ¥10000

:赤スパビンタの応酬w ¥10000

金宝ユウカ🔧:ウチにもちょーだい ¥10000

:っていいながら赤スパで殴るスタイル ¥5000

:クッソ計算早いことに誰もツッコまないの草 ¥1000

:今更感 ¥1200

:スパチャなしのコメントがほぼないんだが?


「だから、なんでそんなにスパチャ投げるのかな!?なんか、罪悪感がすごいんだけど!?」


【コメント】

:記念配信ってこんなもんでしょ ¥5000

:ちなみにガチャ配信はもっとだよ ¥5000

:これぐらい普通だよ ¥10000

:普通の定義が崩れてゆく… ¥10000

:崩壊の足音 ¥10000


「よし!一旦ストップしよう!話が全然進まん!」


【コメント】

:…

:…

:…。

宇天イナ🔧:¥15000

:…………



:wwwww

:空気読まねえww

:常識枠じゃなかったのか…

:無言赤は草


「イナ先輩?無言で15000円も投げられるとただただ恐怖でしかないんですけど?」


【コメント】

:ほんそれ ¥1000

:後輩いじめちゃダメだよ ¥5000

:無言ほんまw

天使メグ🔧:遅刻しましたごめんなさい ¥50000

:やはり後輩は札束で殴るもの…………


「メグ先輩!?…って、これ以上は話進まないんでとりあえず進めさせて下さい!今回は私、ミラライブ三期生の狐舞サキのMeeTubeチャンネル登録者数が10万人を突破!並びに収益化の申請が通った記念の配信でございます!わー!ぱちぱちぱちぱちー」


【コメント】

:888888 ¥8888

:888888 ¥8888

:8888 ¥8888

:88888888 ¥8888

:それもフリなんだよなぁ… ¥8888

:もう、わざとなんじゃないか説 ¥8888


「うおおおおおい!?わざとって何よ!!」


ぱちぱちって言ったから8888円投げるのか!?謎の文化過ぎんか!?


「あー……忙しい……はい、ということで凸待ちです。どんどん凸ってきてね〜」


そう言って、画面に『凸待ちなうっ!!』と表示させるや否や一本の通話リクエストが。


「お、早いねぇ。えーっと、凸一人目はイナ先輩です!」


『どうもー!サキちゃんの友達のみんな、こんばんは!ミラライブ唯一の常識枠兼ツッコミ役こと、一期生の宇天イナでーす!』


【コメント】

:常識…?

:常識ってなんだっけ

:元常識枠の間違いじゃね

:もうボケ枠だろ

:昨日のミラネ屋で大暴れしてたじゃん


「イナ先輩、常識枠じゃないと言われてますが……」


『うおぉぉい!昨日は久しぶりのユウカとのコラボだったからはっちゃけちゃっただけじゃん!ミラライブで一番……いや、唯一常識がある人だと自負してるからねっ!あとサキちゃん、敬語やめて。かゆい』


「あ、ごめん。じゃあさイナちゃん、この前言ってたことは取り消していいのかな?」


『ん?なんのことー?』


「『ツッコミ疲れたからサキちゃんとのコラボではボケさせろー!』って言ってたじゃん」


『あー、大丈夫大丈夫!昨日でもうボケ欲発散したから!』


「ならよかった!」


『あ、でもサキちゃん欲は増したから今度ハグさせてね。ということでオフコラボ希望』


「なんでミラライブのライバーってスキンシップ求めてくるのかな!?」


『ユウカに、『サキちゃんのおっぱいの触り心地最高やったで〜』って言われたんだもん』


「あの人絶対中身オッサンやん!?」


『な、なんで急に関西弁……?』


「あ、ユウカ先輩の話出てきたからつられて……」


『ということでサキちゃんのおっぱい予約ね!ばいちゃ!』


「どういうことで!?あ、イナちゃん。最後に、今穿いてるパンツの色と柄を教えて」


『なんで!?』


なんか、梨沙が言ってたんだけどこういう凸待ち配信では来てくれた人にパンツの色を訊くのが礼儀らしいんだよね。なんでかは知らないけど。


『本気で?』


「冗談半分だったけどイナちゃんが照れてるのが可愛すぎるからやっぱ本気で教えて」


『うぐぉぉ……えーっと……白と……水色の……ストライプです……くそぅ、サキちゃんのパンツは今度直で確認してやる!』


ぷつっ。


「…」


なんでだろ。私に女の子との恋愛をしたいといったような気はないのだが、何故かめっちゃ興奮した。


【コメント】

:ナイス ¥10000

:想像した ¥10000

:最高かよ ¥10000

:めっちゃ照れてたの好き ¥10000

:よく教えてくれたなw ¥10000

:ていうかなんで訊いたww ¥10000

Sally:くっくっく…


「あ、サリー!お主謀りおったな!?」


だっておかしいと思ったもん!



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



作者:一応、別の世界線のお話ということで。だって、パンツの色教える覚悟で凸来てるなんてつまんないじゃん?羞恥心って一番かぁいいと思うのよね。ということでこの世界では、早紀…というより、梨沙がパンツの色文化の発端ということにします。異論は認める。

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