第2話 死の追憶

ぼくは過去の出来事を繰り返し思い出す。ベッドの中で眠れない時なんかはね。今日は自分の1番古い記憶について話そうか。そうそう、僕は一度、死んだらしい。死にかけたとも言う、ただの臨死体験。ぼくは推定3歳の頃、家の中庭にある池で溺れた。らしい。ははっ嘘をついてしまったね。ママやパパが言ってるから本当のことではあるのだけれど、なにせ当の本人に溺れた記憶がないのだから腑に落ちない。中庭の縁側から落ちたのは僕なんだけどさ。それからは縁側にフェンスが取り付けられた。僕は、フェンスのある縁側しか見たことがない。池には、錦鯉がいてね、まあ綺麗だったよ。聞くところによると、第一発見者はお姉ちゃん。ゆき姉。溺れてる僕を見るやいなや叫んだらしい。なんて言ったか分からない。たぶん、ゆうしが溺れてるぅ~とか言ったのかな。それで、さゆりおばあちゃんが来てくれて、救急車を呼んでくれた。

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