第5話 スイカ

 1歳児の娘は絵本が好きで、図書館で借りてはよく読んでいる。

 赤ちゃんは赤色を認識しやすいらしく、多くの絵本に金魚、スイカ、イチゴ、トマト……この辺りが出てくる。

 そのためか、スーパーでスイカを見掛けると、一緒にいる娘が「ん!ん!」と、しきりにスイカを指差す。

 いつも行くスーパーでのスイカの主張は強めだ。  

 幾つも並ぶ玉は大きいし、カットされた物は赤くて目を引く。

 いつもはスルーしていたが、今回は8分の1にカットされた物を購入した。 

 絵本でよく見る、いかにもなスイカだ。

 水滴が滲み出てきそうなほど瑞々しかった。


 祖父が数年前までスイカを育てていたので、小ぶりのスイカ玉を貰った事がある。

 食べきれない分は種を取り除いて、果肉を潰して冷凍した。

 そうすると、溶けはじめがシャーベットみたいになって美味しかった。

 

 今回もそうしたいなと思っていたが気力がなく、普通にムシャムシャと食べた。

 スイカは、殆んど水分なところが好きだ。口の中が潤う。

 少し瓜っぽい青い味がサッパリして美味しくて、夏!って感じがした。

 スイカは出始めの時期が1番美味しいと母が言っていた。もう少し早く、6月上旬くらいならもっともっと美味しかったのかしら。  

 来年はそのくらいに買ってみよう。


 ちなみに、娘はそれほど好きではなかったらしく、少し食べて拒否してしまった。

 残念。

 でも、それ以来、絵本のスイカに以前よりかなり反応するようになった。

 絵と味が繋がって、立体的になったのだろう。 


 次は桃を与えてみたい。  

 私も夫も桃が好きなので、私たちも食べるのが楽しみだ。

 

 

 

  

  

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