はだかを見せた方が悪い


「よよ……どうやら」

「贄波さんのお部屋」

「水道管が悪かったみたいですね」

「一応、応急処置はしておきましたのでッ」

「後日、水道会社さんに連絡して」

「直してもらいますよっ!」


「ありがとうございます」

「寮母さま」


「あぁ疲れたわ」

「はぁ……」


「八峡さんもお手伝いありがとうございますっ!」


「いやいや」

「俺は特に何もしてないっすよ」

「お、茶ァあんじゃん」

「しかも茶柱立ってらラッキー」


「………」


「あ?」

「なんだよお嬢」

「そんなムスっとしやがって」


「理由なら分かってるでしょう?」


「………あぁ」

「だけどなお嬢」

「これだけは言っておく」

「決して見れない体じゃねぇ」

「胸を張れ」


「見せられない体だと思って」

「そう言ったとでもッ!?」


「そうで御座います」

「お嬢様は美容に関して厳しいお方です」

「何れ抱かれる未来の旦那様の為に」

「美しいプロモーションを保っているのですッ!」

「お肌のケアに髪質のキューティクルを保つ事を怠らず」

「食事調整と運動によって体型と体重を維持しているのですッ!」

「そして育乳も欠かしておりませんッ!」

「育った試しはありませんがッ!」


「界守貴方黙りなさいッ!」


「よよ?」

「いくにゅうってなんですか?」


「ウチの寮母にそういう知識植えつけんな」

「オタクのメイドはどんな躾されてんだよ」


「主に鞭と蝋燭ですが?」


「した覚えはないのだけれど!?」


「んな事はどうでもいいんだよッ!」


「ちょッ!なんッ、あ、なんで」

「貴方が怒ってるのかしら!?」

「机を叩く権利はこちらにあるのだけれどッ!?」


「見られて困る体じゃねぇのは分かった」

「じゃあつまり俺が見ても問題はない」

「はい、この話終了な」


「問題は見た事なのだけれどッ!?」


「堂々巡りじゃねぇか」

「空気読めよお嬢」

「話進まねぇだろ」


「なんで私が悪い風になってるのかしらッ!?」

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