戦闘終了



「今日は此処までにしよう」


「おか、しい……だろッ」


「殺意を消せた事が、か」


「いや、違う」

「……いや、それもある、すけど」

「士柄武物、すよ」

「これッ」


「何がおかしい?」


「神童、五十市依光の武器ッ」

「だってのにッ」

「あん時」

「あんた、片手で止めたでしょうがッ」

「おかしいッすよ!そんなんッ」


「おかしいも何も」

「当たり前な話だ」

「お前はその士柄武物を」

「使いこなせて無いからな」


「……じゃあ」

「どうやったら」

「使い熟せるんすか」


「面倒だから」

「嫌だ」


「あんた」

「それでも教師かよッ!」

「曲がりなりにも」

「教師だろうがッ!!」


「教師ではあるが」

「お前の為の教師じゃない」

「教える気など」

「毛頭ない」



『ん?え?』

『士柄武物?……うーん』

『ごめん、分かんない……』


『士柄武物かい?』

『我が友の頼みならば』

『誰か紹介しようか』


『よよっ』

『しがらぶぶつ?』

『お茶漬けみたいなものですか!?』


(士柄武物如き)

(執着し過ぎだろ)

(そう思われるかも知れねぇがな)

(俺にはこれしかねぇんだ)

(強くなる為には)

(この武器しかねぇ)

(なら)

(腹ァ決めるしかねぇか)

(一度は死に掛けた)

(その戦場に懸けるしかねぇわな)

(俺は、あの時の戦いで)

(自分って奴を自覚したんだ)

(そこから、俺らしい戦い方を組み込めば)

(ある程度、戦えるくらいの技量はある筈だ)

(うっし)

(そうと決りゃ)

(善は急げだ)

「………」

(頼む)

(職員室に居ないでくれ)



「……ぁ」


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